「【"幼い頃から抱えて来た”痛み”を、多くの犬たちに癒されて何とか生きて来た男の壮絶で哀しき半生を描いた作品。”怪優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演と多くの犬たちの名演に魅入られる作品でもある。】」DOGMAN ドッグマン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"幼い頃から抱えて来た”痛み”を、多くの犬たちに癒されて何とか生きて来た男の壮絶で哀しき半生を描いた作品。”怪優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演と多くの犬たちの名演に魅入られる作品でもある。】
■ある夜中、精神科医で離婚した経験があるエブリン(ジョー・ジョー・T・ボックス)は拘置所に呼び出される。
そこには、崩れた化粧で血まみれの赤い服を着たダグラス(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が車椅子に座っていた。
そして、彼はエブリンに自らの壮絶な半生を話して行くのである。
話が終わり、エブリンが”何故、私に話してくれたの。”と聞くとダグラスは”痛みを持っている人だから・・。”と答えるのである。
◆感想
・幼きダグラスの父と兄による虐待のシーンは、観ていてキツイ。家族よりも犬が大切と言ったダグラスを犬小屋に叩き込む、父の姿。身籠っていた母は、家を出て行ってしまう。
更には、父はライフルでダグラスを撃つ。
ー ダグラスは、ちぎれた指をビニール袋に入れ、一匹の犬に”車。警察の車に届けて・・。”と言い気を失う。警官が多数押し掛け、父と兄は逮捕。だが、ダグラスも跳弾により頸椎を気付けられ、下半身不随になる。-
■ケイレブ・ランドリー・ジョーンズと言えば、「バリー・シール/アメリカを嵌めた男の」ジャンキー役や「ゲット・アウト」の不気味な長男役、そしてオーストラリアで実際に在った銃乱射事件を起こした男を演じた「ニトラム/NITRAM」が印象的である。
彼は、どこかが壊れている役が嵌るのである。
今作もそうである。
・救出された彼は施設に入り、サルマと言う明るいシェイクスピア好きの女性を好きになり、その後成人してからもサルマの活躍の記事をノートにファイリングし、サルマの舞台を見に行った時に渡すシーン。
ー サルマは、既に結婚していて、夫もいる。ダグラスはそれでも、サルマを祝福するのである。ダグラスが人間的に温かい心を持った男である事が分かる。-
・ダグラスはバーの歌い手として漸く雇われるが、それだけでは多くの犬たちを養えず、犬たちを使い、金持ちの家から貴金属を“富の再分配”と言い盗ませ、町を牛耳るギャングの親分の股間を犬を使って咬ませるが、逆に刑事やギャング達に、根城にしている廃校を襲われるシーン。
ー 何処までVFXを使っているのか分からないが、ダグラスの指示通りに動く犬たちの活躍が凄い。-
<ダグラスは、確かに盗みはするが、狂気には落ちない。それは、人間、社会に溶け込めなかった彼を犬たちだけが守り、彼も犬たちへの深い愛があったからである。
今作は、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演と、彼が演じたダグラスの壮絶で哀しい半生に魅入られる作品なのである。>
コメントありがとうございます。
返信不要…でもお返ししてすみません。
NOBUさんのレビューのどこか壊れた男、怪演というのを読んで、ますますケイレブに興味わきました。
ではまた~。