オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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自分の作った物に一生呪われ続ける人生…
劇場33作目
IMAX with Laser 【字幕】
私にはちょっと難しい話でした笑
天才はその先に待ち受けている未来を予感し後悔し続けていたのか、自分の犯した罪をわざと他人に裁いてもらってるようにもみえました、いつか人類を滅ぼしてしまう兵器を自ら作ってしまったのですからね…
壮大な天才科学者オッペンハイマーの人生を描いた傑作
この映画は、天才科学者の内面に迫る体験ができます。
ノーラン監督は、オッペンハイマーの視点をカラーで描き出し、一方で彼と対立するアメリカ原子力委員会の委員長であるストローズの視点をモノクロで表現することで、視覚的にも興味深い対比を生み出しています。また、時系列的な情報を点として提示し、それを線としてストーリーに綴っていく手法は巧みです。さらに、キャストの感情を観客に伝えるためのアップショットが効果的に使用されています。
物語は、オッペンハイマーがナチス・ドイツに勝つために原爆開発に関与し、その後若手研究者、アメリカ政府やソ連のスパイ、共産党員に巻き込まれていく過程を描いています。彼の内面に迫る核実験や聴聞会のシーンは、彼の不安と孤独を見事に表現し、観客に深い衝撃を与えます。彼の影響力が大きい一方で、ストローズの陰謀も恐ろしいものです。
また、オッペンハイマーの妻が典型的な良妻賢母ではなくても彼の栄光や転落を支え続ける姿が印象的です。
アインシュタインとオッペンハイマーの対話シーンは、物語に深みを加えるうまい配置がされています。特に、科学者の視点から組織や時代に対する深い洞察力が示されています。
私と同じく予習なしで、先入観を捨てて鑑賞することをお勧めします。
慧眼と盲目
国会答弁みたいな茶番が延々と続く
ロバート・ダウニー・Jr演じるストローズがあなた誰ですっけ?状態だったので面白さ半減してしまった ラミ・マレックは重要な役どころだったのですね
20億ドル掛けて街造って、開発に集中って米も力の入れようがハンパない そしてあの実験立ち会った人達って被爆してるのではないかと、小動物なんかもいたのでは?とにかく実験には感心出来なかった
ブラックホールの研究してたのが意外、核は宇宙のエネルギーにも繋がってるのかな キャストはいつもの顔触れとしれっと豪華だったので、お話的にもなんとなく裏切りのサーカス思い出した ヒトラーが死んだ時点で開発止めるべきではと思ったけど、時の事情対ロシアも有ってのっぴきならない状況に、そしてついに日本が標的 相当国力弱りきった終戦間際の映画も見たので(何故か玉砕と言う)、時間の問題だったのではないかと思う、原爆が本当に抑止になったのか甚だ疑問である
作中出てきたフロイトにアインシュタイン、オッペンハイマー、テラーにユダヤ系は頭脳明晰で世界を一新させる人が多い
長かったけど、伝記にしては面白かったしマット・デイモンが久し振りにカッコ良かったので☆4。
原爆フロンティアのモーツァルトとサリエリ
( IMAXレーザーにて鑑賞 )
まるで筋書き通りじゃないか!
原爆開発は、アメリカが余裕をもって進めていた訳では決してなかったようだ。
それは、まるで
朝刊最終版入稿締切前の特ダネ記者のように、
あるいは、
展覧会開始前夜の学芸員のように
あるいは、
初日が迫るなか台本が遅れて最終場の原稿が前日に間に合った脚本家のように、
人類最初の核実験となったトリニティ実験も、大雨にも関わらず強行され、たまたま幸いにもといった感じで成功。
それは、まさしく大戦処理を決定したポツダム会議(1945.7.17-8.2)の直前7月15日のことであり、
本作では、すでに8.6の広島初投下も、8.9の長崎投下の日程も決まっていた上でのことだったと描かれていた。
トリニティ実験が成功すると、
核爆弾は、
科学者たちの手からも、
そして、
オッペンハイマーのコントロールからも
離れ、
あらかじめ定められた通りに、
8.6 ヒロシマに、
8.9 ナガサキに、
まるで筋書き通りに、
投下されてしまったのだ。
本作、前半は、いろいろイメージ的な映像は流されるものの、肝心の核兵器そのもののリアリティが全く伝わって来ず、何か、せいぜい手の込んだ絵本程度の描写ではないか、と疑念を抱きながら、
睡魔と戦いつつ観ていた。
ところが、中盤、
実際に原爆を投下することを、
それも日本に投下することを決定した会議のシーンから、
急に、
核兵器の、
原爆の恐ろしさが身に迫って来て、
落涙をとどめることが出来なくなった。
京都は文化的な意義があるから対象から外そう、新婚旅行で行ったが良い街だ、ハハハ、‥
だって?
恐ろしいことを、冗談のように話す米軍の幹部に
こんな場面を日本人が観ることを知りながら撮影したノーラン監督に
腹が立って、
悲しくて、
涙を流すしかなかった。
おかげで原爆は投下されてしまったのだ。
広島に、
標的だった小倉の視界が悪かったので
代わりに長崎に、
まるで筋書き通りに‥‥
本作は、ワーグナーの楽劇の無限旋律のように、終始、強迫観念のような、精神を直接威圧するような音楽や音響が、切れ間なく続き、頭が痛くなりそうなほどだったが、
唯一訪れた無音。
世界初の核兵器の爆破、
爆発の瞬間から、
爆破の轟音と
凄まじい爆風が襲うまでの
ほんの僅かの時差のような時間。
その無音は、
その轟音は、
その爆風は、
8.6 に広島を、
8.9 に長崎を、
同じように襲ったのだ。
まるで筋書き通りに‥‥
核兵器の本当の恐ろしさは、
科学者たちも、
開発責任者だったオッペンハイマーも、
理解していなかったのだ。
事後に、その事実に戦慄するオッピー、
遅いゼ、おっさん!
もう手遅れだヨ!
おそらく世界中で、
本作の恐ろしさに、
最も身を震わせるのは、
最も涙を流すしかないのは、
広島の、
長崎の、
同朋を思う日本人に違いない。
だから、日本人は本作を観るしかない。
怒りに震えながら、
涙を流しながら、
優秀な科学者たちかも知れない、
だが、核兵器という絶対悪をこの世に創造してしまった罪人たちの姿を
目に焼き付けなければならない。
***
あらかじめプログラムを買って多少予習したせいもあってか、
町山智浩さんの言うようには、分かりにくい映画とは思わなかった。
いや、むしろ(ノーラン監督にしては)至って普通の劇映画だった。
劇薬という意味での「劇」映画でも、もちろんあるのだが。
たとえば、ヒロシマ、ナガサキの惨禍を経て、日本が降伏し、終戦を迎えたあと、
オッペンハイマーがトルーマン大統領と面会する。
この大統領、本当に、こんなアホのような呑気な会話をオッピーとしたのか。
立ち去るオッピーを泣き虫と侮辱したのか。
年だけ取って、大した能力も無さそうなこの大統領の戯画は、バイデン批判の一種なのか。
‥‥要は、所詮、その程度のリアリティしか保証しない「劇」映画だというサジェスチョンなのだろう。
終盤は、核兵器をこの世に産んでしまった罪を自覚したオッピーに対する、
聴聞会という名の政治的断罪劇。
赤狩りという名の魔女狩りによる、「ソ連のスパイ」という無実の罪を着せての。
ところが、同時進行の原子力委員長ストローズの公聴会の表・裏を見せるなかで、この濡れ衣が、彼による奸計であったことが明らかになる。
まるで、モーツァルトの天才に嫉妬したサリエリのように。
まるで、ムーア人将軍オセローの英雄ぶりが許せなかったイアーゴーのように。
古くから、舌出しおじさんとして、人間ミームの元祖的なアインシュタイン。
世俗から離れた世捨て人かと思いきや、いちばんオッペンハイマーの犯した罪の本質を理解していた。
ダンテの『神曲』のように、
原爆投下の煉獄を映像化し、
シェークスピア劇のように、
罪人としてのオッペンハイマーの
来し方行末を描いた本作、
やはり、
どうしようもなく
悔しいけれど、
問題作にして、
傑作である。
人類史に残る凄惨な殺戮であったことは日本人としてこの映画を素直には讃えられなかった
アカデミー賞総舐めの話題の映画。
広島・長崎の方々の観方を確認したくなって調べたら『気持ち悪くなった』との声も。その意見に自分も共感。
第2次世界大戦はファシズムとの聖戦だったのが実はソヴィエト共産主義の脅威を増殖させた闘いだったこと。
ナチスの壊滅という『目的』なんてどうでも良かった、そこの大いなる犠牲が広島・長崎の人類史に残る凄惨な殺戮であったことは日本人としてこの映画を素直には讃えられなかった。
作品としての評価とは別に日本人は見逃してはいけないと思う。
鑑賞動機:観ないことには何も言えない8割、ノーラン2割
IMAX鑑賞。
いろんな要素があって、中々考えがまとまらず、感想の羅列みたいにしか書けないのだけれど。
あのイメージは原子(電子/中性子)ということかな。アインシュタイン以外にもボーアとかハイゼンベルクとか名前のわかる人がいて、何とかついていけたのでよかった。ブラックホールや核融合、核分裂など、大雑把なイメージでもいいので知っていると、映画への没入度がかなり違ってきそう。オッペンハイマー本人についての知識はほぼなかったし、睡魔との戦いも覚悟していたけど、意外と大丈夫だった。
ラミ・マレックはおいしい役。なんか妬みって怖い。
モノクロとカラーの使い分けに加え、時系列上でほぼ固定の2つと彼の半生をなぞる部分があるから、6つのパートを行き来する描写になっているように思った。夢/幻想みたいなインサート映像も随所にあるし、これは鬼編集。
『TENET』に引き続きルドウィグ・ゴランソンが音楽で、前作のイメージは「ネトネト」からかなり変わって、こちらは何だろう…「ゴウンゴウン」だろうか。とにかく重力が二倍になったような圧力を感じた。
無音からの…アレの演出は、思考を追体験させられているように感じて身震いした。
ただそれでも、黒く炭化した遺体らしきものくらいしか描写がないのは、どうしても引っかかってしまう。
あとやはりIMAXで観るならセンター近辺の座席じゃないとダメかなと思った。画面もスクリーン下いっぱいまであるので、スタジアムタイプの劇場でも前に誰か座ると画面にかかってしまう可能性が高いのですよね。中々難しい。
物理学的な連鎖反応による世界滅亡はなかったけど、現状は別な意味での連鎖反応によって拡散は起こっているわけで。さらにまた別の連鎖反応を想起させる映像にも見えるので、暗鬱とした気分になる。
予習と解説あって満点
面白かった。満足度は◎
登場人物が多い・複数の時間軸で内容が複雑なのでウィキペディアやYoutubeなどで予習しておけばよかった。観た後でも解説サイト・動画で分かりづらい点を補足すると納得できた。
ノーランらしく複数回みて楽しい出来になってます。
有名な科学者や歴史上の事件が描かれ、知的興奮に満ちた作品でした。...
有名な科学者や歴史上の事件が描かれ、知的興奮に満ちた作品でした。
3つの主要な時間軸が並行して流れる、クリストファー・ノーラン監督らしい、トリッキーな見せ方です。その内、ストローズ氏の閣僚指名の公聴会が白黒で、これは恐らくドキュメンタリータッチで第3者視点を表しているのでしょう。それ以外のカラーの部分は、全てオッペンハイマーの主観映像です。この主観映像は嘘や幻も描くし(スピーチの幻視やコミュニストの恋人の他殺を仄めかすインサート)、重要な場面を描かなかったり(彼が実際には見ていない広島・長崎の爆撃)します。
日本人にとって主な興味は、原爆の開発秘話や悲惨な結果、それに対する開発者の懺悔の日々・・・なので、戦後の政治闘争劇など余分。しかし、これはオッペンハイマーの伝記映画なので、そこが日米の観客の受容のギャップが生まれる(と興業主が心配した)所以かも知れません。
で、日本人として引っかかる点は他にもあって、オッペンハイマーは核廃絶論者では無いという事ですね。彼は、リアリストであり、生まれてしまった核兵器をなくす事など不可能であり、それはコントロールすべきだ、と考えている。(この後、それについてあれこれ書きましたが、映画と関係ないので省略します。)
些細な事ですごいなと思ったのは連鎖反応の話です。「核分裂で空気が連鎖反応を起こすと、被害が限りなく広がり世界が滅亡する・・・なーんて可能性は限りなくゼロに近いので多分大丈夫だろう」と言って、トリニティ実験にゴーを掛けてしまう。我々は原爆というものがどういう物か知っているから良いけど、この程度の安全意識で危険な実験を行っていた科学者たちに恐怖を感じます。
そこかしこに非人間的な感覚も挟みつつ、それでも人間としての苦悩を併せ持つオッペンハイマーという一人の人物を丁寧に描いた作品でした。
最後ですが、この映画のヴィランであるストローズ氏。映画の後でWikipediaを見ていたら、マンハッタン計画には携わっていなかった彼ですが、原爆の攻撃目標に関しては「最初は威嚇攻撃をすべきである。例えば日光のような象徴的な場所で」と発言していたらしい。(英語版wikiなので誤読でなければ。) 彼もまた複雑で面白い人物と感じました。
凝縮された3時間
相対性理論の時間の観念について、素人ながらにどこかで聞き齧っただけのことをぼんやり思い出す。
これほどの人生を3時間に凝縮して、長く感じるわけがない。
映画は世界を変えられる?
描かれるのは教訓でもなく、道徳でもない。
かつて、様々な思惑があった。
純度が高かったり、そもそもは尊かったり、利に偏ったり、大義によりかかったり。
その集積で生まれてしまった、世界中が無関係ではないもの。
この天才主人公は観客の誰とも違うけれど、彼の苦悩は本当に他人事かい?
ただただ人間を描きだす表現が、かえって問いを突きつけてくる。
自分の無知を思い知る。観てよかった。
この男が世界を変えてしまった。
共産主義や反ナチの思想を抱えながら、原子力の研究に没頭したオッペンハイマーは原子力爆弾の開発に携わることで様々な思惑に晒されることとなる。
開発チームに入ることを躊躇うメンバーは、物理学の成果が兵器であっていいものかと吐露するが、それをもつ最初の者がナチスであってはいけないと言い説得するシーンからもこの時点では前向きな姿勢が強い。
実験の成功のために注力し続けるが、いざ兵器が完成してそれらが生み出す犠牲を実感する。
一時は戦争を終わらせた英雄とされるものの、過去に公の場で恨みを買った男に立場を追われる謀略を進められる。
結果的に謀略は不当と世間に知られることとなるも、ある種原爆を作った報いとも言える業を消化するにはとても長い時間がかかったことがラストシーンからもわかる。
アインシュタインとオッペンハイマーが池のほとりで会話するシーン。研究が世界に与える影響と受ける報いを理解した上で、全てを受け入れる。
開発中に計算上現れた大気の連鎖爆発、"ほぼ0"は実験により"0"とされたが、核ミサイルの乱発による世界滅亡というあまりにも大きい"ほぼ0"を生み出してしまった。
化学に善悪なし
一人の天才と人類が歩んできた技術研究の進歩と歴史を考えさせられるドラマ。
科学者としての熱意とそれが生み出した悲劇と過ち、しかしそれだけでは無かった。
その時、彼が何を見て何を背負い、思ったのか。
アメリカ史観の映画だから賛否あって当然だし批判も間違いでは無い。
しかし、今作で描かれたテーマは今の世代と未来に強く響くものであったと思う。
勝利した側の論理でしかない
戦争の描き方は、勝った側と負けた側で異なってしまう。たとえ残虐なことをしていても、勝った側は勝つためには仕方なかったんだと言い訳めいたことをアピールする。原爆の父と呼ばれたオッペンハイマーを描いた本作。原爆投下を仕方なかったと言われてしまうのは少し受け入れがたい。日本での公開が延びてしまったのもある意味仕方ない。でも観てみると原爆投下を仕方なかったこととして礼賛している感じでもなかった(原爆開発の成功に湧くシーンや戦争勝利後のスピーチでの盛り上がりには引いてしまうけど)。
戦争に関わった科学者を描いた物語がたまに公開されるが共通しているのは、科学者は知的好奇心には勝てないということ。やはり本作もそうだったが、本作では科学者としての名声や嫉妬も絡まった物語となっていた。後半、法廷もののような展開になってからは俄然目が離せなくなったが、中盤までは動きが少なく観るのが意外としんどかった。時系列の転換も含めて、彼が追求されることになった流れが微妙に分かりづらい描写になっていたのが少し残念。
一方、女にだらしないとか、妻との関係とか、人間オッペンハイマーの実像はなかなか意外で面白い。原爆を開発してしまった彼の苦悩と、人柄を描いた物語としてはなかなかよかったと思う。たしかに開発した科学者ではなく、実際に使うことを決めた者こそ責められるべき。トルーマン大統領との会合で2人の立場の違いを見せたのはとても効果的だった。トルーマンめ!
原爆投下を扱う話を聞くと考えてしまうことがある。日本だから原爆を落とせたんだろうなと。オッペンハイマーがユダヤ人てあることを示すシーンもあったし。ナチスドイツに勝つためとはいえ、多くのユダヤ人を殺すことになってもドイツに原爆を落とせなかったんじゃないか。やはり複雑な感情を抱くことになった映画だった。
頻繁に入れ替わる時系列と登場人物の多さに置いてけぼりになる場面もあ...
頻繁に入れ替わる時系列と登場人物の多さに置いてけぼりになる場面もあったが、最後までダレる事無く鑑賞 (最低限の知識は入れて鑑賞した方が良いかも) 被爆国の人間だから、どうしても「ロケット打ち上げバンザイ!」トーンで一緒には喜べないのよね。
長かった。
どうしても日本人なんで共感できない部分が有ります。仕方ない事ですが…
ある程度の知識がないとよく分からない映画で、難しかったです。
特に後半の裁判ではない裁判の長さには参りました。理解が追い付かず、理解できないまま進んで行くので退屈でした。
アカデミーが好きそうな映画ではあるし、そうなんだ!ってシーンも有るんだけど、3時間は流石に長過ぎたし、感動もなく、やっぱり私にはノーラン作品は合いませんでした。
所詮日本人は蚊帳の外
オッペンハイマーはマンハッタン計画の責任者だったため有名だが、プルトニウム原子爆弾の圧縮起爆原理を創案し、最も原爆の完成に貢献し、共産主義の理想に忠義を示した故にソ連に情報を流してしまったドイツ人科学者クラウス·フックスのほうが苦難に満ちたヒューマンドラマにふさわしい人物だと思う。クラウス·フックス役のクリストファー·デナムはそっくりだった。しかし、最後のほうでちょっと出ただけ。丸眼鏡の顔も丸い色白の人。パンフレットには掲載なし。残念。
そりゃ、キリアン・マーフィはいい男だし、興行的にも見込める。おいらもキリアン・マーフィー目当てで観たもの。実際のオッペンハイマーもキリアン・マーフィーに負けず劣らずの色気があるいい男でキャスティングは申し分ない。オッペンハイマーの父親はユダヤ系ドイツ人。この話はアメリカ原子力委員会の私怨に絡む内輪揉めがメイン。しかも長い。
日本人はまったく蚊帳の外。ロスアナモス研究所はいまなお先端科学技術の要所で、多くのアメリカ人の誇り。原爆は肯定的にとらえられている。オッペンハイマーのみならず、携わった科学者は少しは人命を奪うことに良心の呵責を感じていたかもしれないが、映画のシーンにあるように成功した喜びの方がはるかに勝っていたにちがいないのだ。第二次世界大戦中に原子爆弾の開発に着手したアメリカがイギリスと協定を結び、ドイツからイギリスに亡命した科学者などをオッペンハイマーのロスアナモス研究所に送り込み、原子爆弾の開発を促進したことには触れずに、オッペンハイマーと不倫関係にあった共産党員の精神科医ジーン·タトロック役にすぐ脱いじゃうフローレンス·ピューを当て、まったりした話にエロ場面を入れ、眠くなるのを防いだ感が強い。
フローレンス·ピューの固太りの体は嫌いじゃないけどさ、こんなエリート不倫男の開発した大量殺戮兵器にやられたと思うと悔しさ倍増。
ドイツが降伏したから、日本に使ったなんて言い訳。開発はかなり前から着々と行われていて、1943年には日本に落とす目的で開発を急いでいたんだから。水爆を作る余裕もあったし。しかも、オッペンハイマーはユダヤ系ドイツ人で、ドイツを故郷と感じていた。彼もまた時代の被害者であったと思うが、映画としてはあまりにアメリカの正当化に寄与し過ぎではいないか? クリストファー·ノーランの観るものを混乱させる時系列のいじりも悪意に思えてくる。
ソ連への牽制が一番大事で日本はただの舞台だった。黄色人種での人体実験だったんだと思う。爆心からの距離や被曝線量と人体への影響が測り易い都市を選んでいたんだから。ロスアナモスはもともとネイティブアメリカンの居留地だし。朝鮮戦争やキューバ危機で核が使われなかったのはクラウス·フックスの機密漏洩によりソ連がアメリカに遅れをとらずに核兵器を実戦配備したため、冷戦下の均衡が保たれたためだと指摘する人も多い。割を喰ったのは日本人だけ。そして、瞬く間に中国が核を保有し、北朝鮮がロシア、中国の鉄砲玉になって、極東アジアの平和を脅かしている現実。この映画を観るためのお金があったら、赤十字やユニセフに寄付したほうがいいと思う💢それと、ロバートダウニーJr(ストローズ役)のアカデミー賞授賞式の振る舞いも嫌だよね。早く終映にしてほしい。
【追記】1200円もするパンフ買ってしまった。読んでもピンとこない内容だった。
NHKがアメリカのテレビ局が作成したマンハッタン計画を正当化するような内容の番組を独自の解説を添えることもなくタダ流しするのは怠慢過ぎると思うのである。
前章とか序章とかなくて、いきなり飛ばす感じ 最後まで全く息抜きでき...
前章とか序章とかなくて、いきなり飛ばす感じ
最後まで全く息抜きできないんだけど
ちょっとぼーっとしちゃっても何故か追いつける
原爆がどうのとかじゃなく、
ドキュメントとして良かった
彼らはボタンを押した。多くの人は「優位と破滅は紙一重」と気がつかない。
ある程度は事実関係の知識は持ってたが
その程度のレベルじゃ追いつかなかった。
それでも3時間は長くは感じなかった。
できれば「ネタバレ」を気にせずに
全ての登場人物や内容を押さえておくこと。
それがこの映画を一番楽しめる方法だと思う。
ネタがバレてもカット割までは分かるまい。
全編に渡り監督は問いかける。
手にしてはいけないものの正体を。
権力者は優位に立つことが全てと思い
調査し、策略し、罠を仕掛ける。
「核爆弾」という兵器を作り上げ
名を上げ、金儲けをし、優位に立つが
それが破滅への道と気がつかない。
学者は常に新しいものに挑戦する。
没頭し、探って探って探りまくる。
敵国と競う様にソレを作り上げ
ソレが完成した途端、恐れを感じる
オッペンハイマーの気付きと
アインシュタインの顔が全て。
彼の描いた、とある破滅のシーンは
今ある核を使えば簡単に現実化する。
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