「音楽ファン、特にクラファンやミュージカルファンの方のために」マエストロ その音楽と愛と brooks3030さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽ファン、特にクラファンやミュージカルファンの方のために
結構いろんな感想・評が多く、まだ観てない方たちを躊躇わせてるように思うので、音楽ファン、特にクラファンやミュージカルファンの方のためにひとこと書きます。
ネタバレになるかもしれないですが、この映画の全編にわたってバーンスタイン自作の有名曲が適所に使われていて、マーラーなどの楽曲も効果的に出てきて、音楽好きにはとても素晴らしいです。特筆すべきは、ブラッドリー・クーパーがバーンスタインになりきって指揮するマーラーの第2交響曲”復活”、第5楽章フィナーレの場面です。レニーの1970年代頃のコンサートを、英国のどこかのカテドラルで再現しているのですが、延々約6分間にわたって終曲まで聴けて思わず拍手したくなるほど。それとバーンスタインとフェリシアが”オン・ザ・タウン”の世界に入り込んで、ブラッドリー・クーパーがジーンケリーばりに踊るところも良かったな。またレニー自作のミサ曲の”平和:聖餐式(シークレット・ソング)”の練習シーンも良かった。
楽曲の詳細をお知りになりたい方は、Deutsche Grammophonから出ているサントラの紹介を見てほしい。それによると基本ネゼ=セガンとロンドンSOの演奏だけども、一部はバーンスタインがウィーンフィルやNYフィルに遺した音源も使われているようです。
なお、この映画はフェリシアとの愛の軌跡を中心に描いているので、バーンスタインの様々な業績や活躍を具体的に見せてくれる場面は多くない。インタビューを受ける場面で語られる方が多いようです。いわゆる伝記的な部分がもう少しあったほうが、音楽ファンには嬉しかったかもしれない。また、レニーの奔放な生き方とかフェリシアや子供たちとのかかわりの場面で、物語の説得力とかフェリシアやレニーへの共感も増したかもしれないかな。
なお、以上は私の感想です。これからの方は、惑わされず、あまり拘りなくフラットな気持ちで観てほしいです。また、NetFlixだけども映画館の音のよいところで観たほうがいい。