劇場公開日 2024年5月3日

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「目に見える境界線と目に見えない境界」人間の境界 ネコと映画と人生とさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0目に見える境界線と目に見えない境界

2024年5月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

本作の邦題『人間の境界』は秀逸なタイトルだと思います。作中では「目に見える境界線」だけでなく、数多の『目に見えない境界』の存在を 本作の物語と映像を通して痛感させられる作品でした。

【ストーリー(脚本) & 演出】
現実に起きている問題を『難民』『国境警備隊』『難民支援者』『難民と関わった国民』それぞれの視点から《章仕立て》にして観せる構成の作品です。
「重く暗く苦しい」ストーリーと演出が続くのだが 「これは現実に起きている事である」と考えると、映画としては[観る人を選ぶ作品]なのは分かっていても 出来る事ならば[一人でも多くの方に観てもらいたい作品]でもあると考えました。
《世界の「何処かで」起きている悲劇的な出来事が、実際に『世界の何処で起きているのか』を知る》150分間です。
脚本評価★★★★★
演出評価★★★★★

【キャスティング(配役) & 演技】
知らない俳優さんばかりでしたが、ドキュメンタリー映画かと思う程《真実味・現実味》のある迫真の演技であったと思います。
配役評価★★★★☆
演技評価★★★★★

【映像 & 音楽】
本作の映像は《白黒のモノクロ映像》です。それを観て最初に私が考えたのは『おそらく本作の制作者は「この物語には[色彩という情報]は必要ない」と考えたのかな?』という事でした。 制作者にとって[不要な要素]を削ぎ落とす事によって、自身が伝えたい事を より鮮明に描き出そうとしたのだろう かと。
映像評価★★★★★
音楽評価★★★☆☆

(近年[モノクロ映像]で制作・公開される作品も時折り見かけるようになりましたし、もし白黒映像作品を観た事がなく「白黒の映像に抵抗感がある」方が居たとしても、案外観てるうちに気にならなくなりますし 最後まで観れてしまうものですので、一度鑑賞してみても良いかと)

【総合評価】
ドキュメンタリー映画程ではなくても (おそらくですが)限りなく現実に近い物語なので、レビュー冒頭でも描きましたが[観る人を選ぶ作品]である事は否めません。

作品の内容だけで[主観的に]評価するならば 迷わず★5評価の作品なのですが、レビューとして[客観的に]評価するとなると 上記要素を考慮して《★4評価》にせざるを得ないかなぁ と。

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