劇場公開日 2024年3月29日

オッペンハイマーのレビュー・感想・評価

全884件中、561~580件目を表示

4.5原子爆弾という忘れがたきモノから、新たな技術に対する人類の使用責任を問う

2024年4月1日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

 2023年を代表し、アカデミー賞で作品賞を含む7部門に輝いた大作。原子爆弾を生み出し、その後の世界を変えた物理学者の栄光と苦悩を描いた作品です。
自分としては、作品の発表と同時に日本での公開を待ち望んでいました。歴史が好きな自分として、当事者が原爆とどう対峙したのか。それをどう描いたのか。そしてついに拝見したわけですが・・・

めちゃくちゃ豪華!

 やっぱりクリストファー・ノーラン監督はすごい。映像美だけでなく、主人公の内面を浮き彫りにした演出や爆破の音響、観てるこっちが混乱しないような時系列の配列、そして迫力と繊細さを両立させた3時間に、退屈さを感じることはなかった。
また役者陣も豪華。キリアン・マーフィにロバート・ダウニー・Jr、ケネス・ブラナー、エミリー・ブラント、ラミ・マレックと多くの名優に加え、トルーマン大統領役でまさかのゲイリー・オールドマン!ここまで豪華に揃えてええのかしら!?
そんな超大作と言っても過言ではないような本作、しかし訴えているのは現代にも通ずる問題に対してではなかろうか?そんな印象を受けました。

 まず気を付けておくことは、これはオッペンハイマーの視点で描いているのであって、オッペンハイマーの周りに起こったことを描いていること。彼が認知していないことは描かれていないこと。巷でよく言われている“原爆に対する描写が少ない”のはそのためかと。自分としては、“原爆を生み出しだ事に対し、自責の念に苛まれる”姿を描いていると思います。

 最初は、戦争に勝つためでした。ナチスドイツに負けないために非常に強力な爆弾を開発し、戦争を終わらせる。そのために物理学者として全力を注いだ。しかし出来上がって実験が成功した時、“作ってしまった(やってしまった)”となる。問題は対人に使うだけではない。その威力は驚異なだけにどの大国も欲するだろう。その結果、核兵器の増強に走る。しかしそれは、間違えたら人類を絶滅させるかもしれない。

“世界は理解しない。それを使うまでは”と言うセリフ・・・

非常に重たい。そしてそれは、実は現代にも通ずるものがあるのではないか?

 今や技術革新著しいこの世界、しかし、生み出したものが持つ負の側面を十分理解しているものがどれだけいるのだろうか?最近で言えばAI問題。AIの持つ力が悪用される可能性と、それによる信用・情報の失墜の可能性。生み出した人は、もちろん世の中が良くなればと考えてのことだろうが、その問題が表面化して初めて気づかされる。新たな技術が持つ負の側面に。原爆も同じではないか?原爆もシンプルに見れば技術革新だと思う。しかし作って初めてその恐ろしさに当の本人は気づいたんだと思う。“人類には早すぎた。そして前にはもう戻れない。この危険を後世に残してしまった責任は重い”と思ったのではないか。この危険、形は変われど現代にも通ずる。

自分たちは新たな技術に対し、良き使用者にならなければならない。さもないと人類は自ら滅びる。そう訴えた映画ではないだろうか?

ラストシーンでオッペンハイマーをアップにし、自分が作り上げたモノが悪い方向に使われたときの世界を想像した時に見せる表情・・・

そんなことが起きないでくれ、とも願うような・・・

あのワンシーンに、オッペンハイマーの、いや本作の願いが込められているように思うのです。

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asukari-y

3.0難しい

2024年4月1日
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難しい

寝られる

オッペンハイマーさん。周りのおえらいさんより遥かにいぃ人でした。当時のアメリカ国民は原爆のおかげで戦争終結でバンザイと。日本の現場は生き地獄。原爆投下の前に日本がアメリカに真珠湾攻撃をした事のきっかけでの報復された?。ような事を今、90の人から聞いたことがある。核は造らない、持たない、使わない。の3原則で地球から排除してもらいたい。世界中の国のトップ全員が横一列に仲良くできて平和維持を協力しあえたら経済も世界中に反映されるだろうに。あり得ないのかなぁ?。時々ウトウトしながらも一生懸命観たからか 3時間は長く感じなかったです。

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Cinemaオタク女

4.5複雑な感情

2024年4月1日
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takantino

3.5今までのノーラン映画とは違うので

2024年4月1日
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悲しい

知的

難しい

エンタメ作品ではないので、今までのノーラン監督の作品のようなものを期待していると肩透かしを食らいそうだが、どう見ても歴史の人物の話なので基本はノンフィクション。

反戦映画ではあるが大っぴらにそれを推してるわけでも無く、淡々とオッペンハイマーの盛衰を描いている。

仕事において、あのような状況に追い込まれたら私も核爆弾を作ってしまうと思う。だから気の毒にも感じるのだが、ストローズを小馬鹿にしたせいできつい尋問を受けるハメになった場面は、自分も気をつけようと思った。

どんな天才でも、誰かを小馬鹿にすることは許されないのだと感じた。

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gasshiy

3.5オッペンハイマーは本当にプロメテウスか?

2024年4月1日
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知的

 オッペンハイマー(以下オッピー)の前半生、原爆開発後の人生、ストローズの閣僚審問の3つの時間軸が入り乱れ、多数の人物が登場するので、初見では詳細は理解しきれないかも。ただメッセージは明白。監督は、息子世代に希薄になった核兵器への畏れを喚起したいと語っている。
 原作の表題は American Prometheus。プロメテウスは、ゼウスが取り上げた火を人類を戻すが、人類は火で文明を発展させる一方で戦争を始める。ゼウスは怒り、プロメテウスを磔にして3万年苦痛を与え続ける。人類に原爆(火)を与えたオッピーをプロメテウスに擬え、彼の後半生の不遇を罰として描いたと感じる。
 しかし、オッピーは本当にプロメテウスだろうか? 1945年の原爆投下を可能したのは、明らかオッピー率いる科学者チームの成果。ただ原爆開発は、アメリカ以外にもドイツやソ連ばかりでなく、日本でも進められていた。仮りにオッピーが居なくても、数年の誤差で原爆は実用化されていた筈。罷り間違って日本が先に開発していれば、被曝国と加害国は入れ替わっていたかもしれない。
 加えて、オッピーの後半生は本当に不遇だったのか? 赤狩りの煽りで国家機密には関われずとも、62歳で癌死する前年までプリンストン高等研究所の所長を勤めている。科学者としてかなり安定した要職。政府の仕事から解放された分、趣味的な研究にも時間を割けたかもしれない。
 結局、原爆投下を決断したのは大統領であり、大統領に投票したのは米国民である。武器を作ったのが科学者だとしても、投下を指示した政治家や、被爆国の損害に歓喜した米市民が、オッペンハイマーに責任を押し付けている内は、核兵器の拡散は止められない。

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LittleTitan

4.0自分の作った物に一生呪われ続ける人生…

2024年4月1日
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怖い

知的

難しい

劇場33作目
IMAX with Laser 【字幕】

私にはちょっと難しい話でした笑
天才はその先に待ち受けている未来を予感し後悔し続けていたのか、自分の犯した罪をわざと他人に裁いてもらってるようにもみえました、いつか人類を滅ぼしてしまう兵器を自ら作ってしまったのですからね…

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あきと

4.5壮大な天才科学者オッペンハイマーの人生を描いた傑作

2024年4月1日
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悲しい

知的

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ガジュマル

4.0慧眼と盲目

2024年4月1日
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国会答弁みたいな茶番が延々と続く
ロバート・ダウニー・Jr演じるストローズがあなた誰ですっけ?状態だったので面白さ半減してしまった ラミ・マレックは重要な役どころだったのですね
20億ドル掛けて街造って、開発に集中って米も力の入れようがハンパない そしてあの実験立ち会った人達って被爆してるのではないかと、小動物なんかもいたのでは?とにかく実験には感心出来なかった
ブラックホールの研究してたのが意外、核は宇宙のエネルギーにも繋がってるのかな キャストはいつもの顔触れとしれっと豪華だったので、お話的にもなんとなく裏切りのサーカス思い出した ヒトラーが死んだ時点で開発止めるべきではと思ったけど、時の事情対ロシアも有ってのっぴきならない状況に、そしてついに日本が標的 相当国力弱りきった終戦間際の映画も見たので(何故か玉砕と言う)、時間の問題だったのではないかと思う、原爆が本当に抑止になったのか甚だ疑問である
作中出てきたフロイトにアインシュタイン、オッペンハイマー、テラーにユダヤ系は頭脳明晰で世界を一新させる人が多い
長かったけど、伝記にしては面白かったしマット・デイモンが久し振りにカッコ良かったので☆4。

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ゆう

4.5原爆フロンティアのモーツァルトとサリエリ

2024年4月1日
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泣ける

怖い

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パングロス

3.0人類史に残る凄惨な殺戮であったことは日本人としてこの映画を素直には讃えられなかった

2024年4月1日
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悲しい

知的

寝られる

アカデミー賞総舐めの話題の映画。
広島・長崎の方々の観方を確認したくなって調べたら『気持ち悪くなった』との声も。その意見に自分も共感。
第2次世界大戦はファシズムとの聖戦だったのが実はソヴィエト共産主義の脅威を増殖させた闘いだったこと。
ナチスの壊滅という『目的』なんてどうでも良かった、そこの大いなる犠牲が広島・長崎の人類史に残る凄惨な殺戮であったことは日本人としてこの映画を素直には讃えられなかった。
作品としての評価とは別に日本人は見逃してはいけないと思う。

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masayoshi/uchida

4.0鑑賞動機:観ないことには何も言えない8割、ノーラン2割

2024年4月1日
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なお

3.5タイトルなし

2024年4月1日
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知的

難しい

二回目

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YUBO

4.5予習と解説あって満点

2024年4月1日
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知的

難しい

面白かった。満足度は◎
登場人物が多い・複数の時間軸で内容が複雑なのでウィキペディアやYoutubeなどで予習しておけばよかった。観た後でも解説サイト・動画で分かりづらい点を補足すると納得できた。
ノーランらしく複数回みて楽しい出来になってます。

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さいやす

3.5 有名な科学者や歴史上の事件が描かれ、知的興奮に満ちた作品でした。...

2024年4月1日
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知的

難しい

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はて1984

3.5タイトルなし

2024年4月1日
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吹替版が欲しかった

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pinoco

4.0科学者の探究心と葛藤

2024年4月1日
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多少予習はしたものの、前半は登場人物と時系列の変化に苦戦。徐々に受け入れやすい流れになり、試験での爆発シーンでは涙が溢れてきた。

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Olivia

5.0凝縮された3時間

2024年4月1日
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相対性理論の時間の観念について、素人ながらにどこかで聞き齧っただけのことをぼんやり思い出す。
これほどの人生を3時間に凝縮して、長く感じるわけがない。
映画は世界を変えられる?
描かれるのは教訓でもなく、道徳でもない。
かつて、様々な思惑があった。
純度が高かったり、そもそもは尊かったり、利に偏ったり、大義によりかかったり。
その集積で生まれてしまった、世界中が無関係ではないもの。
この天才主人公は観客の誰とも違うけれど、彼の苦悩は本当に他人事かい?
ただただ人間を描きだす表現が、かえって問いを突きつけてくる。
自分の無知を思い知る。観てよかった。

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hiwa

4.5この男が世界を変えてしまった。

2024年4月1日
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23

4.5化学に善悪なし

2024年4月1日
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泣ける

知的

難しい

一人の天才と人類が歩んできた技術研究の進歩と歴史を考えさせられるドラマ。

科学者としての熱意とそれが生み出した悲劇と過ち、しかしそれだけでは無かった。
その時、彼が何を見て何を背負い、思ったのか。

アメリカ史観の映画だから賛否あって当然だし批判も間違いでは無い。
しかし、今作で描かれたテーマは今の世代と未来に強く響くものであったと思う。

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もちすけ

3.5勝利した側の論理でしかない

2024年4月1日
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戦争の描き方は、勝った側と負けた側で異なってしまう。たとえ残虐なことをしていても、勝った側は勝つためには仕方なかったんだと言い訳めいたことをアピールする。原爆の父と呼ばれたオッペンハイマーを描いた本作。原爆投下を仕方なかったと言われてしまうのは少し受け入れがたい。日本での公開が延びてしまったのもある意味仕方ない。でも観てみると原爆投下を仕方なかったこととして礼賛している感じでもなかった(原爆開発の成功に湧くシーンや戦争勝利後のスピーチでの盛り上がりには引いてしまうけど)。
戦争に関わった科学者を描いた物語がたまに公開されるが共通しているのは、科学者は知的好奇心には勝てないということ。やはり本作もそうだったが、本作では科学者としての名声や嫉妬も絡まった物語となっていた。後半、法廷もののような展開になってからは俄然目が離せなくなったが、中盤までは動きが少なく観るのが意外としんどかった。時系列の転換も含めて、彼が追求されることになった流れが微妙に分かりづらい描写になっていたのが少し残念。
一方、女にだらしないとか、妻との関係とか、人間オッペンハイマーの実像はなかなか意外で面白い。原爆を開発してしまった彼の苦悩と、人柄を描いた物語としてはなかなかよかったと思う。たしかに開発した科学者ではなく、実際に使うことを決めた者こそ責められるべき。トルーマン大統領との会合で2人の立場の違いを見せたのはとても効果的だった。トルーマンめ!
原爆投下を扱う話を聞くと考えてしまうことがある。日本だから原爆を落とせたんだろうなと。オッペンハイマーがユダヤ人てあることを示すシーンもあったし。ナチスドイツに勝つためとはいえ、多くのユダヤ人を殺すことになってもドイツに原爆を落とせなかったんじゃないか。やはり複雑な感情を抱くことになった映画だった。

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kenshuchu