「モノクロで描き出す、人とそうでない者の境界」人間の境界 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロで描き出す、人とそうでない者の境界
ポーランドとベラルーシの国境で、アフリカやアフガニスタン等からの難民が
国境警備隊によって、相互に”人間兵器“として押し付け合う、その様は
もはや人の所業ではありません。
人を人として扱っておらず、劇中の難民家族が言う通り動物のような、いや、そこにも該当しないような
扱いを受けて、亡くなっていく人も多数。
映画では、難民家族、国境警備隊、支援活動家、それぞれの視点から
この問題が描かれますが、目を覆いたくなるような、そんな悲惨な状態に置かれる避難民の方々。
母国を脱出する必要がなければ、かような問題はないのかもしれませんが、
そうでないのが実態です。
劇中には、国境警備隊にも”人“がいたり、
支援活動家家族と避難民との心温まる交流に、少し救われた気持ちになりますが、
結局はこの問題は全く解決していないので、それを観客につきつける映画作品であったと思いますし、
いろいろと考えさせられました。
エンターテインメントではありませんが、
国際情勢を知る、良い機会となりましたし、観る価値のある作品だと思います。
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