劇場公開日 2024年2月9日

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「この時代より女性は賢く美しくそして強かなのが表現されていて良かった!」身代わり忠臣蔵 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この時代より女性は賢く美しくそして強かなのが表現されていて良かった!

2024年2月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

一般的に知られる忠臣蔵の討ち入りの話は史実(赤穂事件)を脚色した浄瑠璃や歌舞伎の演目のひとつってことですから、本作もその派生のひとつと考えたらよろしいですね。

癖の強い(笑)・・・でも実力派演者であるムロツヨシさん主演ということで、仮にこれが時代劇の役としてハマらない場合、かなり浮いた感じになったり、最悪ストーリーが崩壊したりする懸念さえありました。

しかし、蓋を開けたらギリギリの線を上手く綱渡りしつつ、時代考証にも一定の配慮をしつつ(??)、笑いを誘っていましたので演出、そしてなによりムロツヨシさんの演者としての実力が遺憾無く発揮され非常によかったと感じました。

また、江戸元禄時代、武家社会と言えば男性上位、女性は家に縛られ虐げられていた・・・みたいな悪いイメージありそうじゃないですか。

しかし、大石家の妻しかり吉原の遊女しかり・・・建前や表向きは主人や客を立てつつも、しっかり主導権(特に金銭面:笑)をとり男性社会を深く理解し、それでいて自身も強く美しく賢い生き方が出来ていて非常に立派だと思いました。踏まれてもいつか大輪の花を咲かせるだろう、川口春奈さん演じる桔梗はいうまでもありません。

最後は不覚にも、厚き友情に熱い涙があふれる良作!
予告編にある癖の強さに惑わされることなく、劇場に足を運ぶべきかと強く思います。

やまちょう