「長すぎた。三時間も見たが、私の疑問はここで解決されなかった。」オッペンハイマー Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
長すぎた。三時間も見たが、私の疑問はここで解決されなかった。
最初の一時間ぐらい、この映画に引き込まれていかなかった。理由は「オッピー」(ロバート・オッペンハイマーキリアン・マーフィー)の性格。エゴの塊で,神経質で、不安定で、ドラマの主人公気取りの好事家で、女たらし.....との評判らしい。こういう人間の行動は疲れる。
でも、まだ私の知りたいところまでいかないので見続けたが.............私の知りたいことはロスアラモスでの核実験の後( Trinity Test on 16 July 1945) 、この土地に住んでいた先住民たちがどうなったかと言うことだ。それをどう表しているか知りたかった。人間が住んでいない砂漠で実験しいたわけでなく先住民やラテン系の住民が住んでいたわけで、その当時、オッピーにそこまで考えられる余裕があったかどうかを知りたかった。
映画ではトルーマンからの質問で、これからどうするかと聞かれ、『Give it Back to the Indians』と答えているだけだ。広島長崎の被害の結果は数字だけだし、先住民たちがどれだけ苦しんだかは本人も知らないのかもしれない?
トルーマンはオッピーのことを 『Crybaby (オッピー)はここに戻ってくるな』と言っている。オッピーはトルーマンにこの原爆はこれから核の競争になると。そして、核兵器管理機関の創設を提案すると。トルーマンはソ連の力に疎いね。そして、ソ連の脅威を考えてるなら、なぜ、ロスアラモスを閉じると。オッピーが自分の手に血がついている感じがするって。そしたら、白いハンカチをオッピーに差しだす。広島や長崎の被害者を考えてるんだろうとトルーマン。トルーマンが原爆は私が落とした。オッピーは責任を感じる必要はないと言ったとき、Crybaby.....を使った。トルーマンの言い方に疑問があるから、あとで調べてみる。
それに、原爆を開発中からオッピーが精神的に参ってきているのがわかる。自分のやっていることに科学者として、誇りを持っているが、結果的に大量殺人をしていくとわかったわけだから、精神的に苦しむのは無理はない。この心の葛藤が統合失調症の幻覚疑似のように現れてくる。
マンハッタンプロジェクトに関わった科学者、軍隊、その家族,子孫、近隣のラテン系住民、先住民には被曝・内部被曝の問題は当時すぐ話題にされず、その後は、後遺症となって現れたのかも知れない。ニューメキシコ州ロスアラモス、広島、長崎、の一般市民には何一つ警告を与えず、実験が内部秘密で実行されたわけだから。
私は先住民が謝罪、後遺症の補償問題についてまだ戦っている読んだことがある。
The Atomic Bomb’s First Victims Were in New Mexico People who lived near Trinity and other nuclear test sites began to identify themselves as “downwinders,” and made connections between their communities’ health problems and the government’s nuclear tests. In 1990, the United States passed the Radiation Exposure Compensation Act to provide money to some downwinders of the Nevada test site near Las Vegas. However, the act doesn’t provide any compensation or apology to the downwinders of the Trinity test site.--History classic より抜粋した。
日本に落とした原爆は『The world remember this day』とオッピーが演説した通りになった。その演説の時は広島長崎の被害者の苦しみはまだわかっていなかった。そして、ドイツで使えればよかったって。ほとんどの科学者はナチからの迫害の結果、リクルートされたユダヤ人だからね。
三時間という長すぎるバイオピック映画になっている。私の気になった箇所を書き留める。
まず:ナチス・ドイツより先に原爆を完成させる必要があり、ドイツへ落とすための原爆が真珠湾攻撃の結果とヒットラーの死により、シフトが日本に。それから、原爆プロジェクトを米軍と科学者との一体化に。科学者でアドミにも強いレスリー・グロース将軍がマンハッタン・エンジニアのリーダーに。ヒットラーは死んで、原爆は必要なくなったというが、日本にとオッピーが言っている。レスリーグロース将軍(マット・デイモン)は力のある人で、人を見抜く才能を持っているし、動きがはやい。1942年10月カルフォルニア州バークレー大学でオッペンハイマー(オッピー)にあった時も、グロースの原爆のプロジェクトのチームの一人として、オッピーのことを考えて引き抜いている。そして、ハンバーガー屋は経営できないと。共産主義のきらいがあるが、可能性を含めて、オッピーを即座に選んだ。しかし、公聴会でレスリーグロース将軍は核兵器技術など機密情報の漏洩を疑われたオッピーにオッピーを選んだことは一番賢い決断だったと言って外に出る。? 本人も妻のキティも実弟のフランクもアメリカの共産党員だったことなども介して公職追放される。赤狩りの初めの時代だから、罪があってもなくても共産党とみなされ、弾糾された時代だからね。難しいねえ!
次に:それに、レスリーグロース将軍の一言一言がアメリカの決定に大きな力を与えた。例えば、原子爆弾の落とし方やどこに落とすか国務長官ヘンリー・スティムソンの事務所で決める時、レスリー・グロースは。。。。と言って、オッピーに口を挟ませない。彼の発言が重要な決定権を持っている。開発した科学者オッピー以上に軍の力の大きさに私は衝撃を受けた。
最後に:当時の国務長官ヘンリー・スティムソンはアメリカ国民の抗議が出るのを心配しているようだ。
それに、大方、日本の一般市民の命を救いたいという考えのようだ。しかし、レスリー・グロースの一言が大きかったようだ。
1。原爆のパワーを日本に見せよ。
2。日本が降伏するまで原爆を落とし続けよ。
国務長官ヘンリー・スティムソンはどこに落とすかを決めるとき、京都を十二のリストから抜いて十一にした。理由は日本人にとって京都は大切なところだからだと。それに、妻とのハネムーンで行ったところだと。
顰蹙をかうかも知れないが、妻との.....それには笑っちゃった。
これで書くのをやめる。
『American Prometheus』by Kai Bird+Martin J. Sherwin をノーランが脚本にしていると書いてあった。このストーリーはギリシャ神話のように作ったね。
三時間は長くて長くて、やめてくれと途中で叫びたくなった。ロバート・オッペンハイマーのバイオグラフィーでもYouTubeで見た方が良かったかもと思ったりした。
映画の中で、「この後は先住民に土地を返す」というような会話が出てきて、当時は核汚染のことは気付かれていなかったんだなあと思いました。
原爆をどこに落とすかの会話では、落とす側はその程度の理由で場所を決定するのかもしれないという恐怖を感じました。