「面白かったけど仏さんの首を蹴るのはさすがに不謹慎では?」身代わり忠臣蔵 福島健太さんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったけど仏さんの首を蹴るのはさすがに不謹慎では?
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江戸時代は家督を継ぐのは長男で、次男以下は寺へ入れられたりしていたというのは聞くけれど、家を出されたけれど寺の修行も抜け出してしまうろくでなしが、武士の社会なんかよりずっと人間味のある立派な人だったっていう、コメディで立ちションしたり花魁を買ったり下品なところも多いわりに、なかなかいい話だと思いました。
赤穂の主張は筋が通っている、兄が悪い、だけど幕府は幕府の沙汰に不服があるというのが威光に傷がつくと思っていて、不当な結果がまかり通っていて、それがどうにも許せない。
ろくでなしだと思われていた主人公が、身代わりとして自分が討ち取られて死ぬために大石に協力して、自分を殺しにくる討ち入りの支度金まで用意する。
えらいことです。
ただ、討ち取られた後の首を奪い合う場面で、いくらなんでも仏さんの首をボール代わりにラグビーして、しかも首を蹴ってパスしたりなんていうんだから不謹慎だと感じました。
実際に主君の首を取り返したい家臣と、仇の首を墓前に供えて仇討ちを報告したい赤穂浪士と、入り乱れての激しい首の争奪戦では、首も揉みくちゃでまともな扱いをされないだろうことはわかりますが、だからといってフィクションでどうにでも脚色できるのに、あえて首を蹴っ飛ばす神経は理解できませんでした。
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