「こりゃ、わからんよ(途中は面白いが)」悪は存在しない kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
こりゃ、わからんよ(途中は面白いが)
濱口竜介監督ということ以外事前情報をほとんど入れずに観た本作。冒頭の薪割りや水汲みのシーンや、意外と長いワンカットを観ながら、これは失敗したかもと思ってしまった。あれだ、アートよりのやつだと。
ところが、グランピング施設建設の説明会の話が出てきたあたりから徐々に面白くなってくる。村の人達からすれば土地を汚し荒らそうとする奴ら。でも彼らにも抱えるものがあって完全なる悪人ではない。現場に行かずに村の問題を軽視したアドバイスをするコンサルは個人的に嫌いなタイプの人間だけど。
村の住民と芸能事務所の人間の絡みが進む中でどうなっていくのか気持ちが高まってきた中、最後に事件が起き不可解な結末を迎える。自分もそうだったけど、戸惑う人多いだろうな。なんとなくで推測できるような材料もないから、どういう意味なんだって考えてしまうもの。最初はアートっぽく、途中面白くなって、最後不可解。相当ハードルが高い。途中のやりとりが評価を底上げしているからなのか、個人的にはなぜだかそんなに悪い印象ではないが、手放しに絶賛なんてできない。こりゃ、わからんよ。
後で説明を読んだら少し納得。元々映画として作り始めていない。少し棒読みなセリフもそれなら受け入れられる。
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