劇場公開日 2024年3月29日

オッペンハイマーのレビュー・感想・評価

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5.0ノーラン監督の目的はただ一つ 単なる一時の娯楽として映画を観に来ただけの大衆に、核兵器使用の恐ろしさについて強制的に自分の頭で考えさせることだったのです

2024年4月1日
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鑑賞方法:映画館

オッペンハイマー
2023年7月米国公開
被爆国の日本では2024年3月公開と8ヶ月遅れたのはご存知の通り
その理由もここのレビューでも渦巻く被爆国としての特別で複雑な感情があるからです

広島長崎への原爆投下を描いていない
その被爆の惨状を描いていない
その後も続く原爆症も描かれていない
これに尽きるかと思います

本作への激烈な反発が日本中で沸騰するかも知れない
もしかしたら日本の上映館や配給会社へも抗議が殺到するかも知れない
下手をすると不測の事態も起きかねない
そう考えだすとなかなか日本公開の決断をするのは勇気がいったはずと思います

結局、アカデミー賞を総ナメするほどの海外での高い評価が後押しになり公開されたのもご存知の通り
日本公開から3ヶ月経ちました
日本での反応は予想通りのものでした
しかし、とても冷静な受け止め方で心配されたような事態は何も起こりませんでした

自分も早々に観に行きました
でもなかなかレビューする気になれませんでした
なにかモヤモヤする
それが言葉に纏まらないのです

結局、皆さんと同じなのかも知れません
先に挙げたことが引っかかっているだと思います

でも違う
実はノーラン監督に見事にはめられているのではないか?
それもこれも全部ノーラン監督の思う壺だったのではないのか?
私達はノーラン監督の計算通りの反応を示していただけではないのか?
やっとそこに思い至りレビューを書く気になりました

ノーラン節というものがあります
それが何かと説明せよとなるとこれは難しい
でも確かにノーラン節というものはあるのです
本作に於いてもあります
例えば時系列を複雑にして構成するというノーラン監督作品の特徴は本作でも踏襲されています

何故、そのようなことを毎作やるのか?
何故、複雑に時系列の操作をやるのか?
何故、誰もがすぐに理解できる平易な時系列の構成にしないのか?

そこに答えがあると思います
時系列が複雑になると私達観客は考えなくてはなりません
そんなに難しい作業ではないのですが
これがこうなってこういうことなのかという頭の回転が常に上映時間の間ずっと続くのです

するとどうなるのか?
普通の時系列であると、上映中の間私達は実はなにも考えていないで観ているのです
単に筋だけを追って、エンドマークがでたら、「あーおもしろかった」か「まあまあだな」とかのただの表面的な感想だけが残るのみなのです

それをノーラン監督は嫌っているのだと思います
強制的にでも私達観客に映画の内容について考えさせようとしているのだと思うのです
複雑な時系列を、観客の頭の中でそれぞれが自分に理解できる形に再構成しなおす作業をさせ続けると、観客は作品のテーマやメッセージについても否応なしに考えざるを得なくなるのです
それが監督の主張するところと同じものになるかも知れませんし、監督の狙い通りのものではなく観客の独自の考えになるかも知れない
いずれにしてもノーラン監督の作品を観て、その作品のテーマについて自分の考えがまとまって行くのです
すると自分の頭で考えたことは自然と人に話たくなるものです
映画館の帰り道のカフェや居酒屋やバーで、あるいはSNSでべらべらと作品について自分はこう考えると語りだすのです
その内容は俳優がどうだったとか、映像が綺麗だったとか、音楽が良かったとかそんなことではなく作品の主張するテーマやメッセージに対して自分はこう思ったというものになっているのです
それこそがノーラン監督の狙いであって、それこそがノーラン節と呼ばれる物の正体なのだと思います

ノーラン監督は本作を原爆をテーマに映画を撮るにあたり、21世紀に於ける核戦争の危機を全世界の観客に通り一辺の核戦争反対の映画を観せることでは不十分だと考えていたと思います
観客それぞれに、原爆について自分の頭で考えさせたかったのだと思うのです

それ故に敢えて広島長崎の原爆投下シーンをみせなかったのだ思います
原爆投下シーンと被爆の惨状
それは普通の監督ならそれを映画のクライマックスにしようとしたはずです
観客もそれを期待して観に来ることでしょう

しかしそれをわざと見せないことで観客自身に想像するように仕向けたのです
原爆が実際に都市に使われたときどうなってしまうのか?
核の炎の下に何十万人の人間が暮らしていたならどんな地獄になったであろうか
観客自らの頭で考えさせようとしたのです
原爆投下は広島長崎だけに起きたことではなく、これから世界のどこの都市にでも起き得ることなのだ、つまり自分の住んでいるところのことなのだと考えさたかったのだと思うのです

だから原爆投下のシーンの代わりに、ドイツ軍のV2号ロケットが米軍の重爆撃機のはるか上空を何発も夜空を高速で通り過ぎて海を越えてロンドンに向かうシーンがあるのだと思います
あのミサイルの弾頭にもしも原爆が仕込まれていたなら?
いやそれは現代では普通のことなのだ
そう観客に考えるようにした思考の補助線のシーンであったと思います
何発もの原爆が自分住むの都市に雨のように降り注ぐのだと想像できるように

いつも通り複雑な時系列でなぜそうなったのかを観客に主体的に考えさせる
さらに原爆投下と被爆の惨状を敢えて見せない
その事で観客をフラストレーションに陥れる
仕方なく観客は自分自身でそれがどんな映像になるのかを想像する他なくなるのです
そうすることで観客は原爆投下について、核兵器の使用について、個々人、人それぞれなりに様々に考えだすのです
そして映画を観終わったあとその各自の考えを友人や家族にベラベラと話だすのです
SNSに書き込むのです
原爆=核兵器の恐ろしさ
その使用がどんなに恐ろしいことなのか
そのような考えが観客の何倍にも広がるだろう
ひいては世界中人々の考えとなることにまで持っていきたい
それがノーラン監督の本作での最大の目的だったのでないでしょうか

ノーラン監督のその目論見は計算通りに成功したのです
観客は自らの頭で考えたかのように口々に、原爆投下の凄まじい被害を描いていない!と言いはじめたのです
被爆の実態から目を背けている!
実はノーラン監督がそう観客に批判を言わせるように仕組んでいたのも知らずに

ノーラン監督の目的はただ一つ
単なる一時の娯楽として映画を観に来ただけの大衆に、核兵器使用の恐ろしさについて強制的に自分の頭で考えさせることだったのです

世界中の観客がまんまとそれにのせられていたと思うのです

その結果がアカデミー賞総ナメということになりました
つまりノーラン監督の目論見は大成功したのです
観客一人一人に自主的に考えさせることに成功したのです

だだひとつ問題は、そんなことをしなくても日本人だけはそれを考えることができるということです
しかしノーラン監督はそれをわかっていたと思います
それでもお気楽に本作を一時の娯楽として観にくるであろう世界の大多数の大衆に考えさせることを優先したのだと思うのです

広島長崎への原爆投下を描いていない
その被爆の惨状を描いていない
その後も続く原爆症も描かれていない

私達がそう思い本作を批判するのは当然なのです
私達日本人は原爆=核兵器を使用することの絶対禁忌をわかっているからです

しかし、米国やそのほかの世界の国々の人々が被爆国の日本と同じわけではないのです
彼らにどれほど重大なことなのか
それを自らの頭で考えて貰うためにあえてこのように撮られていたのです

2020年の前作TENETでは、ノーラン監督は歴史の逆行を阻止しなければならないと、私達観客に考えることを要求しました

そして本作ではノーラン監督は、核戦争の阻止を訴えているのです
ウクライナ戦争で、プーチンは核恫喝を実際に行いました
戦闘機に核爆弾を外部から見えるように搭載して欧州に向けて飛行させたのです
そしてつい最近では、核兵器の使用訓練を実際に行ったのです

そのことを単に非難する映画を撮ったところでそれは反ロシアのプロパガンダ映画だと言われるだけです
世界中の人々が自らの頭で考えた結果、そんなことを絶対に許さないという考えを持つこと

それが本作の目的だったのです

昨年、広島に旅行して、原爆ドームと平和記念資料館にいきました
平和公園の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれています
誰が?
それは世界中の人々がそう思わなければ達成できません

本作をみて、何かを考えること
それが過ちを繰り返さないことの努力の一つであることには間違いないと自分は思います
アカデミー賞を総ナメにするのは当然だと思います

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あき240

4.5原爆開発者の苦悩の軌跡が見事に描かれている!

2024年4月1日
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最初の核爆発の轟音と振動に、肺腑をえぐられるような恐怖感を味わいました。それは水爆の中から生まれてきた山崎監督のゴジラの咆哮と同じように聞くものを揺さぶり、恐怖に落とし入れる感覚に不思議な一致を感じました。アメリカ側から見た第二次世界大戦の終結を急ぐために、降伏を拒む日本軍部の頭を切り替えさせるために原爆を落としたという理屈を聞くと、とても悲しい気がしました。アメリカ人は当時広島、長崎への原爆投下されたばかりの頃、正義の鉄槌を日本に加えたと捉え、熱狂的にオッペンハイマーの実績をたたえていますから、戦争の正義ほど無意味なものはないということが、身に染みてわかります。アメリカは日本とドイツに原爆を落としたかったそうですが、ヒットラーの自殺でドイツでは起きませんでした。そんなふうにして歴史を俯瞰してると、広島と長崎の不幸が軽んじられるような気がしてならないのは私だけでしょうか。人類が犯してはならない原爆の使用は、この映画を見ている限りは、当時のアメリカの大統領の心の中にサタンが居たとしか思えません。むしろオッペンハイマーは、原爆を開発する使命を帯びて、この世に生まれてきただけで、それを忠実に実行したにすぎないと私は思います。この宇宙には善も悪もありません。ただ川の流れのように、歴史はあるがままに進んでいきます。誰もそれを阻止することができないものかもしれません。ただ、3次元の世界では、物理学300年の歴史が核兵器を誕生させたというのが否定できない事実なのです。それを担ったオッペンハイマーは幸せだったのか不幸だったのか。そのことを一人ひとりに考えることを促す名作だと思います。そして付け加えれば、日本の立場から描かれる原爆を描いた映画の上梓を切に望みたい。

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三輪

3.5もっと分かりやすく、短くはならなかったのか

2024年4月1日
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原爆開発の中心となったオッペンハイマーの物語。
重層的に描きたかったのは分かるけど、あまりにも多い登場人物とその会話劇、背景の分からぬ査問会シーンなど、とにかく疲れた。
焦点をいくつかに絞れば、もっと分かりやすく、心を打つ映画になったと思うのだが。
これがアカデミー賞かと思うと、複雑。

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ファランドル

3.0予備知識を蓄えてから見に行こう

2024年4月1日
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幸せ

不思議な映画でした。正直にいうと、あんまり響いてこなかったです。
退屈はしなかったし面白くないとは微塵も思わないし、むしろとてもスリリングで長尺も感じることなく、やや前のめりで観られたのですがノーラン映画特有の時間軸の入り乱れ方が正直不要なものに思えました。
演出もあまりにも大仰すぎてオッペンハイマーに感情移入できる映画にはなっておらず、もっと客観的に社会的な出来事と、自分がやるべき仕事と、自分の周辺の人間関係をどういう意図で選び、進んでいったのか、その原動力やその根底にある思考をもっと知りたかったし、理解したかったです。
原爆描写うんぬんとは全く違うポイントで、ここ数作のノーラン映画に気持ちが乗らない自分を感じています。

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ちょんまげ

4.0時系列の操作など、ノーラン的映画手法に満ちていることを理解したうえで鑑賞したい一作

2024年4月1日
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原爆開発の中心人物として著名なロバート・オッペンハイマーの、原爆開発前後の動向を描いた作品です。

しかしクリストファー・ノーラン監督は、もちろん本作を典型的な伝記映画の枠組みにはめ込むようなことはしていません。本作においてノーラン監督は、オッペンハイマーの人生を様々な時点で分断し、つなぎなおしています。時系列が前後し、カラーとモノクロームの映像が錯綜する物語は、たとえオッペンハイマーの経歴を予習していても、把握することは極めて困難でしょう。「オッペンハイマーの伝記映画」あるいは「原爆開発の過程を追ったドキュメンタリー的な作品」を期待してしまうと、確実に混乱してしまうことになります。つまり本作は、まぎれもなくノーラン監督作品、さらにいうなら彼の作品群の現時点での集大成です。

本作が原爆(核兵器)についてどのように認識しているのか、非常に気になるところですが、作中では軍や政府の決定をやや批判的に描いているものの、核兵器の功罪について明確は立ち位置は示しておらず、広島、長崎の被害についても踏み込んだ描写は避けています。

未だ原爆投下について世論が割れている米国社会の現状を踏まえるとやむを得ないとも言えますが、オッペンハイマーが原爆投下の状況を幻視した際の一人の女性の表情、そしてその役を演じているのが誰なのかを踏まえると、ノーラン監督のメッセージは自ずから明らかとなるでしょう。ロスアラモスの「あの瞬間」もまさに圧倒的な迫力ですが、終盤のオッペンハイマーの幻視もまた、よく注意して観てほしい場面です!

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yui

5.0ただの伝記映画でなく、観客のリアリティを突き崩す紛れもないノーラン映画

2024年4月1日
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怖い

興奮

知的

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nanao

4.0アメリカ映画&ノーラン監督は一度観ただけじゃ全部は分からない

2024年4月1日
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知的

難しい

寝られる

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The

4.03時間みっちり台詞の雨嵐

2024年4月1日
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悲しい

難しい

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映画鑑賞初級

4.0集中力が途切れてしまった

2024年4月1日
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ビターな青春物語→原爆開発ミッション→法廷サスペンスに変化するなか、複数の時制と登場人物の多さについていけないうえに、尿意も重なり、途中で集中力が途切れてしまった。
手塚治虫先生に通じる重厚なテーマだったのでもう一度チャレンジしたい(無理かも)

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チリちこり

4.0これほどまでの質で作品を作り上げたことには称賛、納得

2024年4月1日
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悲しい

興奮

難しい

正直、めっちゃ難しかったです。それは中身が難解とかいうよりも、構成があまりにも入り組んでいて、しかもそれが長い・・・前半は我慢がかなり必要でした。表現も過剰に感じるし、劇的演出もかなり感じるので、伝記ものと捉えて鑑賞すると違和感を覚えるかも─。ただ、後半の怒濤の展開で、劇映画としての面白さを存分に堪能できました。ただでさえ質が良いのに、それがまたさらに上をいっているという画質と音響、プラス演者のパフォーンマンスは言うまでもなく─。ロバート・ダウニージュニアがネットニュースになってしまうほどの名演を存分に楽しめたし、キリアンー・マーフィーから脇の面々含めすべての演技もまた画質や音響に負けないくらい強烈でした。
空高く伸びる炎には悲しみしかありませんでしたが、核兵器どうこうとか原爆の父がどうこうとかというか、そういった方向性は意外と抑えられていた印象です。確かに、礼賛や苦悩といったことは描かれていたものに近かったんだろうし、決して手放しでアメリカンパワーを肯定しているわけではありませんでしたけど、核とか原爆への焦点をうまい具合に別の方向へと変えられていたように思います。それが良いかどうかよく分かりませんが、自分はそのおかげでこの作品が見やすくなっていたと感じました。
長いから嫌だなぁと思っていたのですが、意外と一気に見切ったという印象です。

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SH

3.0オッペンハイマー核を作った男

2024年4月1日
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いままで核を誰が作ったのか
知りたいとも思わなかった
が…
今回この作品で
核を作る経緯そしてその人物を
知ることが出来た
大いに脚色されていると思うけど。
全体的に公聴会でのやり取りで
回想を交えての会話劇の様

この作品の中で核実験で爆発と数秒間
遅れて爆発の音、爆音が鳴り響いたとき
は痛かったですね
“痛さ“を感じました
その時のアメリカの人たちの
お祭りのような歓喜あふれる
情景が辛かったですね
原爆で皮膚が剥がれていく
様子と人が焼き焦がれ
足に黒い物体がまとわりつく
オッペンハイマーが想像する
核の怖さの表現はよかったと思います
最後にアインシュタインと会話した
言葉が印象的です
作りたくて作った原子核
戦争で兵器として使用され
…産みの親として
思い悩み苦しむ様は計り知れない
吹替えがなく字幕で観ましたが
聴聞会の詳細が分からない

…核を作った男
オッペンハイマーに焦点をあてた作品
観てよかった
吹替えがでたら…もう一度。
と思ってますが

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しろくろぱんだ

3.5制作者の想いのごく僅かしか受け止められなかった

2024年4月1日
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物理学者としての探究心、国家間の覇権争い、相容れないものが無理やり結び付くのが戦争なのでしょうか。
ワタシは原爆開発に至るまでの経緯より、終戦後の冷戦や赤狩りといった政争に巻き込まれてからの展開の方が興味深かったです。
ただ、全体を通じてオッペンハイマーの苦悩は伺いしれたのですが、周りの人物が多すぎて、誰が誰やら、その誰それはどっち側の人間なんだ?が理解できず、相関図が出来上がらずもやもやしているうちにおいてけぼりをくらったようで、なんだか消化不良でした。
ノーマルスクリーンでしたが地響きするような音!IMAXだったら凄かったのでしょうね。

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ニコラス

4.0開発者の責任は?

2024年4月1日
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学術的に有意義な成果が戦争の絶対的な兵器と成る事への開発者の責任はどこまて有るのか?
開発者とその兵器使用の権限者とそれぞれ、大きな責任がある。
アメリカが広島、長崎に使った原爆は世界大戦の早期終結の為に使用で多くの戦死を産まない為に正当化されて居る。
表面的なご都合主義の正当化は良く無いと思う。
2発の原発で亡くなった方々は民間人であり、その数は大きな誤算があったと思う。
オッペンハイマー氏の水爆開発否定の行動は、人間として当たり前の行動であったと思うし、ここで使用を止める事が出来なければ人類を含む多くの生物は死滅し、地球環境が大きく変化し、地球破滅へ進むしか無い事が判明して居る。
人類による地球の破壊は神に許される事であろうか?
人間世界の不条理を見直す事で、これ以上の生物の死滅を避けて欲しいものである。
つくづくこの想いが浮かんで来た。

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kentenpura

5.0文句なし!緻密さが際立っていた作品

2024年4月1日
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悲しい

知的

難しい

文句なし!緻密なストーリー構成とこの伝記を映画作品にするノーラン監督の熱意をスクリーンから感じた。
広島、長崎の原爆被害者記述は某国営放送の番組でのノーラン監督インタビューやオッペンハイマー特集でも原爆被害者を描いていないと某国営放送アナウンサーの質問もあったが、これはネタバレになるので詳細は省くが、これは作品のあるシーンで上手く対比している。ここもノーラン監督の緻密さが見事。
この作品のポイントをまとめてみる。
1.観客に問いかける映画
上映が終わった後ふと思ったが、TAR、福田村事件を観た時も感じたが、観客に監督から問いかけられた気がしてならない。
2.俳優の演技は文句なし!
オッペンハイマーで一番評価したいのは出演俳優。キリアン・マーフィーやロバートダウニーJRら出演俳優の演技が素晴らしかった。アカデミー賞で出演男優、助演俳優賞も納得した。
3.1人称で通したのも素晴らしい
もう一つ評価したいのは1人称。ノーラン監督のインタビュー記事を見て知ったが、なるほどと感じた。これも評価したい。
4.時間軸をいじるのは健在
時間軸をいじるのはノーラン監督の十八番だが、今回もさすがと唸らされた。
確かに原爆への言及はあるが、それ以上に戦後アメリカの赤狩り騒動がここまで凄がったのも印象に残った。
アカデミー賞作品賞を含め七部門受賞も゙納得できる。
見事すぎる伝記作品だった。
オッペンハイマーはある程度調べておくといいが、観る当日は色々感情もあると思います。しかし、一旦忘れた方がいい作品です。見事。

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ナベウーロンティー

4.0政治的に無垢なピエロ的悲喜劇 -- 歴史的知識抜きに理解するのは難しい

2024年4月1日
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悲しい

知的

 Robert Oppenheimerの個人に焦点をあてており、興味深かった。
ただし、個人的な描写で欠けていると思う点は3つあります。
1 自分より才能が劣った人間を見下し軽蔑する横柄な人柄であったこと。
( 弟Frankの証言) ストローズに『卑しい』仕事と発言したことでのみ描いている。
2 第1級の業績を上げられずノーベル賞に届かないため、劣等感を抱えていたこと。 その代わりとして原爆開発に邁進する俗物的野心家の面があまり描かれていない。
3 原爆完成後、『権力中枢に接近し、悦に入っていた』側面が描かれていない。 (A. Pais "Subtle Is the Lord"など周辺の物理学者の証言)

 核開発、核戦略、冷戦、赤狩り、国家と科学者、軍産複合体など多くの側面がある。科学者も多様で、ナチスが降伏したので核開発は無用とラスアラモスから去った物理学者Joseph Rotblatがいた。他方京都への原爆投下を強硬に主張するNeumannなどもいた。

 最後に、『原爆が戦争の終結を早めた、戦死者を少なくした。』という言説について。
議会の承認なく秘密裏に原爆開発をしていた(副大統領のトルーマンにすら知らせれていなかった)ため、もし原爆を使わなければ何のための膨大な予算執行かと政府の命取りになるだろう。(開発費用は日本の国家予算を上回っていた。)それゆえ、そもそも原爆を使用しない選択肢はなかった。しかし、投下後予想されるアメリカ国民からの道義的責任追及から逃れるための方便こそ、『原爆が戦争の終結を早めた、戦死者を少なくした。』という理由づけであった。後付けの方便が真実のように独り歩きし定着してしまったのである。アメリカ軍部内には、陸軍・海軍の貢献を原爆によって横取りされてたまるかという反対論もあった。
いっぽう、日本政府・軍部は、1945年4月頃から、ソ連を通じて終戦交渉を模索していた。分割占領を主張していたソ連を通じて外交交渉を行うなどインテリジェンスや外交は完全に破綻しており無能であった。天皇制護持にこだわり続け、ぐずぐずの終戦交渉も原爆投下の一因であった。

 蛇足ついでに、物理学者が核開発後に核戦略など政治に口をだすと手ひどいしっぺ返しを食らうのは、アメリカに限ったことではない。ソ連の水素爆弾開発の主要人物サハロフしかり。核政策に反対した結果、国内流刑、科学者仲間からの無視と疎外、家族への差別的取り扱い。これらは、『サハロフ自伝(回想録)』に詳しい。

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QuantumGR

4.0プロメテウス自身が開けたパンドラの箱

2024年4月1日
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知的

難しい

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かぼ

4.0ノーランが描く、原爆を見たかった。

2024年4月1日
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いまいち、乗れなかったのか、尻が痛くなりました。
愛人のヌードには、白けてしまいました。
IMAX鑑賞。

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おさむ

1.0全てくその言い訳

2024年4月1日
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核で人に対し科学実験しただけ。

核保有しても人様に打ったら負け。

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かな

2.53時間は苦痛

2024年4月1日
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アカデミー賞の主演男優賞や助演男優賞を取るだけのことはあって、役者の皆さん演技は良かったです。

ただ、ストーリーについてはオッペンハイマーや量子力学に関する知識がある程度ないと置いてきぼりを食らいます。また、白黒になったりカラーになったり時系列が分かり難く、正直言って私はついて行けませんでした。

さらに、作品の大半を会話劇が占めるため、映像を楽しむようなシーンは少なく、内容がチンプンカンプンな私には3時間が苦痛でした。

質の高い作品だとは思いますが、もう少し観客に分かりやすく作って欲しかったです。

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alias

4.02つの意味で難解な映画

2024年4月1日
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2024年劇場鑑賞77本目。
原爆を扱っているのに日本への配慮が足りないのではという理由でしばらく上映が見送られていた今作がいよいよ公開。おかげで地元のIMAX完成に間に合ったのは良かったかもしれません。
とにかく音がすごい。オッペンハイマーが落とされた原爆の事をイメージする時、映像より音の方が重要視されていて、それこそ劇場内が爆音に包まれて震える感覚を味わえます。
まず難しいなと思ったのがロバート・ダウニー・JR演じるストロースが主人公パートになるとモノクロになるのですが、そこの話が自分にはちょっと解らないところがあって、最初は分かってたけど途中から何の話だったっけ状態になってしまいました。

もう一つは日本人としてこの映画をどう受け止めたらいいのかが難しいと感じました。確かにこの映画からだと少しはセリフに出てきたものの、基本的にはただ威力がでかい爆弾としか説明されておらず、爆発て死ななくてもその後被爆で生き地獄を味わわされる事はほとんど触れられていないことです。即死ならいいって話じゃないんですが。いや〜ドイツなら落としていいけど日本はねぇ、という感じになったのは嬉しかったけど結局東京大空襲で10万死んでんだからそれより少ないし大丈夫でしょうの理屈はまじで頭おかしいからな。

オッペンハイマーが不遇な境遇に置かれる、という情報でてっきり大量虐殺の倫理的責任を自分でやっておいて人になすりつけられる話かと思ったら全然違う事で責めていて、ああ、原爆落とした事にはなんの後悔もしてないんだな、と思うと悲しくなりました。

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ガゾーサ