劇場公開日 2023年9月8日

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「たとえあまり知られてないエピソードの映画化だとしても…」ドラキュラ デメテル号最期の航海 うにたん♪(何観ても文句書きそうな気分)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5たとえあまり知られてないエピソードの映画化だとしても…

2023年12月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

吸血鬼ドラキュラって言えば有名だけど、古きゆかしい作品のイメージしか知らない人の方が多いのではないだろうか?

自分のイメージでは古いお城の奥で昼は棺(中に所縁のある土地の土が寝床として必要)で眠り、眷族に露払いと贄を差し出させる。
高身長で痩身、夜会に来る貴族のような服装でマントの襟を立てている。
鏡に写らない
家の住人に招かれないとその家に家に入れない
人間を魅了できる
身体を霧にできる
コウモリになれる(空を飛べる)
血を吸われた人間は眷族となり奴隷になる
十字架を恐れ、聖水で火傷する
にんにくも嫌い
ライバルはヘルシング教授で彼らがお城へ退治に向かうといつも夜になってしまう
胸に木の杭で胸を打たれると絶命するはずだが、寝てるときに突き立て様とすると寸前に目を覚ます
日光で燃えて灰になる…。
大体はこんなイメージではないだろうか?

上記の自分のイメージが今作品で該当するのは吸血されると眷族になる事と眷族が日光で燃え尽きるので本人も多分燃える(夜しか活動しない様子から推測するに)
後半はコウモリのように両腕が羽になり空を飛べる

で、肝心の内容がネタバレしているタイトルからも分かる通り、謎の貨物を載せたデメテル号の乗組員達が毎夜襲われ、理由の解らぬまま頭数を減らしほぼ全滅してしまう。
まぁ冒頭から沈没した船のシーンなので仕方ないけど。
さらに謎の密航者アナを見つけてどうするのかと思ったら、輸血して治療するって、アナって餌がわりに一緒にされてたのにまだ吸われてなかったらしいけど、元気になったら船内をウロウロ、怪物が居るの分かってんだから説明できるだろ?村が全滅したとか知ってるのに言うこと言えよと。
夜しか襲ってこないと思ってるなら昼間に捜索しろよと思うのに、アナは見つけられても怪物が入っていそうな箱には手をつけない。
航海中にエサが足りないと困るって事でもう1人犠牲者が入ってたみたいだが劇中では出てこずじまいなんだけど、じゃあドラキュラを箱に入れて運ばせたのはどうやったんだよ?と思う。
出てきた時は明らかに弱ってる感のドラキュラをエサの女性たちと一緒に箱詰めにしたのは眷族になった奴らなのか?にしては荷物を持ってきた連中らしき奴らは日光の元に活動してたし、ドラキュラが「わしはイギリスに行くから準備しろ」とでも言うのだろうか?
なんかその辺がモヤモヤしてしまう。
そして超肝心、見所となる襲うシーンには目新しさはないのでドキドキしない。
空飛ぶシーンとかのCGも安っぽい…。
CGも血液が口から垂れる所も変にテカってて「ん?ん~」ってなる。

見た目がハゲで肌色の怪人こうもり男そのもの…顔は如何にもなクリーチャーだが何処かで似たような奴が多く、見慣れた雑魚の顔で印象に残らない。
ラスト前で本人の意図した意味の言葉を吐くがあまり知性のない餓えた獣にしか見えず、一匹だけのレア感が無い。
次回作があるとは思えないが、妄想的な引きでドラキュラが生きていて追いかける展開もあまり熱く感じなかった。

これを劇場で観ても「内容はわかってたからしゃあないな…」とぶつぶつ言いながら帰っただろうことは想像出来る。
ドラキュラネタと解っているのだから、肝心の怪物の襲撃シーンとかをもっと恐ろしくする工夫は出来なかったものか…と残念な気分になった。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)