「立場は人を作る」身代わり忠臣蔵 マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
立場は人を作る
忠臣蔵
元禄14年3月14日(1701年4月21日)
江戸城殿中で浅野内匠頭が
吉良上野介を切りつけ
内匠頭は切腹
赤穂藩の浅野家はお家断絶
その後大石内蔵助筆頭に
赤穂浪士47人が
元禄15年12月14日(1703年1月30日)
吉良邸に討ち入り上野介の首を取り
主人の仇を討ち果たした「赤穂事件」
を人形浄瑠璃として脚色し
1748年に上演された演目
ポイントは「忠臣蔵」の意味
臣は忠義を尽くして当たり前
わざわざ忠が付く意味は?
「暗君に仕えるご苦労さんな内蔵助」
という意味なのである
武士の社会を庶民から皮肉った
タイトルとも言える
そんな今作
非常に面白かったです
ちょくちょく作られる一連の
高速参勤交代とかのネタ系時代劇映画
カリカチュアを効かせたコメディ
仕立てなのですが忠臣蔵は
最後は赤穂浪士全員死ぬ
という結末がありますから
どこか悲壮的なものの
5年前の「決算!忠臣蔵」も
そうでしたが笑わせるとこ
泣かせるとこの緩急が
付けやすい感じ
赤穂藩の事情はこれまで通りながら
吉良上野介が斬りつけられた後
その傷が原因で死んでしまったら?
というifを基に
長男上野介が家を継いだので
出家させられたが逃げ出して
放逐されていた瓜二つの次男・
孝証(たかあき)が吉良家継続のため
急遽身代わりになるというもの
そして孝証は放浪の中で
大石内蔵助に偶然出会って
親友のように意気投合しましたが
討ち入りに突き進んでいく大石と
浅野家も吉良家も疎んじ
江戸の離れに屋敷を移し
討ち入りを迎え撃てと
家老柳沢吉安に仕向けられます
職が無くなった
下級武士たちの生活の為
お家再興したい自分と
仇討ちをしたい赤穂浪士達で
板挟みになる内蔵助
上野介のパワハラに苦しめられて
きた吉良家の家臣たちに気づき
家族のように扱おうとする中で
討ち入りされて無駄な
犠牲者を出したくない孝証
それぞれの立場は
近いものであるところで
孝証が内蔵助に
正体と本心を明かしていく
展開はなかなか熱いものがあります
終盤の
死んでしまった上野介の
遺体の扱い方については
コメディととっていいのか
はたまた不謹慎かという議論は
あるかもしれませんが
まぁムロツヨシの一人二役
ですしいいんじゃないでしょうか
と解釈して撮ってると思います
最近観た北野武の「首」でも
思いっきり蹴とばしてますし
最近ほんと映画で首よく見るな(笑)
相変わらずのムロツヨシの
破天荒なアドリブも満載
パッとシリアスに切り替えたり
永山瑛太の大石内蔵助も良かった
上野介のパワハラに耐えすぎて
もはやマゾになってしまった
斉藤宮内を演じる林遣都も
こんなん笑うわという
感じで良かったです