「若松孝二監督を取り巻く青春群像劇!!」青春ジャック 止められるか、俺たちを2 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5若松孝二監督を取り巻く青春群像劇!!

2024年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

若松孝二の魅力に惹かれ、
映画の魅力に取り憑かれた若者たち。

ひとつは、
若松孝二が名古屋で作った映画館「シネマスコーレ」の事。
1983年に若松プロダクションが立ち上げたミニシアターで、
40年経た今も現役です。
支配人を頼まれた木全純治(東出昌大)が、途中から経営を
バトンタッチして、営業を続けている。
スクリーン一つ、座席数51のミニシアター。
今はアジア系の映画を主に上映しています。
ラストで木全さんの実物が見られます。
ほんわかしてます。

もう一つは、若松孝二に傾倒して「弟子になりたい・・・」
その一心で、見送りに行った名古屋新幹線駅で、飛び乗って
東京へ着いて行ってしまう、
【井上淳一、19歳】
井上淳一はこの映画の監督・脚本家ですよー。
この映画の半分は井上淳一の若松孝二にくっ付いて映画の世界を
不器用に泳いだ半生記でもあるのです。
【俺の視界に入るな!!】
何度、若松監督に怒鳴られたことでしょう。
ホントか?
嘘か?
井上君は自分に才能があまり無い・・・いつもそう言うし、
そう思っている

若松孝二のパワーとエネルギーをみていると、
非力を感じちゃうんだろうね!!
それでもやめられない、
《止められるか俺たちを!!》
映画が好きなんだもん。
映画館支配人として、でも、
受付のモギリのアルバイトとして、でも、
映画へ通う人として、でも。

今回の「侍タイムスリッパー」のムーブメントをみて感じたこと。
自主制作映画にも、凄く大きな可能性があること。
下積みの俳優の中には、なんと実力のある無名な役者が、
ひしめき合っていること。
映画が好きなんだ俺たちは!!

止められるなら、止めてみろ!!

若松孝二は、いつも応援していましたね、
映画好きの若者たちを。

琥珀糖