劇場公開日 2024年3月29日

「オッペンハイマーという一人の男を追いかける3時間」オッペンハイマー Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オッペンハイマーという一人の男を追いかける3時間

2024年4月7日
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鑑賞方法:映画館

日本国内でいろいろあり公開が先延ばしになっていた本作。ようやく公開されたため観賞したが、騒ぐほどのことではなかった。たしかに日本への原爆投下に関する部分は淡々としており、触れている部分は少ないが、実際の現場もきっとこんな感じで淡々と決めて、予定より少し遅れて投下され、開発陣はヤキモキしていた。という具合だったのだろう。寧ろそこが静かに、実に現実的に、より生々しく描かれており、戦争とは我々人民が思うよりも政治的なものであることが伝わってくるので、これは正解な描き方だと思う。
この映画の趣旨としては、3時間で如何にオッペンハイマーという人物を追いかけられるか、というところにあるため、仕事の一環として原爆を作った彼からすれば、試験の結果を待つ受験生くらいの描き方のほうが寧ろしっくりくる。
映像と音楽の使い方はさすがノーラン監督と言わざる得ないが、オッペンハイマーという男性をある程度知っている知識の下地がないとなかなか退屈なのではないだろうか?そして3時間はやはり長い。長いがそれでもやはり一人の男を描くには短すぎる。
難しい作品だが、観賞の価値は十分ある。

Ko Fu
Mさんのコメント
2024年4月11日

「戦争とは・・・思うよりも政治的」まさにそうですね。

M