オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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原爆開発後の苦悩が見所
第2次世界大戦中、天才物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命された。実験で原爆の威力が予想以上だったことと、それが実戦で広島と長崎に投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けた。オッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになり、上司から迫害を受けるようになり・・・という史実に基づく話。
理論物理学から実験で連鎖反応を確認し、原子爆弾が想像以上の威力だとわかった時の驚愕の顔、戦後非公開の公聴会での尋問シーンが1番の見所だったのかも。
原爆投下のシーンやその被害状況の映像は無かったのは多少被爆地への配慮なのかな、と思った。
わかっているとは思うが、この作品の関係者にはぜひ広島と長崎を訪問して、被害の実態も知って貰いたいと思った。
ソ連がアメリカを追い、すぐに原爆開発が出来たのはスパイを送り込んでたのだと知り、昔からしたたかだったんだな、って思った。
オッペンハイマー役のキリアン・マーフィが素晴らしかったのと、原子力委員会議長・ルイス・ストローズ役のロバート・ダウニー・Jr.が憎らしい役を素晴らしく演じてたのが印象的だった。
あと、ラミ・マレックの誠実さ、フローレンス・ピューのエロさも良かった。
ストーリーだけを追える日本人もいるのか?
時代に翻弄された天才科学者、を描くためのエピソードの1つが広島、長崎への原爆投下であって、原水爆の恐ろしさそのものを描いた映画ではないってこと。
途中までは確かに有名人気俳優ではあるロバート・ダウニー・Jrが、何故この役で最優秀助演男優賞だったのか?と思っていたが、終盤で多少理解できた。
3時間あるが、3分の1が実験な苦手だった学生時代からロスアラモスまで、中盤が原爆開発と実験、日本への投下〜世間の熱狂、後半3分の1が戦後の彼への事情聴取と分けられるかもしれない。事情聴取の成り行きがややこしくて分かりにくい。
7月の実験が成功し、ロスアラモスのメンバー全員の歓喜と祝福を見ていて、その後の日本への原爆投下と切り離せるわけもなく、胸がグッと苦しくなった。ヒロシマ、ナガサキへの投下も成功していよいよオッピーが英雄となり、満席の階段教室のような所で人々が彼に大歓声を送っているシーンで、一瞬女性の顔の皮膚が捲れたり足元を黒い泥に埋まる幻覚を見るが、原爆の被害はあんな薄皮が剥がれる程度のものではなかったし、足元だって泥のレベルではなかった…と思ってしまう。
罪悪感に苛まれたオッピーが晩年心穏やかな生活を送れなかったと描くことによって、結果的に彼の贖罪が赦されるような結末になっているのではないか。
ただまあしかし、3時間を感じさせない迫力ある展開は1本の映画としては面白かった。
それでも、監督やプロデューサーにはオスカー受賞式で一言でも核開発について言及して欲しかった、喜びだけでなく。
【男の恨み辛みは怖いし気色悪い】
“原爆”という日本人にとってセンシティブ案件から本邦上映に際して賛否両論あったようだが、そもそも古今東西問わず歴史なんぞ勝者によって作られるものであり、そこへは特段の違和感はなかった。
ただ原爆開発計画拠点 ロスアラモス国立研究所で初の原爆実験成功に狂喜乱舞する米国人のお祭り騒ぎの1カ月後に広島・長崎の罪無き市井の人々に地獄の惨状をもたらした蛮行は決して消せないし、日本人として忘れてはならないと再認識させられた、観ていて沸々と怒りが込み上げてきた。
反戦・反核といったイデオロギー的要素より、純粋な科学技術への探究であってもややもすれば政治的謀略や手段に取り込まれて歯止めが効かなくことへの恐怖と警鐘という普遍的テーマが訴求されていて見応えがあった。
しかし男の嫉妬と怨嗟は粘着質でほんまに気色悪い…これが裏テーマというかメインテーマ⁉︎
描きたかったのは後半の聴聞会だったのかな?
物理の天才だが世の中のこと(政治、戦争、思想、女性、立ち回り方など)については一切興味がなく生き方が不器用な典型的な学者肌のおじさんが、自分でも明確に説明しづらく誤解を受けやすいような行動をとった代償として罪や進退を問われてしまう。
こういうことをしたらこの先どうなってしまうのだろうか?という事が全く考えられないため、その日に出会った女性と即関係を持ち、不倫相手の子供を作り、共産主義者達と公私で親密な関係を持ってしまうので、知らぬ間に敵もできてしまう。
原爆にしても当初起こる悲劇がイメージできず、後々になって大きく後悔する。
(原爆を使うのは学者ではないと自分で納得してたのにw)
トルーマンの「原爆投下で非難されるのはつくった者ではなく指示した者だ」という言葉は、自分自身が最も覚悟と責任を持っているため、お前なんかがウジウジしてるのはどうなのか?という厳しくも正しい言葉だったように思う。
オッペンハイマーとストローズを見ていると「アマデウス」のモーツァルトとサリエリの関係に似ていると思った。
奇しくも両方ともアカデミー作品賞、ストローズ役のロバート・ダウニーJr.は助演男優賞、サリエリ役のフランク・マーリー・エイブラハムも主演男優賞を受賞しているところも面白い。
原爆研究を一生後悔する人の話かと思ったが、この描き方だとオッペンハイマーの人生の出来事のうちの一部にしか見えず、やはりそんなもんかというガッカリ感?のようなものはどうしても拭えなかった。
後から擁護する証言者達が続々と現れるのが少しだけご都合主義を感じたが、聴聞会のシーンは本当に長く集中力維持が大変だった。
人間の愚かさが知るには一番良い作品。
私のレベルでは、3時間はキツイし理解不能
金曜レイトショー『オッペンハイマー』
アカデミー賞を席巻したノーラン監督の最新作!
私的には、ダークナイトシリーズ以外は、合わなかったし・・・
今回の作品は、日本人としては複雑な内容ながらキャストは、アベンジャーズレベル!
ただコレ、、話が行ったり来たり、モノクロになったり・・・
サブリミナル効果みたいな爆破画像が、頻繁に組み込まれたり・・・
私のレベルでは、一回で理解出来ないし・・・3時間は苦痛。。。
気軽に観れそうなゴーストバスターズの方が良かったかも!?
タイトルなし
素晴らしかった。脚本が圧巻。キリアン・マーフィの存在感、ユダヤ人を引きずりつつ、科学者として生きた人生が描かれていた。
実験を成功したときの人々の熱狂と歓喜のシーンは、被爆国国民であり、被爆二世の夫と三世の娘を持つ身には辛いけれど、原爆を完成させた男がこのような形で巻き込まれていく文脈に、心を打たれていた。
そして、後半の筋の中心にあったストロースとのやり取り。ストロースは小者であり、アインシュタインとオッペンハイマーとのコミュニケーションの高度さがストロースの卑劣さを浮かび上がらせる。
女性たちが強く知的であることもよかった。
ユダヤ人の文脈もあるけれど、一流の科学者たちが左派的な活動とも繋がっていたこと、当時の赤狩りの文脈の凄まじさも感じた。
ノーランの映画は、孤独で暗い感覚が漂う。これだけの成功と名声を手にしたオッペンハイマーの持つ孤独も描かれていた。彼に妻がいた事は救いだ。
原爆の連鎖反応が地球を破壊するかもしれないというエピソードにノーランは惹かれたという。ほぼ0の指摘は実際恐ろしい。
ノーランはもともとファンだったので、とても楽しみにしてたのだけど(好きすぎたベッソンのドッグマンを楽しみにしてたのと同じく)。
原爆成功のあとのアメリカ人たちの歓喜のシーンも凄まじく、それ自体が考えさせるものだし、原爆がトラウマの事象だからこそインパクトをもつものなのだと思った。
この映画の、トラウマの事象である原爆がもつあまりに日常的な文脈、そして政治的な文脈は、原爆を脱神話化させる。もっと恐ろしい現在形の何かへの想像力を掻き立てる。
とはいえ、映画の素晴らしさは、ナチも日本も原爆を作る正当性、理由でしかなく、科学者たちがただ作りたいのだとする欲望も描けてしまっていること。
さらに、オッペンハイマーがユダヤ人でありそれはあらゆる不安を喚起し、物理学者の世界の中で実験も下手だった彼の闘いがあり、それは原爆を作るコンテクストとして重要で、また、軍には軍の、官僚には官僚の、ブルデュー的に言うと界の文脈があり、誰も全体を見て動いているわけではない。
とはいえ、オッペンハイマーはそんな中でもナチスにだけは渡せないとして、全体を統括する強いリーダーとしてやはりそこにいたことも。彼が共産主義者として疑われることになるような人道主義者であったことも。
アインシュタインとのやり取りは見事だし(それをシーンとして作り出しているのも)、ノーランが注目したのは、原爆が大気への反応を引き起こして地球を滅亡させるかもしれないほんの数%の確率にオッペンハイマーがおそれをもったこと(ネタバレです)、それはこの映画の隠れた重要なモチーフ、ノーランゆえに惹かれるテーマか。一方、原子力のもつ力のイメージにオッペンハイマーは若い頃から圧倒され悩まされ、アメリカ人たちの歓喜、日本の原爆被害の映像も、彼にとっては、科学が作り出してしまった意図せざる結果として、トラウマというか、操作不能なものとして描かれる。
このとき、オッペンハイマーは孤独で(理解できる物理学者の友人たちや妻がいても)唯一、先人としてのアインシュタインがいるだけ。
この世界との違和感というか、存在の解離的なイメージ、孤独もノーランの描きたかったもの。バットマンの圧倒的な力と孤独、その力がもつ悪のテーマは、オッペンハイマーに来て、さらなる説得力を持って迫る。
豊橋でも初日初回そこそこ入ってたので、当たるかなと思われる。
製作する者と使用する者の隔たりを感じた!
世界で初めて原子爆弾が実戦で投下されたのは日本国であったのは言うまでもない…
対戦を一瞬にして終止符を打ってしまう程の威力があった。敗戦国の悲劇は想像以上の人命を奪って開発したオッペンハイマーの自責の念を襲う姿に私も呆然とスクリーンを観てしまっていた…😭
核兵器を脅し合う抑止力が渦巻く社会に恐怖を感じたし真の平和を考えさせられた。
原爆を作った視線から見た社会であって被爆国の被害については淡々と描かれていのが辛い立場ではあるが寧ろ良かったと思う。
ラスト30分程、胸が詰まる思いで観ていた。
映画の限界をよく知っている監督の切実な訴え
この映画に写るのは大なり小なり、原爆の開発及び投下へ関わった人々、及び戦後の核の脅威を拡大させた人々だ。世界を永久に変えてしまったオッペンハイマーとその共犯者、すなわち加害者の犯行に至る経緯と犯行後の述回の映画である。
だからこそ被害者(広島・長崎)が受けた被害の規模はただの一コマも映像として写されていない。
上記の感想に至ったのには冒頭からの繊細な脚本と演出の賜物だ。
静謐の中で迫る破滅の予感。そこかしこで作中人物に指摘される原爆の危険性とオッペンハイマーや他の科学者への思慮不足。高まる緊張の中、ついに行われる実験に臨む人々がいかに無知であるかがその装いに現れる。日焼け止めにサングラスとは!直前までの理知的な彼らのイメージを覆し丸裸にするシーンだ。
(同じく諮問会ではオッペンハイマーの丸裸の心象イメージがインサートされることも無関係ではなかろう。裸の王様たる科学者達。)
理論先行型で実験の苦手なオッペンハイマーはここでようやく、(それでも周りの人々よりは)一足早く、自らが何を作ってしまったのかに気がつく。
原爆投下の成功に喝采を浴びせる科学者はそれまでの思慮深い表情とは打って変わって、まるでジョーカーのような屈託のない無邪気な笑顔で、無垢な喜びを爆発させている。
それに対するオッペンハイマーは日本やナチスの名前を出しスピーチをしてみせるが、その笑顔はもはや笑っていない。張り付いた笑顔の奥に狂乱に近い恐怖がもたげている。
いずれも前後の文脈や暗喩を意識して読解しないと見落としてしまうレベルの表現ばかりだ。
前半部、オッペンハイマーが鑑賞していたピカソの代表作はゲルニカであり、レコードで流れているストラヴィンスキーはナチスに非難されつつも、敵対者の音楽技法を学び、度々来日公演を果たしている大作曲家だ。
フィルムに直接写るのは加害者ばかり。被害者の立場に沿うものは、仄めかす程度にその存在が示されるのみだ。
この映画は相当に、けれどもかなり暗示的に、深く、当時のアメリカ政府だけでなく、関係した科学者、無邪気で無垢だったアメリカ人の群集心理までもを断罪している。
正直、これを見て激怒するアメリカ人が続出しなかったことが驚きだ。
おそらく、気がついていないのだ。そしてそれをも見越して、こうした無垢な人々全てに監督は激怒している。私がアメリカ人だったら途中で退席していたかもしれない。
オッペンハイマーは広島・長崎へ投下される原爆「だけ」を作ったのではない。それに加えて、はるか未来まで、地球丸ごとを変えてしまったのだ。その主犯と共犯者がこのフィルムに映る人々なのだ、とノーランはスクリーンの裏側で絶叫している。
「監督の娘だけが」ケロイド状に皮膚が変化する描写があるのはそのためだ。その断罪にあたっての人身御供だ、その代表として娘を選んだのだ。
「このフィルムに写るものにはただの一人として罪なきものはいない」と証しするために。
『一度も罪を犯したことのないものだけが、この者に石を投げなさい』
極め付けはラストの「かの人」とオッペンハイマーのやりとりだ。そこまで踏み込むのか。衝撃的だった。
かの人はこんなことを語る。
「あなたを持ち上げるのは自身の行為の正当化のため。あなたを罰するのは罪の所在を擦り付けるため。あなたを許すのは自分の罪悪感を誤魔化すため。あなたのためではない」と。言外に、彼らもまた、無関係ではない、共犯者である、という主張が見える。
だからこそ、この映画がアカデミー賞で多数の部門を極めて深い意味がある。原爆の父を都合よく持ち上げ利用して世界を変えてしまった罪を、問い続けなくてはならない、という作品が認められたのだ。
かような事情・テーマから、だからこそ、日本人は描かれない。
奢りと無垢で楽天的な熱意に浮かされた正義感の犠牲となった、その被害の実態を加害者側が決めつけてはならないという、これもノーランの怒りのメッセージだろう。
核を持って脅しあう世界となった事を示す、フィナーレのカット。
爆心地は丁度日本のあたりだった。あの日が引き返すことのできない始まりだったのだ。
クリストファーノーランは、映画の限界をよく知っている人物だと思う。
映画がどれだけ真に迫る凄惨な映像を見せたとしても、本物の人間が語るたった一言の哀しみに叶わないことがある事を、よく理解しているはずだ。
被害者を描くことで戦争の悲惨さを伝える作品は多数見たことがある。この映画は加害者のみを描くことで、彼がどれだけ無垢で浅慮な正義感の元、決断し、核兵器の発明と利用まで至ってしまったのかを糾弾し、反戦メッセージを伝えている。ノーランらしい、挑戦的傑作だ。
思想や偏見を乗り越えて‼️❓差し迫る真実に目を瞑らず‼️❓生きていく‼️❓
間違いなく反戦映画です、ただ、広島などを直に取り上げないのは、多くの人に観てもらうための配慮です。
そうしないと、変なメタファーや色眼鏡の意見や妨害が生じる、でも、アメリカ人の姿に被害者の姿を写し、間接的に示してはいます。
政治家等の鬼畜ぶり、科学者の結果への無力、国の判断がいかに人類の希望に反するのか、それがまざまざと、見せつけられる、そう、この映画は、それを示して、でも、みんなに、反核反戦を意識させる、貴重なものでもある。
デイテイルにこだわり、観たところ、嘘偽りは、ただ一つだけでした、京都は最初から最後まで目標の一つでした、天候の関係で無事なだけです。
歴史に忠実に、中立を保つことで、崇高な映画になりました。
一科学者が、成さなくても誰かがしたでしょう、しかし、彼の苦悩を描くことで、観た我々が、一人一人が過ちを繰り返さない、この世界を壊さないように、考えていく礎にならん、そう、信じさせる映画でした。
彼を取り巻く人々の残忍で、悲惨な、姿は、反面教師であり、内面の姿でもある、それを自戒しながら、生きていこう、いい映画でした、ありがとうございます😊😭
なぜ日本公開が8ヶ月も遅れたのか
監督お得意の”時系列ごちゃ混ぜ”表現が頭を混乱させるけど、原爆の開発と投下に対するオッペンハイマーの葛藤と苦悩はとてもよく描かれていたと思う。
ただ、ストラウスがなぜ、どのように敵対化していったのか少しわかりにくかった。
日本でこの公開の賛否があったけど、そしてこうして遅れて公開されたわけだけど、それは今考えてみると「日本では遅れて公開した方が儲かりそうだ」という商業的な戦略が垣間見える。
予習は必要な作品かも
自分の力量不足もありIMAXの映像は良かったが、細かな表現や内容がイマイチ理解不足、少なくとも観る前に予習が必要だったかも
歴史的背景と物理学知識、英語力があればもっと楽しめる作品に違いない
やっぱ字幕ばかり追ってると役者の細かな演技や映像を見を落とすし
特に後半の公聴会は字幕無しで英語で理解したかった
もう一回観に行きたいが、次回はトイレを我慢して気が散らないように鑑賞前に水分は控えよう(笑)
原爆の罪深さを描き切れていない
原爆の父オッペンハイマーが原爆を開発し広島長崎に投下したことに苦悩し赤狩りによるスパイ容疑をかけられる話。
世界で唯一の被爆国民日本人として、はだしのゲンと同様に見ておくべき映画だとは思うけど、映画としてオススメかと問われたら、ぜひ見てとは言えない。
俳優陣のお芝居は素晴らしいですが、ストーリーと原爆の描き方には物足りなさを感じて、モヤモヤした。
広島と長崎の惨状には被害者の数と犠牲者のイメージ映像で触れただけ。これだと、原爆で一瞬にして吹き飛んだ市民や皮膚がどろどろに溶けたおぞましさや、生きながらウジ虫が湧く凄惨さ、その後死ぬまで被曝の後遺症で苦しんだ犠牲者に、見た人の想像は及ばない。
そこまで描いてはじめて、原爆という悪魔の兵器の罪深さと、生みの親であるオッペンハイマーの苦悩がリンクするのだが、肝心な部分を描いていないので、オッペンハイマーの苦悩には共感できなかったし、原爆投下という罪を軽く扱いすぎじゃないかと思う。
映画はオッペンハイマーの一人称で描いており、彼が広島や長崎の地獄絵図を見ていないから描きようが無いのはわかるが、ノーラン監督が敢えて逃げたようにしか思えない。
これがアカデミー賞7冠という評価にも納得出来ない。
日本人は「はだしのゲン」を映画化して世界配給すべきでしょう。山崎貴監督お願いします。
あと、3時間は長すぎ。
終始不快感
ナチスが開発する前に、開発しなければならない。ユダヤ人としてこの思いは理解できる、しかし。日本は樋口季一郎中将の例に代表されるように、ナチスから逃がれてきたユダヤ人に人道的な支援を行い、数万の生命を救いました。その日本に核兵器を使うことに、反対しないユダヤ人とは。戦争を早期に終結させて、多くの人命を救ったなど詭弁でしかない。
我々は破壊者だ‼️
この作品は "原爆の父" と言われたJ・ロバート・オッペンハイマーの伝記映画‼️戦争を終わらせた英雄として称賛されながらも、戦後、世界が核競争に突入していくことに苦悩するという彼の人生は、知ってる人は知ってるので、ひょっとしたら重苦しいだけの伝記映画になるところですが、監督はあのクリストファー・ノーラン監督‼️ノーラン監督がどんな演出で、そして時間軸を操ることに長けている彼がどんな物語構造で描くのかヒジョーに楽しみでした‼️構成としては戦後、オッペンハイマーが共産主義者かという審議にかけられるエピソードと、ロバート・ダウニーJr扮するストローズが商務長官に任命される公聴会のエピソードが描かれ、さかのぼってオッペンハイマーが原爆を発明し、戦争が終結するまでの過去のパートが交錯しながら描かれる‼️ひょっとしたらオッペンハイマーの戦後と過去が混乱するかもしれない⁉️ストローズのパートはモノクロ映像になっているのですが、できればオッペンハイマーの戦後もモノクロにしてくれたらもっと分かりやすかったかも‼️そういう意味では1週間、1日、1時間という異なる時間軸を見事に収束させた名作「ダンケルク」のほうが映画的には優れていると思います‼️ただそれらを踏まえて観れば、ヒジョーにエキサイティングな作品で、原爆発明と共産主義に揺さぶられるオッペンハイマーの心理的葛藤を表現したキリアン・マーフィは素晴らしい‼️ロバート・ダウニーJrのストローズもオスカーを獲っただけある‼️そして奥様役のエミリー・ブラントも証人台に立つシーンは爽快‼️その審議会のセリフの応酬は素晴らしいテンポで3時間をまったく飽きさせない‼️映像的にも量子力学や核分裂を宇宙空間の無数の星々で表現したり、CG無しで製作されたらしい原爆実験のシーンの圧倒的な迫力と臨場感、たびたび挿入される "閃光" 、それによって女性の皮膚がめくれるような描写、ラストの無数のミサイルが翔び立ち、地球の各地で爆発する、まるで「ターミネーター」のような描写まで、ノーラン監督らしい映像表現の数々‼️ただ巷で言われている通り、原爆を生み出してしまったオッペンハイマーの苦悩を描くのであれば、広島と長崎の惨状をキッチリ描いて欲しかった‼️ノーラン監督はオッペンハイマーの視点で描いているからと言っていましたが、やはり戦争を終わらせるためとはいえ原爆を投下したという事実から、目を背けているように映ってしまう‼️その描写がキッチリ出来ていれば超傑作になったと思うだけに残念です‼️
派手なことは起こりませんよ!
これから見る人へ
派手なことは起こりませんよ!
あくまでも開発者の話なのでド派手な事は一切起こりません。会話劇、裁判劇になるのかな。
ノーラン監督相変わらずとんでもないもん撮ったな!
編集が神がかってたのとCG絶対使わないにしてもあのキノコ曇どうやって作ったんだろ?
これ賛否両論分かれて良いと思うし評価悪くてもそれはそれで良いと思う、やはり日本人だからこそ見てて複雑になったし実験のシーンなのに感動する訳でもないんだけど何かね涙出てきた。こうやって原爆は生まれたんだ!って勉強になったし口コミ見たら投下のシーンが無くて文句言ってる人いたけど想像させられるから無くて良い!
登場人物多過ぎ問題w 誰が誰か覚えられんて!!
キャスト豪華すぎて最高かよ!
ジョシュ・ハートネットが良い年のとり方しててめっちゃイケおじになっててビックリした♡
記述を知らないから細かい設定に気づかなかったけど
最初の2人のシーンは2年後の会話です。
見応えはあるが、これは難しい…
昨年からいろいろな意味で話題になり、さらにアカデミー賞7部門受賞という最高の栄誉もあって、楽しみにしていた本作。もちろん公開初日に、奮発してIMAXで鑑賞してきました。
ストーリーは、第二次世界大戦中に原爆開発を推し進めるアメリカ政府から、プロジェクトのリーダーに任命された天才物理学者オッペンハイマーが、集められた科学者たちと研究を重ねてついに原爆を完成させるが、実験での威力や実戦での惨劇から、後に開発される水爆に反対の立場をとり、以前から彼に私怨を抱いていた政府側の人間ストローズが画策した罠に嵌められていくというもの。
オッペンハイマーの足跡をたどりながら、原爆開発にまつわる彼の考えや思いをドラマチックに描く作品かと思っていたのですが、ちょっと違いました。ノーラン監督が描きたかったのは、オッペンハイマーとストローズの確執そのものであり、それを通して二人の人物像を浮き彫りにしたかったのではないかと思います。
しかし、率直な感想としては、とにかく難しかったです。登場人物の多さもさることながら、共産党員とのつながりから機密情報漏洩やソ連のスパイ容疑をかけられたオッペンハイマー博士が聴聞会で尋問される姿を通して、原爆開発までの足跡を回想として描くという構図が、全体像を捉えにくくしていると感じます。特に時系列も入り乱れ、登場人物たちの政治的駆け引き、科学への姿勢、それぞれの関係性なども複雑に入り組んでいて、わかりにくさに拍車をかけています。また、当時のアメリカの状況や共産主義者への不当な圧力なども絡んでいるようで、そのあたりの知識のない自分にはことさら難しく感じました。逆にそれらが理解できる方には、終盤の怒涛の展開がたまらなく感じられたのではないかと思います。
とはいえ、タイトルロールに注目するのは当然のことで、細かいことの理解を諦め、オッペンハイマーの心情に注目し、博士の苦悩に共感しながら、最後まで興味深く鑑賞することができました。欲を言えば、そのあたりにしっかりスポットを当て、周辺人物をもっと整理して描いてくれるとありがたかったです。博士がどうして原爆開発にそこまで打ち込み、何を危惧して水爆開発を支持しなかったのか、散々持ち上げておきながら梯子を外した祖国に対してどのような感情を抱いていたのか等、ありきたりかもしれませんが博士自身の言葉で熱く語られるとさらによかったです。
一方で、原爆開発の最終実験の成功と実戦での成果を喜ぶ姿はわかりやすく描かれています。アメリカ人のその心情は理解するものの、日本人の私はずっと眉間に皺を寄せたままでした。何十万人もの人間を死に至らしめる破壊力を称え合う前に、ほんの数人の遺体でいいから被爆地で亡くなった方を見てくれと言いたくなります。しかし、オッペンハイマーの脳裏にはわずかながらもそんなシーンがよぎり、彼にとって大きな転機となったことはうかがえます。そんなところからも、本作が反戦や核軍縮を高らかに訴えるものではなく、オッペンハイマーの姿を淡々と描くことに徹しているのではないかと感じます。期待とは異なるテイストではありましたが、確かに見応えはあり、頭を整理してもう一度観てみたくなる作品でもありました。
主演はキリアン・マーフィで、ほぼ出ずっぱりの熱演が光ります。もう一人の主演といっても差し支えないロバート・ダウニー・Jrも、貫禄の演技で魅せてくれます。脇を固めるのは、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ラミ・マレック、フローレンス・ピュー、ケネス・ブラナーら豪華な顔ぶれ。
全677件中、561~580件目を表示