オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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科学・庶民・政治
通常のIMAXで鑑賞。
◾️感想・解釈込みのあらすじ
序盤はノーラン監督お得意の美しい宇宙。
IMAXレーザーGTで見たかったな〜と呑気に鑑賞。
研究室の雰囲気がリアルだなあと感心。
ピュー演じるジーンが死に、三位一体実験へ。
ジーンは作中で心理学を象徴していると思った。ジーンが死んでからは、オッペンハイマーは自我よりも大きな流れの渦中の人物となる。
最後は聴聞が中心となる。政治とはまさに、自分の立場を守るために陰で動くことだ。表舞台に立ちたがっていたのはストローズで、オッペンハイマーに投影していた?この辺りはストローズの件に関する私の前提知識が足りない。
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◾️要所要所の感想
爆発の予期不安は、オッペンハイマーのメタい発言があっても恐怖しました...いつ爆音が来るのかと...
結局、一番大きい音は熱狂する町の人たちの足踏みだったのが印象的です。戦争のイメージ、軍隊の行進も彷彿とさせました。
熱狂はその対象のためではなく、熱狂する人たちのためにある。
◾️その他
・デインデハーンは冷たい美で存在感。
・ラミも存在感。
・1日中育児をしたキティが「赤ん坊が泣いてるぞ」って言われて冷める反応がそうなるわなって感じだった。
◾️上映形式
IMAXレーザーGTで見たかったけど上映期間が短かった。。。題材が題材というのもありますが、あまり娯楽ではないので、リピートが見込めなかったからかな?
自身もアニメ映画に出演している声優の内山昂輝さんが、アニメ映画がIMAXレーザーGTを占領している状況に苦言を呈していましたが、IMAXレーザーGTの劇場が増えて欲しいですね。
リピートするかどうか...もう一度観たら気づきはありそうですが、小心者なのでしばらく爆発がある映画は避けたいです。
最後の聴聞は35mmフィルム版で観たいかなあ。
◾️追記
日本のことを描こうとすると、日本の庶民・政治を描かなければならず、流石に「オッペンハイマー」には収まらない。軽薄になるよりも匂わせ程度の方がマシなのではなかろうか。
他の方々もおっしゃる通り、被害に対する想像力は日本と他国では違ってくるとは思いますが。中途半端になるよりかは、道で嘔吐している人からの予期不安、その威力の関する科学方面からの最悪の説明と最後の展開、また人間の性質に純粋に恐怖しました。(科学方面からの説明が薄っぺらいんだよ!という他の方のレビューを読んで、確かにと思いました。トン単位の賭けや、ゼロに近ければ無視するんかい!計算を学べ!とも。)
オッペンハイマーの台詞にもあった、これから起こりうる不確実な未来への恐怖がテーマと感じました。
P.S.
ノーラン監督は、アメリカへの皮肉ジョークを毎回入れてくることも押さえるべきポイントかと思います。
テネットではブルックスブラザーズ。
今作ではアメリカ英語と、大統領の描き方(京都は新婚旅行で行ったとかの雰囲気)にシニカルな目線を感じました。
若かりし時代の彼の頭に浮かぶ核反応イメージと焚火の炎の揺らめき、プ...
若かりし時代の彼の頭に浮かぶ核反応イメージと焚火の炎の揺らめき、プロメテウス云々の逸話と宇宙が幾重に描写され、物理や自然科学、人類史の永劫性、普遍性を感じながらのスタート。
余談だが、設定の時代が近いこと、原野を夫婦二人が馬に乗っているシーンや焚火と宇宙の交差(交信)表現は昔の映画「ライト・スタッフ」にも重なり、原子爆弾と大気圏外という「神の世界」に人類が脚を踏み込んだというテーマの観点でも同じくで興味深い。
原子爆弾投下時が物語のクライマックスと思っていたのだが、その時の彼含めた周りはその程度かと思うくらい緊迫感がなく、それもそのはず実験時の爆発の衝撃描写が弱くて、もしこれが事実だとするなら、立ち会った多くの人間が広島や長崎をまさかあれほどまでの惨事に招くとは思わなかったのではなかろうか。一方でその淡々とした描写によって「兵器」ではなく「物理学研究」の成功か失敗かという科学者視点の物語に挿げ替えることができたのだが。
とはいえ、原爆の被害者をイメージさせるシーンが出てくるが、R15だけにもっとインパクトある史実に近い演出をして欲しかった。あまりに弱く、あれでピンとくる(被害想像できる)のは日本人だけだと思う。
後半は終戦後のオッペンハイマー及び関係者の詰問シーンが続き、これはアメリカ人にとっては大事なことかもしれないが、私にとってみればもうどうでもイイことで、唯一、「J・F・ケネディ」に耳がピクリと動いた。彼はやがて暗殺されるのだが、暗殺したのも原子爆弾を作って落としたのも科学者でも政治家でも国民でもなく、アメリカと言う名の「概念」みたいなものがそうさせるのだ。やる前に理由をこじつけ、終わった後にその歪みの責を他人に負わす。現在も続くその危うさをこの映画は伝えているように思う。
メメントに一番近い
ついに観る。個人的にはメメントに一番近い構造だと思う。つまり、自身によってでも、また第三者によってでも、過去の行動の意味や記憶は書き換えることができるということだ。
またこの複雑な構造の映画を日本人の視点で観ることができたのは特別な体験であったと思う。
人は受けた教育や置かれた立場でものを言う。新たな知識を得たり立場が変わったりすれば違うことを言う。過去の行動の意味は変わる。製作者はそのからくりそのものを描こうといていたのではないかと思う。
原爆製造までの過程とその後を淡々と描く
ノーラン監督の過去作『バットマン』『テネット』などとは一線を画し、単に楽しめる作品としては描かれていなかった。
科学と政治、両者がお互いを利用した結果、何万もの人々が一瞬にして犠牲となった。科学の進化の末、人類を破壊する矛盾。
原爆の発明の過程はそこまで詳細に描かれない。
どちらかというと政治と科学の関係性に多くの時間が割かれている印象を受けた。
観る前にオッペンハイマーを取り巻く人物相関図を、誰が誰の役をするのか含めて調べておいた方が、映画がより理解できるかと思う。
日本人としての後味が残る
まだいろんな考察を読んでいない中で、率直な感想です。
私がこの映画を観た背景で、60%くらい占めるのは、
ロバートダウニーJRが好きだから。
そのRDJが、原爆開発に携わるという役は、
どうしてもアイアンマンと重ねてしまい、
非常に良い配役だと思ったから。
あとはクリストファーノーラン監督とか、ビッグネームが多くタイトルも受賞している作品のため。
結論、やはり原爆を扱うテーマのため、
なんともいえない「悪い後味」が私には残った。
オッピー自身は葛藤がありつつも、
やはりアメリカの人間。
当たり前にアメリカ側の側面を映し出すことが多い。
これは戦争を題材としているため、観る側も
「史実」として受け入れなければならない。
私はなかなか直面することが30歳を過ぎても難しいし、正直、誰がロシア側のスパイだろうがどうでも良い。
冷戦のくだりは、そんなくだらないことに、
感情移入出来なかった。
また、最後の裁判風な詰問シーンは、
クリストファーノーラン味が満載だったが、
複雑ではっきりとは理解できなかった。
そういえばノーランの作品は、こういうテイストで
一回じゃ飲み込めないことが多かったのを忘れていた。
あまり予習をしないで観たため、エンドクレジットを観た時に、かなりの豪華メンバーに驚いた。
こういう題材を受け入れるためには
自分が無知すぎるため、もっと勉強しようと思った。
わかりづらい
予備知識を入れずに観に行ってしまい、そこはもったいなかったのですが、見てよかったと思える作品でした。
ただ、登場人物と、並行して進むストーリーがわかりづらくマイナス。理解した上でもう一度見たいです。あと、聴聞会の場面が長すぎるように感じました。
戦争物は避けてきたのにこの作品を見ようと思ったのは、3時間かけるのはどういう作品なのか気になったのと、アメリカ側の視点を見てみたかったからです。
実験や原爆投下の後人々が喜ぶシーン、爆弾が運ばれていくシーンはあんまりだと思いましたし、原爆の被害を人数だけで示すのはあっさりしすぎか。オッペンハイマーを描くには実験だけで十分という判断だったのかもしれませんが。実験で結果はわかっていたのに、なぜ止められなかったんだろうなとも。
オッペンハイマーがピカソの絵を見る場面の意味も気になったところでした。
よくもまぁこんなものを作ってくれたなと
この映画。『オッペンハイマーは、悪人か仕事人か』を考えると、良くもまぁこんなものを作ってくれたなという程の泥沼にハマります。
彼は悪人であった。数十万人は死傷して、土地に甚大な被害を及ぼす爆弾を作った。たくさんの人や物は殺されたし、失われた。
彼は仕事人であった。国の為に爆弾を作り始めて、自分の意思が介入しないところで落とされた。人々は作った人では無く、落とした人を憎むだろう。
この2つ。どちらだろうと考え始めたら沼にハマる。
内容などについての話。
素晴らしい点
・賞賛する人々があげた歓声は、原爆被害者の阿鼻叫喚に聞こえる。
・賞賛と糾弾両方を描いた。
アレ?と思った点
・物理学者や科学者の名前、情報が多すぎて覚えにくい。
・共産主義などの知識が必要
つまり教養が必要なんですよ。教養のない僕には、知識の要らない善悪などの倫理や哲学の面で考えるしか無かったんです。事前知識があれば数倍楽しめそう。
力作だが、情報量が多い
学生時代から原爆完成、投下までのオッペンハイマーの半生を断片的に描きつつ、彼がその後スパイ容疑を受け審議を受けるシーン、
そして原子力委員会メンバーであるストローズが商務長官指名の承認をかけて審理を受けているシーンが同時平行で描写されていきます。
この三つのシーンの時系列をあらかじめ把握しておかないと理解が難しいかもしれません。
そして登場する人物も膨大であり、二つの審議ではそれらの人名がどんどんと出てくるため正直一度の視聴で全てを理解するのは困難な気がします。
表現は等身大的で、オッペンハイマーという人物を特に善としても悪としても描いていない印象を受けました。それは受け手の判断に委ねられているというか
いかにして原子爆弾が生まれることになったのか、その学びにはなると思います。
天才物理学者オッペンハイマーの天と地
3時間の長丁場を眠気対策のカフェラテを飲みながら鑑賞したのだが睡魔が襲ってくるにつれカフェラテを飲み何とか3時間を寝ることなく鑑賞した(汗)
ソ連との冷戦時代に行われた赤狩りのシーンのほうがストーリーのメインで、要はオッペンハイマーは共産主義者ではないのに妻のキティをはじめ周りが共産主義者に囲まれているからソ連のスパイではないかと疑われた末に汚名を着せられた。
そのためかずーっと取調のシーン。
結局裁判で負けてしまうのだが亡くなるまでに功績が認められたところでエンディング。
オッペンハイマーの複雑な性格をキリアン・マーフィーが演じ切っているのも見事だったし、そこは評価するべき点だと思う。見る価値のある迫真溢れる演技には拍手を送りたい。
一部は原爆のシーンについて抽象的にしか描かれていない事に批判されがちだが、これは原爆映画じゃなくてオッペンハイマーの物理学者としてのキャリアのスタートから物理学者としての栄華を描いているので、分けて考えたら改めて凄い映画だと思う。
グロなしでわざわざR15にする必然性が感じられない
2024年映画館鑑賞32作品目
4月29日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
「原爆の父」と呼ばれたアメリカの理論物理学者のJ・ロバート・オッペンハイマーの伝記映画
ロスアラモス国立研究所初代所長としてマンハッタン計画で原子力爆弾開発に指導的役割を果たしたオッペンハイマー
オッパッピーではなくてオッピー
チントンシャンテントンではなくてピカドン
演出もBGMも役者の芝居も悪くない
ただ脚本が酷い
わかりにくい
難しい
ウッティ・アレンの映画を観てるよう
広く一般に全世界の老若男女に対するメッセージとしては難解
一流有名大学出身の映画評論家やアカデミーやカンヌの審査員にターゲットを絞ったのか
自分は理数系特に物理が苦手だったからかもしれない
もう少し短くても良かった気もする
女性問題はどうでもいいよ
「ノーモアヒロシマ」「ノーモアナガサキ」といった反戦活動家ではないがなんだかとても言い訳がましいなあと感じた
アインシュタインはよく似ていた
しくじり先生の中田の授業ならもっと面白おかしくわかりやすい解説をしてくれると思うがなあ
原爆がらみで面白おかしくやったらバービーみたいに炎上しそうだけど
科学者の責任は如何に
歴史の解釈は時代ごとに如何様にも変化し続けるのだなと思いました。
科学への探究心と倫理性の間で揺れ続けたオッペンハイマーの葛藤が上手く描かれていてとても面白かったです。
特に大気引火の可能性を否定できないにも関わらず実験を敢行したシーン。
段階では世界を滅亡させるかもしれないと憂慮していたオッペンハイマーが、証明できないことはもはや検証してしまえというある種最も科学者らしい考えでスイッチを押してしまうという恐ろしさにゾクゾクしてしまいました。
色々と考えさせられる良い作品でしたし、
色々な時代背景や世界の繋がりを学ぶ良い機会となりました。
世界中の人々が自国だけでなく、他国の情勢にもっと目を向けることが一番の戦争の抑止力になるのだろうと思います。
人間の愚かさよ
人物相関など難しくてなかなか一度では理解できなかったですが、誰が良くて誰が悪いとか何が正義で何が悪かという一元的な見方を排したノーランらしい描写が印象的でした。
オッピーが女たらしで八方美人で感情移入もしづらいし、ストロースも悪徳政治家と思いきや正論もかますし……
一番のメッセージは強大な宇宙のパワーを正しく扱える程人類は賢くないということかと。プーチンとかキムみたいな奴見てると実感できますね。
ただクライマックスが法廷劇に終始していてドラマの軸がブレている気がしたのでレートは厳しめです。
日本では公開前に原爆を投下された広島、長崎のことが描かれていないと...
日本では公開前に原爆を投下された広島、長崎のことが描かれていないということで非難もあった映画だったが、映画の主題としてはオッペンハイマーという人間を描いたもので、作品中に広島と長崎の描写が無くても何ら批判の対象ではないと感じる。
ただ、もし製作陣が被爆国の日本人であったら、記録写真や記録フィルムを挿入するのは当然かと思う。
敢えて言うなら映画としては素晴らしいのだが、なぜ挿入するまでに至らなかったのか。挿入したことでこの作品にとってマイナスなことはないように思われる。
原爆投下に対する認識や感情の違い、未だ根強いプロパガンダがそうさせなかったとするなら悲しい。
一方でマンハッタン計画のリアルな状況と、一般的な認識である「戦争の早期終結」に加え、「対ソ連」を見据えた政策であったことが新しかった。
まずR15+ということで、少し過激な性描写が存在しますので、それら...
まずR15+ということで、少し過激な性描写が存在しますので、それらが苦手な方、避けたい方は鑑賞をおすすめしません。
ですがグロテスクな描写はほぼないといってよく、それらが苦手な人でも鑑賞に支障はないと思います。
原爆の父ということもあってか「原爆」の映画、という風に鑑賞前は先入観を持ってしまうと思いますが、「原爆」の映画という毛色よりも「オッペンハイマーという一人の人間の伝記映画」という毛色が強いことを頭に入れておくべきだと思います。
「原爆」に注目したと期待にして鑑賞に行くとおそらく肩透かしを喰らいます。
「オッペンハイマーという原爆の父と呼ばれることになる一人の人間の人生・人物像」「当時のアメリカの時代背景(公聴会などの文化/アメリカ科学研究の発展、特に共産主義思想/勢力に対する姿勢)」「(前の要素と関連しますが)二次大戦・冷戦をはじめとする当時の世界の様相」これらの要素に興味がある方ならおそらく楽しめる映画ではないかなと感じます。
なのでこれらにあまり興味がない、という方にとっては長かったり、理解が難しかったりしてつまらないと思われるかもしれません。大々的にハリウッドで公開された映画ですが結構人を選ぶ映画だと思います(俗な話を言えば、デートやファミリーでなどの鑑賞は同伴者が合わないと感じる恐れがあるので、避けた方がいいかもしれません)。
先ほど挙げた三つの要素の中でもオッピー(オッペンハイマーの愛称です)という人間については結構多くの方が興味を持ちやすいと思います。非常に緻密な描写がされていて、オッピーという人間の内面に近づけます。オッピーという人間をどう思うかは個人によると思いますが、リアルな苦悩を抱える様子など非常に生々しい人間を描けていると思います。オッピー自身した発明に対してすごく人間的なんですよ。ある意味(性欲をプラスした)無垢な子供というかね。(子供を見てイライラしちゃうタイプの人はあんまりこの映画は合わないかもwとあるシーンでぷるぷる震えちゃうオッピーとかなり子供のように見えました)
僕は「オッピーという人間を楽しむ映画」だという風に途中から捉えて、非常に楽しめました。
これまで観た映画で最もムカつく映画
この映画の脚本が通ったのが、不思議なくらいこの映画の脚本は、日本人にとって極めて不愉快な脚本だった。
この脚本を書いたノーランは、この脚本は、日本人には良くないと思わなかったのか何故日本人に配慮しなかったのかノーランには、深く失望した。この映画は、もう二度と観ない。
二度見。 スピーチシーンがすんごい。 絵作りもすんごい。 ノーラン...
二度見。
スピーチシーンがすんごい。
絵作りもすんごい。
ノーランが人物を描いた傑作。
一度目ではちゃんと理解できなかったのでマイナス星一つ。
日本人として
観る前からあまり好きなタイプの映画ではないと想像していたけれど、やはり好きではなかった。
アカデミー賞受賞もあり、一応見ておこうかなと思って映画館へ。
被爆国の日本人として、映画とはいえ、原爆が実際に作られていく経緯を知ることができて良かったと思う。
オッペンハイマーは、原爆が戦争の抑止力になると、本当に信じていたのだろうか?
残念ながら、現在も戦争は続いている。
そんな世の中のことを考えるきっかけにもなる映画だった。
私が好きなタイプの映画ではないというだけでの個人的な感想と評価であるけれど、俳優陣の演技は素晴らしく、見せ方もとても上手だと思った。
長い時間の映画なので、家のテレビで観ても、きっと飽きるし、集中力も続かなかったと思う。なので、映画館で観ることができて本当に良かった。
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