「もう一声ほしい」DOGMAN ドッグマン こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
もう一声ほしい
切なめバイオレンス&おしゃれカラフル。リュックベッソン節は相変わらず健在である。今回は強い女ではなく、車いすのドラアグクィーン。
犬とともに暮らす謎のドラアグクィーンと要素は大変魅力的で面白かったのだけれど、観終わってもう一声欲しいように感じた。
とはいえ私があと20も若ければラストに号泣して観たような気もする。今はある程度本数を見てきたせいで、途中からきっとラストはこうなるんだろうなとの予測が立ち、それが裏切られることはなかった。
なにか足りないように感じたのは人間同士の心のやり取り、愛情、エモみが物足りなかったせいであるように思う。他人との交流が困難だからこその犬との絆なのはわかるんだけれど、やはり気持ちの揺れ動きが欲しかった。
留置場での精神科医とのやりとりも、羊たちの沈黙のようにスリルと高次元の交流のようなとこまでもいってない。ちょっとずつ中途半端で、でも一つ一つはいいものだからこそ、なんか惜しいなあーと感じてしまった。
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