「※これは伝記映画です!」オッペンハイマー Duchampさんの映画レビュー(感想・評価)
※これは伝記映画です!
参った〜、これは予習必須の伝記映画だ!
全く知識の無かった量子力学のさわりだけ摘んでから劇場に!
(シュレディンガー方程式とか核分裂の原理とか、彼の周辺の物理学者の専攻とか)
実際は、第二幕までは特に知識がなくても、科学者伝記映画として普通に観れる気がする。
原爆投下が映画のクライマックスだと思っていたが、
実際はそこまでが第二幕とは。。
問題は第三幕。
第三幕は、オッペンハイマーの聴聞会がメインで、これがまあ長い!
彼が共産主義者で戦中から目をつけられていた事や、戦後の赤狩りが重要な背景になっている。
何故彼が聴聞会にかけられているのか?ストローズが何をした人物なのか?最低限の知識がないと追いかけるのがきつい。
(自分は戦後の流れを全く知らなかったアホなので案の定???となる。)
厄介なことに、ノーランお得意の時系列の入れ替えが激しく、冒頭が聴聞会のシーンで始まる。
(正直あまり効果的と思わなかったし、これでアカデミー編集賞なのか?)
アインシュタインとの会話をラストにしたいのは理解できたし、むしろあれでいいと思ったが、他はちょっとやりすぎか。
あと、九割会話劇のこの映画で、ずーっと低音のBGMがズンズン鳴ってるのが気になった。
TENETは音楽が演出でプラスになってると思ったが、今回は残念。
映画の見せ方には結構文句を書いたが、
無条件に原爆に賛同していないこの映画がアメリカで作られ評価されたのはとても意義があると思う。
PJ内部で原爆投下に反対する科学者の動きがあった事や、彼自身の水爆反対へのスタンス変化等、後半は全く一様に観れない映画だった。
鑑賞後は、この映画をどう捉えればいいのか頭を抱えてしまった。
彼の周辺人物や聴聞会のことを調べてからもう一度観た方が良さそう。
数日経って追記↓
これを戦争映画として捉えてしまうと、結構モヤモヤすると思う。
原爆と被害の直接描写がない、という文句がまさにその類だ。
別に『核戦争後の未来・スレッズ』や『はだしのゲン』をやれとは言わないが、
例えば彼が目を背けても被害写真だけ映すとかしてもいいのでは?
あの皮膚ペロペロと炭だけでは流石にえっ?て思う。
あくまで伝記映画であり、マンハッタン計画は彼の人生の一部。
赤狩りとオッペンハイマー事件を軸として映画として観た方がスッと入るかもしれない。
そう考えた時に、ストローズが彼を恨み復讐する流れは、無理に時系列操作せず、ある程度流れをまとめた方が理解できる気がする。
(ストローズ視点はモノクロになる親切設計だが、もう1人の主役として彼の人物像が入ってくるかは別問題かな)
みかずきさん
フォローありがとうございます。
一人称視点だから日本の視点は入れません、は理屈としては分かりますけど、もう少し何か見せ方はある気はしますね。
フォローありがとうございます
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私、10年前からキネマ旬報、kinenote、Yahoo検索などに映画レビューを投稿しています。現在の目標は二回目のキネマ旬報採用です。
こちらのサイトには2022年2月に登録しました。
宜しくお願いします。
本作、原爆の実像を捉えるには、原爆を作った者、原爆を使った国、そして原爆で被爆した国の視点が必要だと思います。
被爆国である日本の視点がなかったのは残念でした。
ー以上ー
皮膚の表現は、???という感じでしたね。実態を知らなかったのか、それともアメリカ人にもこの映画を受け入れてもらうためなのか。
炭を踏み潰すシーンは結構なかなかショッキングでした。