潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断のレビュー・感想・評価
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「通常の生活を続けて、それぞれ義務を果たすべし」
艦長が乗組員への通達を、明治天皇の言葉で締めくくる。
ロシアのバルチック艦隊を撃破った東郷さんや明治大帝の遺功は当時の欧州の軍人さんに影響を与えていたんだなぁということが知れて、ストーリーに関係ないところで感動した。
美談だが暗い暗い演出、演技に音楽で、エンディングの主題歌や延々と続く料理名のような陽気さは、劇中微塵もない。
詩的なモノローグや回想など不要で、もっと淡々と描いた方が胸に迫ってきたんじゃないだろうか。あまりにも芝居がかっていてまるで舞台劇のようだった。
あんなに暗くて命知らずな艦長さんの船には乗りたくないな。
ラストの字幕、登場人物たちのその後に感動。
潜水艦のその後に驚愕。
潜水艦て誰得で開発されたんだろう?
戦艦は沈めても人間は助ける。
実話ベースの感動作!
戦艦は沈めても人間は助ける。
人間性を貫くことが人としての真の勝利だ。
とても大事なことを訴えるいい映画でした。
「関心領域」「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」「フィリップ」と、最近ナチス関連作の公開が続いていますが、戦争の映画は、忘れないようにずっと作ら荒れる必要があります。
ラスト、字幕でのみ告げられる、助けられた人々が、艦長が生前合うことが無かった娘に出会ったというエピソードもまた感動的。
最後に、エンドロールでは「日本語字幕翻訳は敗北」。
料理名を話し出すが、早々に翻訳の字幕が無くなってしまう。
そこは意地でも最後まですべての料理の名前を訳してほしかったのに。
オリジナルの音声にも一言いいたい。
最後に「○○風ポテトフライ」と言って欲しかった!
何故助けたのですか?イタリア人ですから~
イタリア潜水艦艦長のみならず敵であるイギリス海軍艦長も武士道精神に溢れていて、カッコいいの一言!助けられたベルギー人達(1940年はまだ中立国)の中には、おそらくナチスドイツの圧迫を受けていたのだろうか、ドイツの同盟国であるイタリア人艦長を信じきっておらず、潜水艦艦内で破壊工作を行い、ベルギー人船長から鉄拳制裁をくらう。ベルギー人船長からしたら命の恩人なのだから、戦争中であろうがなかろうが、関係ないということ。よい映画だった。
イタリアの美談物語
実話なので非常に地味な展開で特に立ち上がりは潜水艦の艦長個人を描くもの。
1940年代の話なので潜水艦も地味で
艦内の様子は狭い事が特に強調されている。
しかし、逆に、この時代にこれだけの潜水艦をイタリアが所有して戦争していた事は日本人には知られざる話だと思う。
個人個人には「心」がある
実話ベースの作品、しかもイタリア海軍全面協力で潜水艦を実寸再現したとのこと!
内容的には大戦物ではあるが、人を救うヒューマンな部分が描かれているため、戦争の愚かさは薄まっている感がしました。その分共感しながら観られましたしね。
国と国は戦っていても、人間ひとりひとりには心があり、しかもそこに船乗りとしての気概も加えられ、それが相手の英国にも伝わって、という人間の本質を描いた良作だと思います。
まあ一部、敵愾心剥き出しで反抗するベルギー人もいましたが、それとて多分愛する人を戦争で失ったとか「国」に対する哀しみや憎しみがあってのことで、乗り合わせたイタリア軍兵士個人への恨みではありませんしね。
いつも思うのは、戦争のために悲劇や美談が作られるのであって、やはり根絶すべきはおろかな戦闘だということです。
あと、艦長が食事担当のクルーに、食材が足りなくなってきたら、色んなメニューの名前を言いながら配膳するんだよ、と語りかけるのが良かったですね。作品中もエンドクレジットの間も、ずぅっとメニューを連呼していて、イタリアン好きのワタシはそれを聞くだけでもワクワクしました。食べ物って大事ですね。
ここからは話しは作品と離れますが、自分が押さえてある席にワタシより高齢のカップルが座っていました。高齢者あるあるで列でも間違えているのだろうなと、声を掛けようとしたら「あ、ばれちゃった」みたいに舌をペロっと出してそそくさと移動するではありませんか!
正に確信犯!
いい年した二人連れなんですから、どちらか片割れが「いや、それは良くないよ」と諫めるとか「始まって誰も来なければ見やすい方へ移動しようか」とか諭すべきではないでしょうか。
「善き心」の作品を観に来ているはずなのに「心を失っている」先輩諸氏の姿を見て、なんだかとても寂しくなってしまいました。
コマンダンテ・トーダロの勇気ある決断
自分なりに調べてみた結果について述べてみる。
潜水艦コマンダンテの正式名称はコマンダンテ・カッペリーニといい、これは実在したカッペリーニ司令官をリスペクトし船の名前にしたもの。因みにコマンダンテは日本語に訳せば"司令官"という意味になる。
コマンダンテ・カッペリーニ号のその後は数奇な運命を辿ることになる。日独伊三国同盟において最初にムッソリーニのファシズムが倒れ、続いてヒトラーのナチスが倒れ、日本が敗戦を認めるのだが、カッペリーニ号はイタリア→ドイツ→日本へと渡り、最後は紀伊水道(和歌山〜兵庫県淡路島〜徳島県)で連合国により海没処分。
コマンダンテについて説明したところで映画へ。
船籍不明の貨物船に襲撃されたにも関わらず船員を安全なアゾレス諸島(ポルトガル)へ安全に送ったトーダロの決断が素晴らしすぎる。
イタリア人だから
このセリフが凄くしびれる(;゚∀゚)=3ハァハァ
敵だろうが困っている人は見逃さない、結城のある決断が多くの人命を救い、また第二次世界大戦を乗り切ったのが凄い。
エンドロールの説明で生き残った船員がトーダロの家族を訪れ、生きて帰れなかったトーダロの偉業を産まれてきたトーダロの娘に伝えてあげたのも、助けてもらった御縁は絶対に忘れないということだろう。色々な方々に見てほしい!
全体通してとにかく好き! 泣き出した台詞 「切れてくれ」(うろ覚え...
全体通してとにかく好き!
泣き出した台詞
「切れてくれ」(うろ覚え)
「引き上げよう」
「イタリア人だから」
エンディングロール直前のテロップ見て、
『うそ!実話だったっけ?!』とびっくり
海の男、戦時中、イタリア人、など、
よく考えたらこれだけで、
何があってもドラマになるような設定でした
私が代わりに殺したいと思うほど憎たらしい人たちもいたけれど、
基本的にいろんな愛に満ちた映画でした
文学作品みたいな奥深い台詞の続くシーンもあったのに、
エンディングロールで流れる曲がベタで俗っぽくて、
敢えての選曲のギャップに完全にやられました
その後のナレーションでまた泣き笑いだったけど、
いつまでも終わらずあまりに長過ぎて、
ずっと頑張ったジジーノをねぎらいたい
イタリア人のパスタ好き
「最高司令官(コマンダンテ)」だからといって、キューバのカストロ元議長のことではなく。
第二次世界大戦で、イタリア海軍にて戦い抜いたあと、イタリアと日本との輸送任務用「アキラ3号」になり、その後イタリアの降伏で、独日に接収され「伊号第五百三潜水艦」として終戦まで働いた、日本ゆかりのコマンダンテ号。
その潜水艦の、イタリア海軍時代の艦長・サルバトーレさんの実話。
途中まで、サルバトーレ艦長さんの発言、行動、勇猛さや優しさ、家族想いなところにフォーカスが当たり、戦いが全然なく、やや眠気が。
残り1/3くらいで、やっと本題に入り、ここで面白くなってきた。
敵のイギリス用軍資を輸送する、中立国ベルギーの貨物船(ただし擬装して国籍不明船)を撃沈するも、脱出した船員たちを救助して、イギリス支配海域の島まで送っていったエピソードが、本作の肝。
その撮影のために1/1模型を作ったらしくて。
甲板や遠方視認用の監視司令塔(水を浴びてしまう構造)にいる、ベルギー船員の濡れて寒そうな感じのリアリティがよかったのと。
イタリア人シェフが、パスタやベルギー人から教わって作ったフライドポテトを船内で配るシーンがツボに入った。
やっぱりイタリアの人は、炭水化物好きだよね。
愛の嵐
潜水艦映画特有の緊張感とリアリズムを巧みに描き出している。
潜水艦映画に駄作なし、
映画好きの人であれば、
聞いたことのある文言。
序盤こそシナリオの狙い、
演出のテンポに疑問を抱かせる部分もあるが、
戦時中の潜水艦内の描写はリアルで、
ネオリアリズモの伝統らしいイタリア映画の繊細な描写が光る。
シャルロット・ランブリングとダーク・ボガードを、
彷彿とさせる演出は、
あくまで単なるオマージュに留まり、
残念ながら、独自の魅力を発揮するには至っていない。
しかし、
艦長のカリスマ性が物語全体を引き締め、観客を引き込む。
艦長が部下たちに向けて語るセリフには、
明治天皇の名言が引用されていた。
結果として、
本作はイタリア式リアリズムと、
潜水艦映画の伝統に忠実でありながら、
軍人の前に人間、
軍法よりも人としての気持ち、
人間として何を最優先で考えるべきか、
有事と平時のちがいはあるが、
さまざまな社会で起こりがちな、
視点を閉鎖された狭い空間に、
持ち込むことで新たな価値というか、
元来の人としてのスタンスを改めて、
確認・・やっぱり確認・・、
なぜなら、
冒頭に2023年、
ロシア兵を救出したウクライナ兵のエピソードを、
紹介している。
軍人である前に、
サルヴァトーレおじさん、
イタリア人だから、、、、。
艦長の存在が作品全体を支え、
その言葉と行動が観客の心に強く響く映画となっている。
しぶかった
リアルな描写で淡々としていて前半はちょっと眠くなる。水面に浮上しての砲撃戦がリアルで、弾が当たったら本当にあっさり死ぬし、そうじゃなければ先に当てるしかないという緊張感がすごい。敵の船を撃沈する様子もしばらくして爆発が起こって初めて勝ったことが分かる。敵を船に乗せる決断もすごいし、自分たちを危険にさらして、軍規を犯して彼らを守ろうとするのもすごい。感動も大げさじゃなくて静か。
イタリア・ベルギー戦争映画なのに日本が出てくる日本人として嬉しい映画
潜水艦映画と聞いて、危機を突破して任務を果たすor知恵を絞って敵を欺き戦果を上げる等、その国の国民にとってはスカッとする映画だろうと思っていたら、さにあらず、戦争モノと言っても勝者のいない実話を基にした話で、軍人である以前に海の男の生き様を描いたものでした
戦争だから自分たちが生き残る為に人を殺す、この状況では相手が死ぬと判っていても、戦争下だから助けないではなく、同じ海の男としてどうする? どうする?
敵を助けても、戦争中に生まれた我が子の成長を見守る事もなく死んだ、イタリア潜水艦艦長が、明治天皇のお言葉を口に出されたのに、大ビックリ!で驚きました
それ程、日露戦争で小国日本が大国ロシアを打ち破ったのは、軍人にとっては、大変な驚きと共に、戦術にも関心が高かったのが伺え、イタリア・ベルギー映画なのに、日本人として嬉しくなりました
この映画は、女性にも、戦争映画だから見ないではなく、是非見て欲しいナと思う映画でした
ニョッキ食べたい
序盤は情感たっぷり。なかなか事件が起きなくて退屈してしまったけど艦長の人となりを理解するには必要なものだった。サルヴァトーレおじさんは軍人である前に船乗りだったんだな。
ハラハラドキドキする展開はほぼなし。イギリス軍と出会したときくらい。
ずっと料理名が出てくるのが(まさかエンドロールもとは思わなかった)イタリア人っぽい!ニョッキ食べたくなった。
軍規違反して、危ない橋渡って人助けした艦長が亡くなり、助けられたベルギー船籍の乗組員が助かるのはなんとも遣る瀬ない。それが戦争だとはいえ。
男気。
実話ベース。戦争中なのに人間でありたい敵人に情けをかける海の男、艦長。だれもが戦時下だからと冷酷無比な殺人鬼にはならない、感情的に救われる内容。人間ってこうでなきゃなーとしみじみ考えさせられた。
仁義
戦い終わればNO SIDE。仁義を感じます。軍規を破り敵を助ける艦長。また、乗員数が多くなりすぎて戦えない状況をくみ取るイギリス軍にも胸が熱くなります。艦名だと思ってたけどコマンダンテって艦長のことなんですね。
サルヴァトーレおじさん
WW2下、イタリアの潜水艦コマンダンテ・カッペリーニが、撃沈した船が中立国ベルギーの貨物船とわかり乗組員26人を救助する話。
異様にスカしたオープニングにスカした演説という流い前フリで始まって、やっと出港と思ったら今度は女のモノローグ。
序盤からカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲ってどんだけよw
そしていよいよ海の中だけど、トラブルへの対応でまたスカした感じを重ねられ、半世紀ぐらい前の映画を観ている様な気分に…シリアスな場面はモノローグ入れずに緊迫感持たせてくれよ…。
それにしても、コマンダンテ・カッペリーニって、その後日本が接収した実在よ潜水艦ですよね?どこまで事実か知らないし、確かに当時の行動としては人道的だし珍しいし凄いことなのかも知れないけれど、これぞマッチポンプじゃないですか?
救助後の艦内のやり取りもチープだし、ピンチもそれだけ?なんでそんなに悲観的?
ドラマは何だか妙に安っぽいし、潜水艦映画としても戦争映画としても大した見せ場もなく物足りなさ過ぎた。
ジジーノの呪い
今のところ今年のベストワンになっちゃいました!
フォーゲル艦長とレクレルクは戦後、リナとトーレおじさんがみることも出来なかった
娘にも会いに行った、とテロップ読んでしんみりしました。
冒頭から、去年ウクライナ艦長が助けたロシア人の言葉とか、明治天皇の言葉とか、
ラテン語のノートの切れっぱしとか、いろいろ意味ありげも盛りだくさんです。
リナや我らが艦長、時には死んでいく潜水士も唱えるモノローグは素敵に詩的です♪
サンゴ取りの潜りの人、なんでやめてたのにまた潜ろうと思ったのか。
自己犠牲は潜水艦映画の定番だけど。
艦長は黙って注水、ハッチ開けろの指示。艦長は辛いですね。
陸に残した水兵さんの体調悪いのも見抜いちゃうトーレさんは誰も文句言わない、
言わせない海の男
だっていうのが航海続けていくうちにひしひしと伝わります。
ジジーノのカンタータ、ベルギーのフリッツ。
文化とか大げさではなく、人の好きなもんの交流は観ていてほほえましかった。
戦争がなきゃ会わなかったとは思うし、陸続きで戦争絶えないヨーロッパだし
何より同じ神様を信じているのが大きいと思うけど。
ただ、同じイタリア人でも狂信的と言われちゃう方とチャラい信者のシーンも
入ってましたね〜。
ピエトロ マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナ、間奏曲はトーレが
鉄のコルセットをつけるはめになった飛行機墜落からの着水シーンでは
口笛っぽいアレンジ、愛妻のリナが障害年金で「田舎」暮らしを提案して
演奏してるシーン、オーケストレーションはエンドロールで聴けます。
大好きな曲です!
はらぺこで行って、エンドロールまで観ちゃうと
イタリアの国内の郷土料理が食べたくなるよ〜
日本のイタリア料理じゃなくて。
料理は腕だけでするものではない
一人の潜水艦艦長が、軍人から海の男に還った数日を描いた物語。
本編は近年の戦争映画としては稀なほど詩的な雰囲気で開幕する。前半は出港したカッペリーニ号の日常や英国海軍との衝突を通して、主要な登場人物だけでなく乗組員一人一人にもドラマがあることを感じさせるエピソードが展開される。
後半に、本作の題材として強調されているカッペリーニ号艦長サルヴァトーレの「決断」の瞬間が来るのだが、それがあっさりと描かれていて驚いた。
船乗りとしては目の前の漂流者を救助する、もしくは救援を手配するのが当然だが、軍人としては艦に部外者、ましてや自衛の域を超えて交戦した相手を接触させることはタブーである。もし禁を犯せば彼や部下の軍人生命や名誉が危うくなる可能性があり、艦の状況を考えれば部下の喫緊の安全をも脅かすことになる。サルヴァトーレ個人に限っても、彼は過去の戦線で重症を負っていて前線の軍人としての進退は既に危うく、目の前の橋を渡るのはあまりにも危険である。
そんな彼の内心の葛藤はあまり描かれず、描写の重点は、決断を下した後のサルヴァトーレのリーダーシップや彼の決断に心動かされた海の男達の共鳴に置かれている。
オープニングのロマンチックな導入然り、おそらくこの作品が重要視しているのは作品紹介の第一印象である「艦長の英断と活躍」よりも、「人として当たり前のことを迷わず行える環境の尊さ」や「誰とでも食卓を共にできる幸せ」なのだろう。
また、乗組員が艦砲射撃を見て「これは機械で行う戦争だ」という件があり、現在の遠隔戦闘を想起させるようなことにも触れられるが、個人的には、歩兵時代の死体の山を築く方法ではなく、武器を無力化すれば血を流さずに戦闘を終わらせられるという意味が込められているような気がした。ここでも、戦争の陰惨さよりも戦火の向こうに同じ人間がいることを強調する作り手のスタイルを感じた。
サルヴァトーレの名は現役の潜水艦の艦名になっているそうで、少なくとも現在彼の名は名誉あるものとして伝わっているようで、安心した。
なお、犬は無事です
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