「偉大すぎるパーソナリティの不幸」マエストロ その音楽と愛と leoさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大すぎるパーソナリティの不幸
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バーンスタインの再現度が半端ない。カズ・ヒロの特殊メイクあってのことだろうが、ブラッドリー・クーパーの立ち姿、指揮ぶり、それ以上に声質と話し方の寄せ方は凄い。クラシックファン以外に伝わると嬉しい。この映画は音楽映画ではないし、アメリカが生んだスーパースターの英雄譚でもない。どちらかいうと女優でもあった奥さんフェリシアを演じたキャリー・マリガンに感情移入する人の方が多いだろう。バーンスタインのバイセクシャルを正面から捉えているが、それが彼の偉大さを少しも損なわない。一昔前ならスキャンダラスに思われたかもしれないが、むしろバーンスタインの自分でも持て余す才能と人類愛が家庭人としては妻や娘を苦しめる姿が胸を打つ。マーラーも交響曲2番「復活」は見ごたえがあり感動的だが、映画の終わりではないところがより夫婦のドラマを深いものにしている。
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