劇場公開日 2023年9月8日

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「船上のモンスター・ドラキュラ」ドラキュラ デメテル号最期の航海 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0船上のモンスター・ドラキュラ

2024年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

数多くの作品を世に送り出してきた、ゴシック・ホラーの名作・吸血鬼ドラキュラ。本作は、その原作となる『吸血鬼ドラキュラ』の小説の第7章を映画化。本作がこれまでと大きく違うのは、その舞台が、お馴染みのルーマニアの古城ではなく、ロンドンへ向かう『デメテル号』の船上ということ。

船上だけのシチュエーションというのは、大海の上で、どこにも逃げ場のない密室の恐怖に煽られる。そして、一人また一人と吸血鬼の餌食となっていく、ホラー映画の王道を行く展開によって、次は誰が狙われるのか、という疑心暗鬼が船員の中に渦巻いていく内容。

物語は、『デメテル号』がロンドンの海岸に難破するシーンから始まる。その船には、船員は誰も発見できず、幽霊船の様相を呈していた。そしてそこにあった航海日記を元にして、過去に遡って物語は展開していく。そこには、『デメテル号』の運ぶ荷物の中に、ドラゴンの紋章が入った謎の荷物が積み込まれ、その荷物の中から現れた、吸血鬼の巨大コウモリ・モンスターによる恐怖が綴られていた。

ホラー作品ではあるが、これまで観てきた、数奇な悲哀な運命を背負ったドラキュラ伯爵として描かれたダーク・ファンタジーな作品ではなく、完全にクリーチャー化した吸血鬼モンスターのドラキュラとして映し出されていた。全体的には、B級ホラーの域を脱しない内容だった。

bunmei21