「見果てぬ夢」宇宙探索編集部 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
見果てぬ夢
北京電影学院の大学院生だった監督が、90年代に人気を誇った実在のUFO雑誌『飛碟探索』(飛碟とはUFOのこと)をモデルに卒業制作として作った初長編で、脚本が学院教授や有名監督の目に止まりサポートを受けて製作がスタートしたとのこと。アジア各国の映画祭や映画賞で大きな注目を集め、中国全土で劇場公開されることになり大ヒットしたという。
実際、学生の卒業制作とは思えぬクオリティで驚く。ドキュメンタリー・タッチというかセミドキュメンタリーというかモキュメンタリーというかそんな感じの作風で作られていて、馬鹿みたいな夢を今でも信じて疑わずに追い続ける中年(というか初老というか)男の妄執が、おかしみの中にも何とも切なく物悲しくも愛おしい。そして最後は見事に感動に着地する。主演と女性編集者役はプロの有名俳優で演技も非常にしっかりしており、撮影や編集などの完成度も到底学生映画のレベルではない。いやぁ、面白かった。
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