「【エルヴィスに愛された女性の焦燥と孤独を描いた作品。ソフィア・コッポラ監督の60-70年代のファッションの再現性など観所はあるが、個人的にはプリシラの気持ちをもう少し深掘りして欲しかった作品である。】」プリシラ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【エルヴィスに愛された女性の焦燥と孤独を描いた作品。ソフィア・コッポラ監督の60-70年代のファッションの再現性など観所はあるが、個人的にはプリシラの気持ちをもう少し深掘りして欲しかった作品である。】
ー 皆様、「コナン」が掛かる大スクリーンへ向かうも、年配の方と共に今作を観るために小規模スクリーンへ。-
◆感想
■僅か14歳でエルヴィス・プレスリー(ジェイコブ・エロルディ)に愛していると言われたプリシア(ケイリー・スピーニー)。
ー 周囲の女生徒から、嫉妬と羨望の眼差しが彼女に降りかかる。
彼女自身も、自分に何が起きているのか理解できないが、エルヴィスから次々に届くパーティへの案内。
最初は、難色を示していた両親もエルヴィスから様々な条件を提示され、徐々に二人の仲を認めて行く。ー
・という物語が、繰り広げられるのであるが、エルヴィスがまあ我儘坊ちゃんで、可なり苛つくシーンが多い。
・エルヴィスはツアー、映画出演の連続で、メンフィスの大邸宅で一緒に暮らし始めたプリシアの元に帰って来るのは偶にしかない。
ー 孤独なプリシアは、新聞でエルヴィスの艶話を読み、ピンクのキスマークがついた手紙を複数見る。まるで、籠の中の鳥である。可哀想なプリシア。-
・プリシラは、エルヴィス好みの女になるために、紙を黒く染め、服選びも、エルヴィスが審査する始末である。
ー プリシラを演じるケイリー・スピーニー出演作は3作しか観ていないが、。-今作での健気な姿が可哀想である。あれでは、エルヴィスの操り人形である。
プリシラのエルヴィスから告白されたころの可愛らしさが、徐々に薄れて行くのも哀しい。-
・漸く結婚して愛娘が生まれても状況は余り変わらない。
ー 愛娘とプリシアが、立った二人でブランコで遊ぶシーンは、もの悲しい。-
・エルヴィスは若き頃から睡眠薬を常用し、プリシラにもLSDを含め勧めるが、プリシラには強すぎたり、果ては癇癪を起してプリシラに椅子を投げつける始末である。
ー 事実かどうかは知らないが、事実であればとんでもない男である。妻に対し、モノを投げつけるなど、もってのほかの行為である。-
<そして、プリシラは、スーパースター、エルヴィス・プレスリーとの結婚生活に幻滅し、メンフィスの大邸宅を去るのである。
ソフィア・コッポラ監督の60-70年代のファッションの再現性など、観る所は多いが、個人的にはプリシラの気持ちをもう少し深掘りして欲しかった作品である。>