悪い子バビーのレビュー・感想・評価
全22件中、1~20件目を表示
衝撃的すぎてあっという間の2時間!
冒頭からとにかく衝撃的!
35年間に渡り息子を監禁する母親。その関係性にまずは唖然とします。
バビーは教育を受けていないので、35歳の子どもそのもの。
かろうじて言葉は喋れるけれど、漸く外の世界を見ても、
人を模倣することから学びを得ていくのです。
生命の尊さ、愛情、純粋ゆえのコミュニケーション能力、音楽の才能への目覚め、
宗教観、など。いろんなことを学び成長していくバビー。
そのバビーが幸せそうなエンディングは観ていて救われる気持ちになりました、
きっと本作は30年前だからこそ出来た作品であり、今だと絶対出来なかったと思います。
30年後の今、本作を劇場で鑑賞できたことに感謝するとともに、
大変うれしく思いました。
観れるチャンスがあれば、是非とも劇場で鑑賞いただきたい作品です。
地獄からの脱出で幸せを掴むサクセスストーリー
個人的には漫画リクドウの第一話を彷彿させてしまう内容で、戸籍がない故に教育も受けられず、良くも悪くも親の影響を受けすぎたがために、母親からの呪縛からは逃れなかったという印象。
後半部分がやや詰め込みすぎ
最初に連想したのは韓国映画「オールドボーイ」
縁もゆかりもない2本だけど監禁とそこからの脱出から始まるところはもちろん、劇画っぽい展開というか顔のアップが劇画の大コマみたいに多用されるとこととか平面処理の感じがよく似ている。「オールドボーイ」と異なり原作が日本の劇画であるはずはないが。
ただ「オールドボーイ」が最後までエキセントリックな犯人探しと復讐に貫かれているのと違い、バビーは陰鬱に混乱しながら他人の都合に巻き込まれていく。途中までは手を差し伸べる人が現れてもすぐ捨てられる繰り返しとなり行き先は見えてこない。ついには留置場でオカマを掘られ放り出され元の家に戻って途方に暮れることになる。ここまでの負の疾走感?がとても面白い。
物語はここから身体障害者施設とライブハウスの2つで才能を示した彼が、伴侶も得て、居場所を見つけていく流れになる。ただ身体障害者とのコミュニケーションや、毒親との付き合い方、ルッキズム、果ては神の存在に至るまで、バビーの視点による問題提起は多岐にわたりいささか詰め込みすぎの感は否めない。
レビューでは前半より後半を評価する人が多かったが自分はむしろ前半の方が面白かったな。
話は変わるけどこの映画を観た横浜のジャックアンドベティ。コロナの影響もあるけど設備の老朽化に加えて漏水事故なんかもあって継続営業ができないというところまで追い詰められているらしい。日劇横浜の流れを汲む老舗の映画館でもあるし横浜では数少ない良心的なミニシアターだと思うので応援してやってほしい。クラウドファンディングやっているので検索してください。
超グロ系映画から成長物語に昇華する傑作
1993年に制作されたオーストラリア映画だそうですが、日本では過去にVHSビデオのみ発売されていた作品だったそうです。言ってみれば、日本ではこれまで陽の目を見なかった映画なのですが、今回ようやく劇場公開されることになりました。
それにしても、実に凄い作品でした。
序盤は観客の嫌悪感情を逆撫でするシーンの連続で、母子の近親相姦に糞尿、ゴキブリ、動物虐待と、流石に私もゾッとしました。要は傲慢な母親が、35歳にもなる息子を手元に置いておくために、息子を自宅に監禁し続けたことが根本的な問題で、究極の親ガチャの話でした。そういう設定だと、現実にもある児童虐待とか、そうした環境を醸成してしまう社会に対する批判を込めた作品になるかと思いきや、本作の凄いところは、35年間家から一歩も外出せず、社会に触れずに育った主人公・バビーが、何十年間も姿を消していた母親の夫が突然戻ってきたことをきっかけに社会に一人で放り出され、成長していくという感動の物語に仕上げていたところ。
まあ単純な感動という訳ではありませんでしたが、バビーには実は歌の才能、しかも即興で歌詞を作ってしまう才能があったとか、言語障害のある障碍者の言葉を理解してしまう能力があったとか、そうした奇想天外な展開も、35年間の監禁生活が生んだものなんじゃないかと思えて来るほど、不思議な魅力に溢れた物語でした。特に売れないバンドに拾って貰ってライブハウスで歌うシーンは本作の見せ場であり、原題のままの「Bad Boy Bubby」という劇中曲などは、思わず口ずさみたくなるようなテンポの良さで、序盤の陰鬱とした気分は完全に吹き飛んでしまいました。
最終的に、母親のに似た巨乳の女性・エンジェルと結婚し、子供を授かるバビー。普通なら「大丈夫?」と思うところですが、それまでにきちんと伏線が貼られていて、それを回収する形でしたので、安心して観ていられる展開になっていたのも感心しました。
そんな訳で、評価は★4.5とします。
"CAT WAS DEAD"
最近だと『ザ・バニシング-消失-』から『ヘンリー』など『アングスト/不安』や『クリーン、シェーブン』の流れのようで本作がシネマート新宿公開ではないにしろ、これの仄々ヴァージョンが『ブリグズビー・ベア』だったり救いは皆無の『ルーム』が続く先でもある感が、序盤は見るに堪えない場面の連続で嫌悪感が凄まじく、最後は苦し紛れの言い訳にしか取れないどう見ても"動物愛護団体が手錠をじゃらじゃら揺らしながら"の刑は否めない!?
ステージに立つバビーの姿が狂気じみて直立不動の姿がニック・ケイヴに映る佇まい、綺麗なものだけを見ていたい人間の願望が醜いようで、悪趣味に思える監督の見たくないものを観せる攻めた姿勢とバッドエンドからは程遠い結末が心地良くも何か引っ掛かるモヤモヤした気分に。
常識が身につくほどに自分を苦しめてしまう末路があるようで、幸せを噛み締めながら犯した罪から逃れる、脱れる、バビーはいつまでも悪い子ではいられない。
悪い子、良い子、宗教、環境問題etc
とにかく詰め込むだけ詰め込まれた映画
よくこの上映時間で収まったと感嘆
破綻はせずとても順序よく進む
前情報は無ければ無いほうがいい
良い子、悪い子の概念とは
なぜ神は虐殺し救いを与えないのか
同じ神を信仰してるのになぜ対立するのか
なぜ宗教を理由にして責任を逃れるのか
なぜ外出してはダメなのか
なぜ太っているのか
ありとあらゆる疑問をぶつけられる
あとジャンルが豊富な音楽を楽しめる
何が幸せなのか、何が不幸なのか
ここまでストレートにぶつける映画は無い
なぜリアルタイムで上映しなかったのか
無修正でいいのだろうか
ビックリしてしまったがモザイクは似合わない映画か
映画館でなければ観れない映画
次の上映は30年後かもしれない
はじめから外が向いていない人などいない
35年間外に出たことがなかったバビー。何事も生まれ持った物では無く、育った環境によって大きく変わるものだと考えさせられた。
外に出てからのストーリーの流れは少しわらしべ長者の様な物を感じた。
映画は創作。現実との境界線をはっきり持って見れば、ショッキングな場...
映画は創作。現実との境界線をはっきり持って見れば、ショッキングな場面も苦痛ではない。
人間の産業活動の結果、行き着いた果てで⚫︎処分されている動物たちが今現在の日本にいるという現実を考えれば、映画で見せられてる描写は単なる創作で、現実はもっと酷いということを認識させられる。
もちろん映画制作において動物を傷付けることは一切していないらしい。映画は創作だが、観るものは感情を揺さぶれる。
「人はどのようにアイデンティティを確立するか」
というのがこの映画の一つのテーマに感じられた。
それを確立するまでに、さまざまな障壁や束縛があるということも描かれている。その障壁や束縛は人によって”親”であったり、更にその”親”を束縛しているのは「宗教」であるのかも。
その中で色々な人と関わり、色々な人の思想の一部に影響を受けることで、ようやく自分の個性がシルエットとして現れてくるようだ。他人の真似事から始まり、やがて唯一無二の表現方法を得ることでアイデンティティを確立するのだ。ここまできて人間は初めて真に自立して大人(パパ、ママ)になることができる。
聖歌、バイオリン、バグパイプ、オルガン、ロック
バビーはおっぱい星人
イギリスの映画かなと思ったら、オーストラリアだった。
この手の内容の物としてはかなり良い出来だと思う。
90年代の映画で動物虐待シーンが有るから今だとなかなか上映、放送されずらいだろうなと予想する。結構私は重要なシーンだと思うので残念な事である。
エンドタイトルにとって付けたようにいつもの一文が出るが、低予算なのに作り物出にしては出来がよい、、など怪しげであるが、、まあ時代なので仕方ない。
そういうの嫌いな人は内容以前で嫌いになるから見ないように。
安易な成り上がりサクセス、ハッピーなストーリーにせず、近親相姦、動物虐待、障害者、色々エグいシーンも避けずに描き切る事でバビーの純粋さや学び、葛藤をくっきりさせている事に成功してる事の方を私は評価したい。
役者達も素晴らしい。
志村けんに会える作品
バビーが志村けんの博士コントにしか見えず😂面白いんだけどなんとなくコントの域を出ていないというか💦💦💦
ま、それはさておき。
“教育”とか“知ってること”が如何に重要かがわかる作品。それと“他人と関わることで如何に人は学ぶことがあるのか”ということも思い知らされる。両親はもちろん、自分の人生にどんな形であれ関わってくれた全ての人に感謝だゎ。そのおかげで今のあたしがあるんだから❤ ❤ ❤
どんな母親であれ、男の子はお母さんが好きなのね😅
汚らしくて、醜くて、悪趣味で、低俗
猫を傷付ける虐待する描写が序盤にあり、序盤から嫌悪感MAX。
最初から終わりまで、猫の事が、ずーっと気になってて、気が気じゃなかった。
エンドロールの最後に、
本作を制作するに当たり、いかなる動物も一切傷付けていません。
と、やっとテロップが出てホッとしたけど、
僕みたいに感じる人は多数いるでしょう。
フェイクでも赦せない。
それに関係なく、内容も酷い…
ゴキ◯リ、垂れ流し、◯とのセッ◯ス…などなど。
とにかく、汚らしくて、醜くくて、悪趣味で、低俗で、最初から最後まで苦痛でした。
早く終われ早く終われ思いながら観たけど、かなり長く感じた。
最後が、ちょっとマジメだからって、
美しい、いい話、とは、なりません。
あまりにも酷すぎる(苦笑)
『食人族』と、この映画は大キライです。
マジ、最低な映画。
バビーは「ローマの休日」を「ローマの平日」にしました。そして死ぬまで幸せに暮らしました
最初の30分位、樋口毅宏(パンフレットでも文章寄せてます)の小説世界をグイグイ見せられているようでどうしようかと思った。樋口さんの小説は大好きだけれどあくまで文字だからOKなのであって、いきなり映像を突きつけられると、大変辛くて苦しい。逃げようかと思った。
バビーは35年たって逃げることに成功した。外の世界に出てありとあらゆる職業、立場、外見、年齢の人達と出会う。彼らの全てが不思議で新鮮で真似したくなるバビー。嫌な経験も漏れなくついてくるが、家の外に出られただけで興奮!自由!生まれて初めての体験ばかりなのだ。禿げて汚らしい格好だけど中身はバビーの「ローマの休日」!
バビーは結構ハンサムでいい顔してる。アップに十分耐える。ただ頭頂が薄いのだ。これがポイント!修道士!その修道士男バビーが何でも面白がってくれるロックバンド仲間とシャウト!かっこいい。
ことばもそうだけれど、バビーは姿形や趣味も繰り返す。牧師姿は胡散臭い父親から。ふくよかな女性が好きなのは母親がそうだから。女性の豊満体型のほめ方はママに言わせられたからと父親の真似。施設ではママのようにふくよかなエンジェルと出会う。エンジェルの親は娘の外見をこっぴどくけなす最低の人間。
子どもやハンディキャップのある人と心が通じるバビー。他人と出会い、バビーは路上で教会でライブハウスでベッドで飲み屋でたくさんの音楽に出会う。その音楽を耳にした時のバビーの心の揺れと感動はひしひしと私にも伝わってきた。
それにしても、30年前の映画とは思えない。親による子どもへの虐待オンパレード:家に閉じ込める、行動の自由と教育機会を奪う、暴力、近親相姦レイプ、不潔な家屋。一方で母親は息子の身体をシャワーで洗い、髭をそり、食事を与える。お母さんは仕事の為に外出していたのかなあ。一度息子を外に出したら絶対に帰ってこないという不安がママには大きかったのだろうか。夫がいつ帰ってきてもすぐに息子を見せてあげられるようにしたかったんだろうか。繭みたいに母子で固まってしまうのはよくない、というのは簡単だけれど、母親にとって何才になっても息子は可愛いのだろうし、ひどい仕打ち受けても母親から離れられなくなるのは共依存だろう。
「こりゃ、変だ!外へ!」とバビーが決断してよかった!きっかけは「父、帰る」。顔さえ知らないその男はバビーにとってはもはや他人だ。人間は親から受けたしつけや遺伝子など逃れられない部分も有るが、大人になるためには他人が必要だ。他者との出会いで人間は成長し成熟する。何でもかんでも親のせいにするのでなくて、一歩外へ!
全22件中、1~20件目を表示