「耕したモノが永続的に実を結び続けるとは限らない現実の苦さ」愛を耕すひと HKさんの映画レビュー(感想・評価)
耕したモノが永続的に実を結び続けるとは限らない現実の苦さ
外部から来た開拓者ケーレン大尉が
地域の有力者のシンケルに何度となく危害を加えられるが、
屈することなく忍耐強く開拓を進めていく。
有力者シンケルはなかなかの外道で、ときに残酷で容赦ないので、
主人公が立ち向かって逆襲するシーンではスカッとする部分もあるが、
一方で多くの犠牲も払うため、苦さも残り、笑顔にはなれない。
なによりこの映画を印象深いものにしているのは、
主人公ケーレンが徐々に大切さに目覚めていく愛が、
開拓で対峙する自然や気候と同様にときに予想外に行き来するもので、
農作物のようにどれだけ心血を注いで耕しても、
必ずしも永続的に実を結んでくれないという苦さを
対比させて描いている部分にあると感じた。
馴染みのないデンマークの歴史や習俗の一端に触れられるのは面白く、勉強になります。
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