オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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人間とはなんと愚かな生き物と思い知らされる
オッペンハイマー
とうとう公開。
繰り返し観ないと理解が追いつかないクリストファー・ノーラン作品
先ずは1回目の鑑賞
物理学
マンハッタン計画
共産主義などなどアメリカの歴史背景を理解してないと気が遠くなるシーンが回想と語り手がスイッチされ翻弄された。
ノーラン監督は
原爆投下した日のアメリカ・ロスアラモス研究所シーンに全てを込めていたのだろう。
天才の集まりが核分裂反応を原子爆弾の開発チームとして英知を集結。
優れた頭脳が核兵器をつくり、大量殺人兵器となるのをわかっていて使ってしまうという人間の救いようのない弱さ。
そして無知と想像力、エンパシーのない人間の救いようのない愚かさ醜さ
自分がオッペンハイマーの中に入ってしまったように群衆を見る構図に気が遠くなる、
ある意味で原子爆弾の爆発よりも圧倒的に打ちのめされるシーン
涙がいつのまにか流れて止まらない😢
IMAXで観るべき
気を失うかもしれないが
#オッペンハイマー
#OPPENHEIMER
#映画
吹き替え版があればなお良かったな~
2020年公開の「TENET テネット」以来のクリストファー・ノーラン監督作品となる本作を観て来ました。前作は、映像やアクションシーン、特にカーチェイスのシーンなどは素晴らしかったけれども、どうも時空を捻じ曲げて第3次世界大戦を防ぎ、人類を救うという世界観に馴染めませんでした。しかしながら本作は、原爆を開発したオッペンハイマーという実在の人物にスポットを当てた伝記映画であり、当然のことながら被爆国である日本人としては注目せざるを得ない作品でした。というか、「TENET」の概要と並べてみると、本作は第2次世界大戦前後の話だったり、”ユダヤ人に対するジェノサイドを行うナチスより先に原爆を開発する”という主人公の使命だったり、主人公の微妙な恋愛感情だったりの構造が、両者結構似通っているなと思わないでもありません。
いずれにしても、直近で米国アカデミー賞の作品賞はじめ、7部門で栄冠に輝いた話題性もあり、前作の2時間半を上回る3時間にも及ぶ長編にも関わらず、何処の劇場も結構入っていたようで、何よりです。
そんな本作でしたが、時系列を無視して場面がどんどん入れ替わるというクリストファー・ノーラン監督らしい演出はそのままでしたが、この点においては史実を映画にしていることもあり、またきっとそう言う作風だろうという事前の予感も的中したので、前作程の分かりにくさは感じませんでした。ただ、後から後から登場する大勢の人物が、一体誰であるのかという説明が乏しく、その辺に戸惑っていると前作同様置いてけぼりになる感もありました。まあアインシュタインは、風貌だけでそれと分かりましたけど。
あと、セリフの情報量がただでさえ多い上に、物理学はじめ専門用語が散りばめられており、そこにも落とし穴が用意されていたように思います。現在は字幕版しか上映されていないようですが、吹き替え版が出たら是非もう一度観に行ってみたいと思うほどです。というか、予告編で渡辺謙がナレーションをしていたので、てっきり謙さんがオッペンハイマーの声を当てる吹き替え版があるものと楽観していたのですが、期待は外れてしまいました・・・
肝心のお話の内容ですが、これは既に言われていたところではありますが、決して”Make America Great Again”的なものではなく、どちらかと言えば反戦、反核寄りの映画でした。勿論オッペンハイマー自身、彼がユダヤ人であることもあり、ナチスドイツへの対抗上とはいえ、アメリカが核兵器を開発することに当初賛同していたからこそマンハッタン計画に加わる決断をしました。一方で核分裂が無限に連鎖することで、1発の原爆が地球を滅亡させる可能性が僅かながらではあるけれども存在していることに言及しており、ヒロシマ・ナガサキ以前から核兵器の恐ろしさは十分に認識していたように描かれていました。
ただ、ナチスドイツへの対抗のために開発していた原爆を、ヒトラーの自殺とドイツの無条件降伏にも関わらず開発を継続し、実際に日本に投下する流れの中では、ごくごく消極的な反対表明をするに留まったことで、戦後内心面で大いに苛まれることになることになる下りは、非常に見ごたえがありました。戦後大喝采を浴びる中演説するオッペンハイマーのいる会場に、原爆が落ちたように描かれるシーンなどは、オッペンハイマーの内心をそのまま反映した、実に上手い演出だったと感じられました。
またオッペンハイマーをマンハッタン計画に引き込んだルイス・ストローズとの確執も、本作の見所でした。実際のところは分かりませんが、本作におけるオッペンハイマーは、人の心が理解できない人物として描かれており、弟の奥さんを紹介されてもろくに挨拶をしなかったり、満座の中でストローズに恥をかかさせたりする場面が何度か観られました。これを恨みに思ったストローズが、戦後水爆開発に反対を表明したオッペンハイマーを”赤=共産主義者”だとして追及することになる訳で、この辺りは身から出た錆と思わないでもないところです。ただストローズが狡猾にして用意周到なヒールとして描かれており、オッペンハイマーが”赤”認定されて機密情報へのアクセスを遮断され、事実上公職追放された後、ストローズ自身も大統領から商務長官の指名を受けながら、オッペンハイマーへの執拗な攻撃が暴露され、結局議会から長官就任の承認を拒否されるに至り、観客的には一定のカタルシスを得られる創りとなっていたのは幸いでした。まあ事実をそのまま描いているだけではあるのですが、ノーラン監督作品だけに、意外な締めくくりではありました。
最後に、被爆国からの観点で本作及び広島及び長崎への原爆投下を考えたいと思います。アメリカの原爆開発は、当座の問題として敵国であるドイツとの競争上やむを得ないものだったのは、立場の違いを超えても理解できるところです。ただ、既に瀕死の状態の日本に2度も落として良かったのかどうかは、甚だ疑問と言わざるを得ません。確かに日米戦争において、宣戦布告もしないまま真珠湾攻撃をしたのは日本ですが、だからと言って原爆だけでなく、東京大空襲なども含めた都市部への空襲は、明らかに民間人に対する無差別大量虐殺であり、非常に問題のあるものだったと思います。今まさに行われているガザ地区の紛争も、確かに今回先に手を出したのはハマス側でしたが、だからと言ってガザ地区を封鎖し、食糧やエネルギー、水の供給を制限し、病院まで攻撃対象にしているイスラエルのやり方は、明らかにジェノサイドと言わざるを得ないのと同様のことだと思います。
問題は、既に原爆は使用されてしまった訳で、それをどのように後世の教訓にすべきか、ということでしょう。本作でも、オッペンハイマー自身が将来の核軍拡、開発競争を予測する発言を行っていましたが、実際第2次世界大戦が終結して以降、米ソ両陣営による核開発競争は激化し、あの昭和20年8月6日、そして8月9日から79年経過する今日においては、国連安保理常任理事国の5か国のほか、インド、パキスタン、北朝鮮、そしてイスラエルの合計9か国が核兵器保有国だとされています。1発の原爆による核分裂が連鎖して、地球を滅亡させるかも知れないというオッペンハイマーの危惧は杞憂に終わりましたが、今や地球を10回破壊できるだけの核兵器が地球上に存在しています。
そしてウクライナへの侵攻の過程で、ロシアは核兵器使用を仄めかすことでNATO陣営を牽制し、また北朝鮮も日本を含む周辺国に対して、核による威嚇をしているのが実状です。要するにオッペンハイマーの危惧は、物理学上は外れたものの、国際政治学上は正鵠を射ていたと言って良いでしょう。
いずれにしても、”火”を手にした人類は、ゼウスの予言通り武器を作って戦争をしている訳で、これは人類ないし地球が滅亡するまで終わらないと考えた方が良さそうだという、実に悲観的な感想で締めくくりたいと思います。
そんな訳で、「TENET」への個人的な低評価とは打って変わって、本作の評価は★4.5とします。
いつもながら集中力と記憶力を総動員させられる
クリストファー・ノーラン監督作品の多くは表題の通りの覚悟が必要ですが、それでも自然にそうならざるを得ないような圧倒的な映像とストーリー展開で引き込まれていきます。
本作も同監督の過去作品の傾向に漏れず、いや輪をかけて時間軸を前後に揺さぶられ、一体どういう物語として収束するのか、断片的に挿入されていくモノクロシーンを必死に記憶に留めながらメインとなる原爆開発のストーリーを追っていきます。
そして開発成功、広島・長崎に投下後からが本作の核心となり、断片的に挿入されたストーリーの紐づけというかタネ明かしが行われ、日本人には(ひょっとして米国人にも?)あまり知られていない政治的な裏事情や抗争、科学者の苦悩が描かれていきます。
本作で直接的な描写が無い投下された日本側立場の物語は(ほぼ日本人向けの感はありますが)映画、テレビ、漫画、小説等で幾度となく語られ、惨状は広島で展示され続けているので敢えて間接的な表現にしたとも思われますし、そこをリアルに描いても本作のテーマがブレるため意識的に排除したと思われますが、事実の矮小化や米国の正当性を訴える内容にはなっていないと少なくとも私は感じました。
逆にこれを観たメジャー配給元がなぜ去年配給を躊躇ったのか理由を聞いてみたいです。
ただ、映画としての完成度や見応えは素晴らしいものの決して後味の良い物語ではなく、エンターテインメント性という意味においては歴代クリストファー・ノーラン監督作品で最低というのが私の評価です。
毎度感じますが私にはアカデミー賞作品賞受賞作品は合わないっぽいです。
創造主であり破壊神
クリストファーノーラン監督の最新作ということで、昨年からずっと観たかった。日本ではもしかして公開しないのではと思ったが、公開してくれてよかった。
前評判通り、原爆投下を肯定しているわけではない。ただし、否定しているものでもない。広島や長崎にルーツを持つ人にとっては、直接的な映像はないにしてもかなり意見が分かれる映画なのではと思う。
オッペンハイマーの性格や人となりは女好き、気難しいところもあるある意味普通のところもある人やけど、一方で化学に関しては桁外れの天才であり、その知識を持って大量破壊兵器を作り上げてしまった。ただ、オッペンハイマーが作っていなくても、誰かが作っていたのだと思う。人類の歴史ってそういうものやろう。
オッペンハイマー自身の集大成として作り上げたものが原爆というのは、確かに罪やと思う。作った人に罪はないのかもしれないが、実際に広島長崎では大勢の人が亡くなっているわけやし。実際に投下すれば危険な兵器だと世界は認識するというセリフがあったけれど、あれだけの威力があるとわかったからこそ核武装している国もあるわけで…
ある意味、オッペンハイマーは開発に成功した時点で神と同等の力を得ているのかもしれない。原爆を使った国がアメリカで良かったとかいう意見もあるが、亡くなっている大半の人たちは善良な市民。映画の中で日本のフレーズが出てくる度に胸が痛んだ。平和な世界になることを心から祈る。
破壊された世界で
第96回アカデミー賞作品賞受賞作。
IMAXレーザー/GTテクノロジーで鑑賞(字幕)。
原作は未読。
待望の公開。日本ではソフト・リリースにならなくて本当に良かった。メジャー配給会社が悉く尻込みする中、日本公開に漕ぎ着けてくれたビターズ・エンドに感謝しかありません。
世界を変えてしまった科学者・オッペンハイマーの心情をノーラン節全開の複雑時系列でダイナミックに描いていました。
本編中に説明等は全く無いので、予め相関図や背景等を予習しておくと、よりストーリーの理解が深まるかもしれません。
IMAX推奨。CG排除の画作りに度肝を抜かれ、心を抉られました。カラーとモノクロの使い分けも面白い試みでした。
どうやってつくったのかと興味を惹かれるシーンが盛りだくさん。本物だからこそ出せる質感と迫力に圧倒されました。
核を批判する内容ではありませんでした。気になっていた原爆投下についての描写も、アメリカの熱狂にはとても心が痛くなりましたが、オッペンハイマーが幻視した光景も描いていたし、これで充分なのではないかと感じました。あくまでもオッペンハイマーの伝記と云う点に留意しなければなりません。
オッペンハイマーが科学者の業の果てに完成させた原子爆弾によって、人類は良くも悪くも新しいフェーズへと突入することに。科学の発展を否定するわけではありませんし、本作もそんなスタンスでは無い。ただひとつ確かなのは、人間とはなんと愚かな生き物なのだろうか、と云うことです。
原爆の開発を推進した為政者も、オッペンハイマーを私怨からハメたストローズも、なんと愚かなことか。愚かさによって「破壊」された世界に私たちは生きている。戦慄です。
[余談]
大作にしてはエンドロールが短い気がしました。CGを排除した分スタッフの数が少ないからかもしれません。
ある程度の予備知識必須、だと思った。 あまり観る前に調べない方だが...
ある程度の予備知識必須、だと思った。
あまり観る前に調べない方だが、今回ばかりは少々予備知識ありで視聴。
そうしておいてよかった。
時間軸が3つあるが、公聴会がモノクロなので、だいぶ見分けがつきやすい。
1954年の聴聞会
1959年の公聴会
この2つを描きながら、オッペンハイマーの学生時代から、原爆開発、投下、終戦までの流れが中にはいってくる。
日本以外の国の人が、日本、広島、長崎と言う言葉から受ける印象、描かれる内容を観ながら思うことと、日本人のそれは絶対的に違うのだろう。
どうしても複雑な気持ちが混ざってくる。
しかし、この映画は、原爆投下自体の是非を明確にはしていない。
あくまでも、化学兵器の開発に携わる物理学者のオッペンハイマーを軸に、それを描いた作品なのだろうと思う。
そうはいっても、戦争や原爆を賛美していないことはわかる。
そのことがベースにありながら、それに関わった科学者を描いているのかなと。
オッペンハイマーが、自身が中心となってこの世界に生み出してしまったモノ、それを、自分はなにを作り出してしまったのかと思わなかったことはないだろうことは、よく分かる。
それが彼の戦後の人生に影響を与え、この作品で描かれた出来事が起きたとも思うから。
科学者としての探究心と欲望、戦時下という時代背景、ナチス、ユダヤ人、それらが重なり、結果、多くの人の命を奪い、多くの人のその後の人生を変えた、凄まじく、恐ろしい兵器を作り出したこと。それにより世界が変わったこと。
それらを背負い、どんな思いで生きていたのか想像もつかない。
世界を壊してしまった。
その言葉の重みが残り続ける。
圧倒的な会話劇
3時間の大作です
そしてクリストファー・ノーラン監督ですから当然時空が交差するわけです
人によっては付いていけなくなるところもあるでしょうし私もところどころ置いてけぼりを食らいました。
それでも3時間ほとんどダレることもなく鑑賞できましたし後味も悪いものではありませんでした。錚々たる演者のおかげもあると思います。
原爆の話ではあり広島長崎という言葉も登場しますがさすがに生々しい映像はありません。
観て損はないと思います。
余談ですが私の鑑賞した劇場はいつもより暑かったです。長時間の上映なのでトイレが近い方への配慮でしょうか?
暑いのが苦手な方は脱ぎやすい服装でいった方がいいかもしれません
期待通り
期待通りの作品。
原爆の話であり、史実として日本に多大な影響を及ぼしたことは間違いないが(原爆投下には全くの反対だが)、あくまで開発者の話であることから、投下のシーンがないとか、日本人の怒りを買ったとかいう記事などは、全くもって的外れと言わざるを得ない。
物理を学んだ人間として、グッとくるシーンがあったのと、高名な物理学者がこれでもかと出てくるところはとてもよかった(これも本筋ではないですが)。
3時間は長いって、、、
3時間か、、、みるか迷ったけど今月末までの鑑賞券があったので鑑賞です。
オープニングからなかなかの開始。
ノーラン監督が好きな、時間がぐちゃぐちゃします。慣れるまでちょっと大変。あと、登場する名前が多すぎてついていけない。
それでも、、、いい映画だった。
アメリカ人=核兵器投下は全肯定
というステレオタイプのイメージがあったけど、そうでない人もいたということだけでも見てよかった。
アメリカで公開時に問題視されていたような内容では無い。何より、監督がどちらの意見なのかは明白。
スタートから核実験までが約2時間。
これ以降が監督の言いたいことなのは分かるけど、いったんピークを迎えてしまう。
途中でトイレに立つ方が多数。
核実験シーンで離籍していた人には同情する。
あと、途中見なくて話ついていけるんだろうか。
日本人としては、ヒロシマもナガサキも名前が出てきて良かった。でも、このシーンはもう少しグロデスクでも良かったのかも。
良い映画です。劇場での鑑賞をオススメします。
キノコ雲
実験成功の映像は、思っていたイメージと違いました。…ノーラン監督のこだわりのようです。
超爆弾の実現を夢見る物理学者。それを利用する政治家。使われたことに自責の念を感じる物理学者。過去の共産主義との関わり。物理学者に対する妬みと恨み。
広島、長崎の地名があがると胸が痛くなりますが、日本人が観ても嫌悪感を抱くことのない伝記的ヒューマンドラマ。秀作です。
日本でこの作品を観ることは特別なことなのかも知れない
3時間を全く長く感じない作品であった。
どのように開発され、投下されていったのかということに関心が強く、法廷?のシーンに関しては少し冷めて鑑賞している自分がいた。
日本人として他人事ではないテーマであるからこそ、そのように感じたんだなと思う。
この作品は原爆を肯定する作品ではないと思ったし、これからもし作品に対してその類の批判が生まれたりするならばそれは本筋からずれていると思う。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 先ず予想外に驚いたのは(脇役に至るまで)豪華なキャスト。2/3まではハッキリ言って(日本人として)少々胸糞悪かったが、最後まで観るとなかなか力作だとは思った。
①この映画を観て思ったのは、そもそも人類が「量子物理学」を発見した時点で、(人類の本性から)遅かれ早かれそれを戦争の為の破壊兵器発明に適用するのは必然だったろう、ということ(だからアインシュタインは「量子物理学」には懐疑的だったのかも)。
だから、オッペンハイマーが天才だから原爆を発明できたのではなく(その証拠にドイツも日本もロシアも核爆弾の研究はしていたし)、偶々ドイツ(ナチス)・日本・イタリアと連合国との第二次世界大戦という格好の実演の場があるという時期にオッペンハイマーが巡り合い、原爆を作ることになった。
結局、核兵器は人間が宇宙を解明していく過程で必然的に産み出されるものだったのだろうと言うこと。※かといって、核兵器の抑止力が必要悪だとか広島・長崎への原爆投下を必然的なものという意味で言っているわけではありません。
②そういう意味では、オッペンハイマーはどちらにせよ人類の誰がが請け負わざるを得なかった役割に偶々つかされた運命論的に言えば悲劇的な人だったと言えるかもしれないが、映画は残念ながらそういう役割を受け入れ果たさねばならなかったオッペンハイマーの内面を描ききっているとは言えない。
③
感情にではなく、理性に訴える映画
「Oppenheimer」
「オッペンハイマー」
2024年のオスカー作品賞に加えて、クリストファー・ノーラン作品なので鑑賞♪
世界では1年前に公開されましたが・・被爆国日本では、どこの配慮の結果か??公開が見送られたいわくつきの映画。
オスカー取ったので興行的には収益が見込まれるからと、公開されたのでしょう♪
反戦映画でもないし・・もちろんアメリカ人にありがちな、原爆礼讃でもないし・・核兵器を開発してしまった、天才物理学者の人生と それを取り巻く人々の姿、欲望を淡々と描いた感じ・・。
映像の表現は、さすが クリストファー・ノーラン♪
なぜ、オッペンハイマーが、公職を追放されたかを縦糸に・・彼の人生や、時代背景を織り込んでいく感じですが・・
大前提の、公職を追放されるという出来事に至る道筋、交錯する人間関係がもう少しわかりやすく描かれていると助かったかも・・(汗)
正直、登場人物の名前と顔を一致させるのに苦労・・画面にいない時に、名前で登場する人が多くて・・(汗)名前も・・ありがちな名前じゃないから(笑)
そんなんで、前半は睡魔に襲われることもありましたが・・後半は引き込まれました・・。
よく知ってる俳優が多くキャスティングされていますが・・時代の雰囲気、時代の人物になりきっているので・・
あれ、あの人じゃん♪と・・素晴らしく演出されてました。
ナチの「アイヒマン」と同様、愛国心ゆえ職務に忠実だった結果の「原爆の父」だったのかもね・・。
男の嫉妬は恐ろしい物です
罪を背負った男の顔 - 映画「オッペンハイマー」
原爆の話なので見る前は少し怖かった。
なぜなら自分も被爆国の民なので。
普段生活で原爆のことなんてほとんど考えないとはいえ、このようなセンシティブなテーマの映画を見るのには勇気が要ると思った。
海外で作られた映画なので、原爆投下が礼賛されていないとも限らない。
だけど映画ファンとしてはもちろん見ざるを得ない。なにせアカデミー賞受賞作だ。
# 新宿TOHOシネマ
最前列に「フロント リクライニングシート」になっている。東京出張中でやや眠くてリラックスしたいこともありこの席を予約した。席に寝そべりながら優雅に映画を観る体験は一度してみたかった。
だがいざ行ってみるとまったく席にリクライニング感がない。どうやらフルフラットではなく少しだけ後ろに倒れるタイプのようだった。よく探すと席の横にリクライニング用のレバーがついていた。レバーを倒して映画を観ることにした。
# 睡魔
アカデミー賞作品を見ているのに猛烈に眠い。出張とリクライニングシートのせいだ。3時間の映画の前半2時間ぐらいはほとんど眠ってしまっていた気がする。アカデミー賞作品なのに。
だが原爆実験が成功するところ、広島長崎への原爆投下の知らせを聞くところ、オッペンハイマーが消し炭になった子供の遺体を踏む妄想にとらわれるシーン、何回も鳴り響く爆発音、罪悪感に焼かれるアメリカ人たちの歓喜、アインシュタインとの会合など、一番肝要なシーンは見ることが出来た。
とてもちゃんと作品を見たとは言えないのだが、それでも強く印象に残る部分はあった。
# アメリカ人の歓喜
今では多くの日本人は漫画「はだしのげん」を読んだことがあったり、広島の原爆ドームに行ったことがあってりで、原爆投下がどんなに悲惨な被害を生んだのかのイメージぐらいは持っているんじゃないだろうか。
多くの人間がデロデロに溶かされ焼けただれる。この世のものとは思えない地獄だ。僕らはこうして清潔で綺麗な映画館で平和に映画を見ることができるが、当時、原爆で溶かされた人たちはどれほど苦痛だったのだろうか。
そしてもちろん当時のアメリカ人たちもそんなことは知らない。単に悪の敵国に快進撃を与え、勝利を祝っているだけ。純真無垢な気持ちだろう。だがそのコントラストがこの映画では鮮やかに描き出される。オッペンハイマーは原爆の開発者だけあって、原爆投下が現地に何をもたらしたのかは想像がつく、というより誰よりも理解しているのだ。
手が汚れ、罪を背負った男の表情が、そのまま映画のメインビジュアルになっている。
# リベンジ
この映画のコアな部分は鑑賞できた気がするとはいえ、前半2時間も眠ってしまったので、これはまたリベンジしなければならない。
子の不始末は親の責任
初めは純粋な知識欲であった。それが戦争の時代に生きたことにより人生を狂わされた、被害者の1人とも言える。
原子爆弾の威力と被害には正面から向かい合っているとは言えず、表面しか描けてない。
監督がIMAX撮影に力を入れる理由がよく分かる。
何を描きたいのか
期待値が高すぎたせいか、あの時代と原爆製造と市民への原爆投下と言う事を扱う難しさか、焦点がボヤけた映画をみせられた感じです。なんで実験が苦手で理論好きの物理学者が原爆製造事業の中心になったのか説得力を感じない。
アメリカの敵対国であるユダヤ人虐殺のナチズムドイツ、スターリンの共産主義独裁国家のソ連、極東アジアの侵略国家の日本に関しては言葉としての敵国の説明しかない。
アメリカが原爆開発を急がなければならなかった理由は語り尽くされているが、新しい観点はない。
反ナチズムと言う面でのコミュミニズムへの共感性の過去とか女好き肉食男子に関した描写は長い映画の箸休めにしか感じない。いらないシーンだ。
描きたくてもまだ描けない事情がある事を感じた。
ノーランの映画だから派手な映像と思ってたら肩透かしを食らった感じな...
ノーランの映画だから派手な映像と思ってたら肩透かしを食らった感じなので音響重視でドルビーシネマで観たのは正解、とグラントシネマサンシャインの予約争奪戦に不戦敗した自分に言い聞かせる。
3時間の上映時間も忘れて堪能できたが、某評論家先生のせいで必要以上に反発食らって叩かれてるとしたら残念だ。
恐怖感ただよう爆破シーン
ダークナイト、インセプションとか数多くの傑作を生みだしたクリストファーノーラン。原爆をつくった一人の男の物語。アカデミー賞をとった作品ということで興味がわかない題材なわけない
全体的に会話が多くて退屈だが唯一無二の映像体験といえよう。
音で恐怖をひきだすのはさすが。
トリニティ実験のシーンは恐怖の報酬を思い出すくらいの
緊張感。
本当に爆発させているシーンがでてくるので、心臓に悪い。
爆発を音のない神秘的な雰囲気でみせてくるから、美しさを感じつつも
これを日本に落としたんだよねということでみていて複雑な気分になる。
トニースターク。アインシュタイン登場 役にはまってるしめっちゃ似合ってる。
キリアンマーフィとフローレンス ピューとの濡れ場がありますがなんともやらしいシーンに仕上がっていて興奮した。
反戦の話ではなくオッペンハイマー一人の学者の苦悩が主軸なので
ソリッドでこれはこれで余計な要素が入ってなくてよかったと思う
広島とか長崎とかだしてしまったらまた別のアプローチの作品になっていただろうしはだしのゲンとか別の著作物で十分語られると思うのでもしだしてたらタイトルがオッペンハイマーじゃなくなってただろうな。
PTSDみたいにどんどん精神がおかしくなるが酒におぼれたりとか破壊衝動で暴れたりして精神病院にいくとか自暴自棄になる感じではない
真面目で寡黙な人なのが伝わってくる。
原爆をつくって戦争を終結させた英雄として拍手喝采されるシーンの胸糞の悪さ。
原爆を投下後の最後のオッペンハイマーの悲痛な表情が忘れられない
賛否両論あるが
日本人はどうみるか自由だしみる人それぞれ正解も間違いもないだろう
原爆を語るうえでとても重要な作品であること確かだろう。
勉強不足なので1割ぐらいしか理解できなかったので歴史や偉人!?
に興味をもつ足がかりとなる作品になることは間違いなし。
私は歴史の勉強としてそこそこ楽しめた
核実験で終わりではありません
核分裂(原爆のエネルギー源)、核融合(水爆のエネルギー源)といった時間軸が交互に移り変わる中で、多くの登場人物が出てくる。さらに量子力学、時代背景などの知識もなければ完全に内容を理解するのは難しいかもしれない。
だけど、構造は単純で、基本的にオッペンハイマーとストローズの視点でストーリーは進む。
フィルターカラーで変化をつけているので、なんとなく理解し、楽しむことができる。
ただ、私は時間軸の変化に少し混乱した。例えばストローズ視点でアイシュタインとオッペンハイマーの会話シーンが出てきた時(映画序盤の方)。私はこの会話はロスアラモスでの核実験前の話かと勘違いしてしまってました笑
映画自体は、核実験後、オッペンハイマーの人生がマイナス方向へと向かっていくパートがむしろ魅力的だと思った。
集会シーンでのオッペンハイマーの心情描写とか印象的。
アインシュタインというキャラクターも重要。結局、亡命や兵器といった差異はあるものの、オッペンハイマーはアイシュタインと似たような人生を辿ったのだから。
原爆という視点からいうと、やはり日本人にとって辛い気持ちになるところはある。
しかし、原爆が作られ、投下されるという歴史的な事実をテーマにしてアメリカの目線でそれを描いてるのだから、仕方がないかも。それを理由にこの映画をみないというのは違うかなーと。あくまで私個人の意見です、、。
これはオッペンハイマーの人生を、原爆というテーマにそって描いた作品。ノーランは本当に彼の人生を映画にしたいと思ったんだなと感じられる映画です。アカデミー賞を取るだけの価値あるものだと思います。
全879件中、701~720件目を表示