「個人個人には「心」がある」潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
個人個人には「心」がある
実話ベースの作品、しかもイタリア海軍全面協力で潜水艦を実寸再現したとのこと!
内容的には大戦物ではあるが、人を救うヒューマンな部分が描かれているため、戦争の愚かさは薄まっている感がしました。その分共感しながら観られましたしね。
国と国は戦っていても、人間ひとりひとりには心があり、しかもそこに船乗りとしての気概も加えられ、それが相手の英国にも伝わって、という人間の本質を描いた良作だと思います。
まあ一部、敵愾心剥き出しで反抗するベルギー人もいましたが、それとて多分愛する人を戦争で失ったとか「国」に対する哀しみや憎しみがあってのことで、乗り合わせたイタリア軍兵士個人への恨みではありませんしね。
いつも思うのは、戦争のために悲劇や美談が作られるのであって、やはり根絶すべきはおろかな戦闘だということです。
あと、艦長が食事担当のクルーに、食材が足りなくなってきたら、色んなメニューの名前を言いながら配膳するんだよ、と語りかけるのが良かったですね。作品中もエンドクレジットの間も、ずぅっとメニューを連呼していて、イタリアン好きのワタシはそれを聞くだけでもワクワクしました。食べ物って大事ですね。
ここからは話しは作品と離れますが、自分が押さえてある席にワタシより高齢のカップルが座っていました。高齢者あるあるで列でも間違えているのだろうなと、声を掛けようとしたら「あ、ばれちゃった」みたいに舌をペロっと出してそそくさと移動するではありませんか!
正に確信犯!
いい年した二人連れなんですから、どちらか片割れが「いや、それは良くないよ」と諫めるとか「始まって誰も来なければ見やすい方へ移動しようか」とか諭すべきではないでしょうか。
「善き心」の作品を観に来ているはずなのに「心を失っている」先輩諸氏の姿を見て、なんだかとても寂しくなってしまいました。
「戦争のために悲劇や美談が作られる」仰るとおりと思いました。
美談は悲劇が前提で、そもそも悲劇が起きなければ美談はないですよね。
ニコラスさんが遭遇した「確信犯」的な人々、私はちょいちょい遭遇します。圧倒的にお年寄り。よく行く映画館が、客層おそらく平均年齢70歳超なんですが、私が押さえた席にちゃっかり座っていて、「そこ、間違ってませんか」と聞けば自分のチケットも見ずに立って違う席に行く。間違って座ったなら、自分のチケットの席番号確認すると思うんですけどね。一度なんかお婆さんがふんぞり返って「あなたのチケット見せて」と言うので、ハイどうぞ、って鼻先にくっつけて上げました。私怒ってるんです、がわかるように。そうしたら、あら、とかなんとか言って一つ置いた隣の席に移動。自分の席がどこかなんか関係なく、座りたいところに座るヒトだったようです。。