火の鳥 エデンの花のレビュー・感想・評価
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古典名作漫画翻案
劇場版と、ディズニープラス配信版、両方観た
ラストシーンが違うだけで、そこに大きな驚きはない
原作漫画は、火の鳥望郷編で半世紀程前の作品
なので真新しさを求めてる人には不向きだろうね
どっかで観たシーンがあったとしてもこちらの方が原典としては先って事ですね
原作漫画からして何回も改稿があるので、今風にするなら思い切った改竄があってもいいのかもしれない
…が、映画.comの作品検索でも既に10本の火の鳥の映画タイトルが確認出来るので、これを本腰いれてやるならこの配信時代に、シリーズの最初から全部作り直せばいいのにとも思う
それと作品自体にある毒を抜くと色々スポイルされてしまうのでそこは何とかしてほしい
いっそ、考察研究動画も公式で出してほしい
直接描写の回避は妥当だけど、脚本を変えすぎるなら、原作ではなく翻案とすべきだからね
終映で観ることできた
最後の回ぎりぎりで観ることできた。原作未読。壮大な時系列で物語を楽しむことができた。ただ、当方誤解していて、皆さまのレビューを見て正せたのであるが、復活したあの人自体が火の鳥の化身なのかと見終わったあとも思い込んでいた。
「永遠の命」をテーマにした手塚治虫のライフワークが原作です。扱い難そうなエピソードをどう映像化するのか気になり、つい原作と比較してしまいました。
原作は、手塚治虫のライフワークともいえる作品です。
いくつかの雑誌を渡り歩いて連載してきたように記憶
しています・_・ (「COM」や「マンガ少年」)
過去にもOVAや劇場版、TVシリーズ等で何回か
アニメ化されてきました。
古いところでは「火の鳥 2772コスモゾーン」。
新しい所ではNHKのTVシリーズ。(…新しくない気が・_・;)
※一番記憶に残っているのは「鳳凰編」(OVA)かなぁ 。
◇
今回映画化された作品は「望郷編」ベースのお話。
若い一組の男女カップルが地球を逃れ、エデン17
という星に移住する所から始まります。
男の名は、ジョージ。 ※原作では漢字で”丈二”。・_・;
女の名は、ロミ。訳ありで地球に居られなくなり、
人が暮らすのには条件の悪い星を格安で買って出発します。
到着を喜ぶ二人でしたが、手持ちの水はおよそ1年分。
その間に水源を掘りあてなければ生き延びることが出来
ない事が到着後に分かりました。 …あらー。
懸命に水を探すジョージ。探す。探す。探す…。
そしてある日、ついに水を発見。…しかし
ジョージは事故で命を落してしまうのです。あらー
そのときロミのお腹の中には、二人の子供が…。あらー
やがて誕生。男の子で「カイン」と命名。
ジョージが見つけてくれた水のおかげで、ロミとカインの
母子二人は生き伸びることができたのです。
しかし…
" この子が、この星の最後の人間になってしまう… "
ロミはカインの将来を案じてある決心をします。それは
自分の肉体を冷凍睡眠で保存し、カインの成長を待つ事。
そしてカインが7才になった時に、計画を実行。
" 冷凍睡眠で眠り、13年後に目を覚ます "
ロミが目覚めたとき、カインは20才。
目覚めたロミと、年回りのよいパートナーになれる。…はず。
コールドスリープ開始。
…したのだが、実はトラブルが発生していた。
13年の眠りの予定が、1300年に設定されてしまう。 ひぇぇ
残されたカインは、お世話をするロボットと共に
13年の年月を過ごす。そしてロミが目覚める(はず)の日。
冷凍睡眠装置の前でロミの目覚めを待つカイン。
" …目覚めない "
" 装置が故障したのか? "
お世話ロボが答える。
" 装置ハ正常 " " 目覚メハ今カラ1287年後デス "
…混乱。 そして絶望。
錯乱してお世話ロボに八つ当たり(というか、破壊…・_・;)
放心状態のカイン。
と、空を飛んでくる(落ちてくる?)物体が…
追いかけるカイン。
落ちた非行物体の中からアメーバ状の生物が現れ
見ている間にロミの姿に。
カインの元にやってきたのは、ムーピーだった。
相手の望むものへと姿を変える事の出来る生命体。
それが「ムーピー」。
こうして出会ったロミ(ムーピー)とカイン。
一緒に暮らし始めます。
やがて子供が生まれ、その子供たちがまた子供を作り、と
どんどんとこの星の人口が増えていくのでした。
そして1287年後。(…長い)
ついにロミが目覚めます。
見渡すと沢山の建物。そしてすごい数の人が暮らす街。
ムーピーから、自分の子孫で繁栄している事。そして
自分が「神」になっていることを知らされます。
全く知らない世界で目覚めたロミは、次第に
” 地球を一目見て死にたい ”
と思うようになります。 そして…
とまあ
ロミが地球に戻るための旅に出るのが後半のお話。
さあ、どうなるのでしょう。
◇
実は「望郷編」がベースのお話。…と知って、
一抹の不安がありました…。・_・;
というのも、原作はロミが息子たちと「近親相姦」で
子孫を残していくというお話ですから。
倫理的に如何なものか? と期待…もとい、危惧してました。
( どきどき )
で。
そこは上手く回避したと思いました。
ロミが1300年寝てしまうため、代わりにムーピーがやってくる
とはそうきたか。 0_0 なるほど
そして、最後の場面ですが
再びエデンに戻ったロミをジョージが出迎えたのにはびっくり。
(もちろんムーピーが化けたジョージな訳ですが)
で。
ちょっと待って と。
ロミも途中で若返ってるし、ムーピーが長命なのならば
二人でもう一度エデンで人口復活も出来てしまうのでは?
なんてことを想像してしまいました。
◇
原作の設定を、微妙に変更している今作
どちらが心に響いてくるか比べてみるのも面白いかも です。
※魂が故郷に帰った という感じの原作エンディングの方が
情緒感があって好きかなぁ…。
あ、あとひとつ。
火の鳥がほとんど自己主張していない気がしました。
(原作の火の鳥、相当「世話焼き」してます ・_・)
◇あれこれ
■火の鳥といえば…
ストラヴィンスキー。 違う。…いや、違いませんけど。
曲名を知っているけど聴いた事がない気がして、サブスクで
聴いてみたのですが、途中で寝落ちしてしまいました @_@ アレマ
科学忍法 火の鳥。…はガッチャマンですね。
言わずと知れたタツノコアニメの名作ですよ。 ラジャー!
※前に” ブ ” をつけると野原しんのすけです。ブラジャー ^~^
■火の鳥といえば…その2
過去の話と未来の話を交互に描いて
遠い過去(未来)の話から次第に現代に近づいてくる、という
構成で作品が描かれていたものと記憶しています。?_?…確か
完結していないと思ったのですが、最後に描かれたのは
何編だったのかなぁ。 と、再び遠い目…。
-------- 2023.11.17追記 -------- 書き忘れた~ @_@
■もっと優しく起こしてあげて
読み返して、気になった点があった事を思い出しました。
そんな大したコトでもないのですが…(でも書いちゃえ)
コールドスリープから目覚めるロミ。
冬眠装置は縦長の円筒形。素材は透明、中は液体で一杯。
その中で立った状態で寝ているようなのですが
解凍時は、円筒形の容器が上に上がり、腋芽溢れ
液体の中で漂っていたロミは、浮力(?)が無くなり
崩れるように、床の上に倒れていきます。そして目覚。
…なのですが …アタマとか打ちそうで怖いです +_+
起きるときを考えたら、ヨコ向きに寝かせた方が良いのでは?
と、思ってしまうのですが、タテの方が良いのでしょうか?
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
この宇宙は小さい
※注 本レビューは「原作」のネタバレも含みます。
手塚治虫漫画の大ファンだが、今まで手塚治虫原作の映画で「良かった」と思えたことはほとんど無い。それでも懲りずに観に行ってしまうのは、「今度こそ」と期待してしまうからだ。
結論から言えば、今回も残念だった。原作を知らない人がこれを観て、原作までつまらないと思われてしまうことを怖れる。
僕にとって「火の鳥」は特別な作品。中学生の頃だったと思うが、図書館にあった「復活編」を読んだときの鮮烈な感動を今でもありありと思い起こすことができる。漫画やSFの面白さ・すばらしさを開眼させてくれた。
原体験である「復活編」が最も好きだが、「鳳凰編」、そして今回の映画の原作である「望郷編」も漫画史に残る名作だと思う。
しかし本作はその魅力がことごとくつぶされているように思った。
映画としてそれなりに観れるものにはなっている。作画のクオリティは高いと思う。有名人が声をあてていることについてはどうでもいいので、そこに予算をかけるべきではないだろう、などと思うが…。そもそも、「望郷編」という壮大な物語を、95分の尺に収めることが土台無理だ。
もし、「95分の制約の中で望郷編を映画化しろ」というミッションだったのであれば、良くやった、といえるのだろうが、つまらないものはつまらない。
「火の鳥」の面白さの本質とは何だろう。その1つは、スケールの大きさだと思う。気の遠くなるような過去から気の遠くなるような未来へ。人間の意識で到底想像できない無限の宇宙が描かれている。「望郷編」でも、1つの文明がはじまり、滅ぶまでの壮大なスケールの物語となっている。
そしてもう1つは、徹底的な悲劇と困難の中であがき、必死に生きる人間を描くこと。手塚治虫は、「悲劇」の天才だと思う。死ぬよりもはるかに恐ろしいこと、耐えがたいことを、なぜこんなにも思いつけるのか、不思議に思うほどだ。
本作は、「尺の短さ」のため、この2つが完全につぶされている。展開を急ぎすぎて、まるでダイジェスト版のようなので、エデンから地球への旅にまるで広大さを感じない。この作品の宇宙は「小さい」。
そして、ロミの人生の悲劇性も大変うすまっている。原作では、近親相関のタブーをくり返してまでも子孫を絶やすことを選択できなかったロミの悲壮な思いや絶望が描かれていた。
もちろん、「全部原作どうりにしなければ認めない」などと言いたいわけではない。かなり昔の漫画なので、絵もストーリーも演出もリアリティも、全部イチから構築すべきなのだとは思う。しかし、それは「火の鳥」の面白さの本質を核にしていなければ意味が無い。
また本作は、原作ファンに対しても、初見の人に対しても、どちらにもささらないような作品になってしまっているのも残念だった。原作ファンを対象にするのであれば、「なぜ原作どおりにしない?」と思えるところが多かった。もちろん尺を短くまとめるために必要なところもあるにはあったが、変える必然性の無いところも多かった。たとえば、主要キャラはコム、牧村、チヒロ以外はキャラデザが変わっていたが、変える必要があったのだろうか?(変えたから良かったと思える要素が見当たらない)
また、原作ファンサービスのつもりなのだろうが、「復活編」「生命編」「未来編」につながるシーンや、それらを思わせるシーンを入れているが、ストーリーの面白さが伴わなければ、むしろ安易に思え、かえって腹立たしいい。
初見の人にとってはよりしんどい。火の鳥の世界観を知らない人にとっては、ムーピーやチヒロがなんなのか理解できないと思う。一番謎なのは「火の鳥」だろう。映画のタイトルになっている「火の鳥」が何なのか、映画の中でほとんど触れられていない。
ストーリーは終盤が特にひどかった。地球に着いてからの展開は説明不足で意味不明に思えただろう。終盤はとくに原作を変えたところが多かったが、中途半端に変えたものだから、若返ったあとのロミの寿命に対する牧村の発言が矛盾していたり、コムが死んだのか死んでいないのか曖昧だったり、触覚の変形が何を意味してるのか分からなかったり、チヒロが人間の姿をしていることについての説明が不足していたり、もうぐちゃぐちゃだと思った。
また、原作の「望郷編」はエデンの崩壊がクライマックスで、映画としても見せ場になるべきシーンだと思うが、本作ではまるごと省略されているから、初見の人には特に意味が分からないだろう。
原作厨みたいにボロカスに言いまくってしまったが、本作で1つだけ評価したいところは、「テーマ」だ。本作では、「地球が宇宙でかけがえのない美しい星であり、それを守っていかなければ悪夢のような未来になる」というところにテーマをしぼっていると思う。そこは良いと思った。
『火の鳥』? 『火の鳥』を『鉄コン筋クリート』と比べないで
版権の問題とは思うが、何故望郷篇なのかと思い見に来た。
僕がライブで連載を読んだ最初の作品が『望郷篇』だった。しかし、テーマがタブーそのもので、長い事好きではない火の鳥の『一つの巻』。
だから、鳥つながりで、酉年の僕は見る亊にした。
この映画は火の鳥ではない。
永遠の命なんてないのだから、一瞬一瞬を大事に生きなければ駄目だ。そう思った。まぁ、この映画を見る時間くらいは、無駄とは言えない『つかの間の夢』なのだろうが。
僕にとって、今日は。
『岩船』が二度出てきた。
追記
『ズダーバン』は『ディープスペース9』の『クワーク』だぜ!
ラストは良かった
高校生の時に原作の望郷編を読み衝撃を受け、とても感動した。
今回の映画化では、近親婚的な描写やロミの若返りの代償としての死、エデン17でのクーデターとロミの不在によるエデンの壊滅などなど、原作が持っていた毒気のような部分が削ぎ落とされていた。
基本的な展開は原作通りなのだが、そうした毒気が抜けたことで、映画を観ている間、ずっと本道ではなく側道を走っているような感覚だった。
原作の毒気が苦手な人にはこちらの方が観やすくて良いのかも知れない。しかし個人的にはやはりあの手塚治虫ならではの毒気が原作で得た衝撃と感動に繋がっていたのだなと再認識した。
それまでの感想としては、期待したほどではなかったなと思っていたのだが、ラストのエデンに帰ったロミが、おそらくムーピーと思われるジョージに再会したところでその思いは良い意味で一気に覆った。
この先、ムーピーとロミでまた子供を増やし、崩壊したエデンをまた2人で建て直すという、黎明編的な展開をほのめかしているように思えたからだ。
それは原作が持っていた要素を確かに受け継ぎつつ、原作とは違った展開でそれを表現しているように感じた。
原作知らないけど、、
どうやら原作はもっとエグい話だったようで。
でも、今回の火の鳥は他の作品に比べて優しかったような。他の火の鳥は喪黒福造みたいなとこがあったような、、、うろ覚えですが。
ただ、面白かったです。
原作ファンとして期待値MAXで観に行きました
日本の漫画界の(=世界の)先駆者である偉大な漫画家の偉大なIP「火の鳥」を映画化していただいたこと、まずこの事実自体に感謝と関係者への敬意を表したい。自分が期待していた内容とは異なる世界観を感じることもあったが、それはこの作品の個性にもなっており、偉大なIPの最新作として世界に誇れる作品であることは間違いない。が、個人的にどこか煮え切らない感覚が残ったのも事実。。。物語の展開なのか声優なのか。。。宇宙空間の描写がとても美しいのが印象的でした。
言いたいこと沢山!でも原作に感謝!しかないよね
よくできているからこそ、言いたいことは、ある!
まずはキャラデザインをさ、もう少し寄せようよ。コムはいいけどさ、あとはね、、、特に火の鳥!ちょっと太め過ぎない?あれは、頂けないなあ。沢村ももっと寄せていけばいいのに。
あと、声も基本、声優さんに任せようよ。キャラと声質や喋り方があってない部分ある。ここでもコムはイキイキしてた。
まあ、原作通りには描けないのは仕方ないのかな?特にエデンが栄えていく過程はね。ちょっと今のコンプラでは禁忌すぎるからなあ。改変するなら、猿田博士やロビタも出しちゃえばいいのに。
音楽は良かったね。エンドロール含めて。それとやっぱり、手塚治虫は凄いと再認識。この映画の好評価の何割かは手塚治虫の原作のチカラなのは間違いない。そうでなかったら結構崩壊してたかも。冒頭も少し絵のタッチが荒いというか雑というか、、、今あえて火の鳥ならもっと「美的」と「手塚治虫風タッチ」を意識して欲しかったな。
ラストももやもやしたなあ。いいんじゃない。生死ははっきりさせても。オールドファンは結末知ってるんだからさ。
原作もう一度読み返したい気持ちにさせてもらったので★1つプラスで。
虫プロでやってほしいなあ、、、
エデンの姿、、、
行き過ぎた欲は、全てを滅ぼす。
あのエデンの変わり果てた姿を観たとき、現在のシリアそして今まさに廃墟となりつつあるガザが脳裏に浮かんだ。
現在世の中は、当然の常識として多様性を認め、ジェンダーフリーの社会を目指し、差別や偏見をなくしていくという世界の潮流、大きなウネリが巻き起こっている。
当然、米国をはじめとする西欧各国の政治が政権がそれを強く推進しているかと思いきや、それが実は見せかけだけで、嘘(虚構)だということが、つい最近、誰しもハッキリと認識出来る形で露呈してしまった。
なぜなら、ハマスによるイスラエルへの攻撃と誘拐あったにせよ、イスラエルのその報復は、それとは比べものにならない大規模かつ止むことのない無差別爆撃という大量虐殺ジェノサイド(民族浄化)まで引き起こした。それに対して、米国および西欧各国は容認をし、見て見ぬふりをきめこんだからだ。
もともとイスラエル政府は、ガザに住むパレスチナの人々に対して差別と偏見しかなく、彼らの土地や住居を強制的に収奪してきた。そんな彼らが、報復として無差別爆撃ジェノサイドを行う。
当初は、ハマスによるイスラエルへの攻撃と誘拐が問題であり、報復もやむ無しの空気感があった。
しかし、イスラエルのその報復が収まることなく、より強力で一方的かつ凶悪なパレスチナ庶民へのジェノサイドに変質してしまった。
女子供関係なく、国連職員や医療従事者、ジャーナリストまでターゲットとして虐殺する。空爆を行う。病院や学校、避難キャンプまでも空爆する。
そして、今や4000人もの子供たちが死亡している現状。
政治が動かなくても、世界各国からは市民によるイスラエルのジェノサイドを抗議する大規模デモが巻き起こっており、それに呼応する形で米国や西欧からイスラエルの攻撃停止を促す形に変わりつつはある。
だが、イスラエルはその申し出を拒否し、攻撃を空爆を止めない。
人間は、欲を持つと際限なく求め続け、そのタガが外れれば、差別偏見を通り越して、人権さえ認めず、人の命も紙切れの如く奪ってしまう。
その典型が、今の悪魔の所業を行うイスラエルであり、自分自身もそうなる可能性があると気付くべき時点にあるのかもしれない。
この映画で、人間のエゴと欲による戦争と環境破壊で、変わり果てた終末的姿の地球を見た時、そういう人としての人間性を喪失した世界観を見た時、そう遠くない未来に見える気がして怖くなった。
いずれにせよ、戦争は絶対にやってはいけないし、それにNOを突きつける、地球の環境を守り、人と人は対話で解決をはかり続けることを諦めない、人権を守り、命を守り、生活を文化を守る、ダメなことはダメだと声を上げ続ける。
抗議する。決して諦めない。
差別と偏見のない、平和な世界であり続けるよう常に声を上げ続けます。
この映画を教訓にして
否の録り〜暴挙編〜
予告で覚悟はしていたが、ド頭の苦しさを欠片も感じさせないロミの呼吸で演技は諦めた。
だが、その宮沢りえがマシな方だったのでサスガに絶望。
2回ほどあったコムが叫ぶシーンは、盛り上がるどころか力が抜けてしまいましたよ…
まぁ子供に罪はないのでそこは制作側に問いたいが、大人のキャストは出来ない仕事を受けないでもらいたい。
青年カインのパートだけ別作品です。
尺の割に話はまとまっていたが、雑さは否めない。
自分はwikiで粗筋を確認していたから問題なかったが、事前情報なしで『13年』の意味が分かるだろうか。
「独りで死なせたくない」というのも、カインより後に子を授からなかったら結局同じこと。
チヒロちゃんのご都合主義感も拭えないし、島ごと爆破するのにクモ型ロボを出した意味が分からない。
最後も、飛び立つまではまだしもコムが亡くなった後にどうやってエデンまで戻ったのやら。
ムーピーが「相手の望む姿になれる」と言った直後に見知らぬオバさんになったのは笑った。
コムが最後に“望郷”の念を芽生えさせるが、出立の際に躊躇いがなさすぎたので唐突に感じる。
これは脚本の甘さか、それともそんな人でも最後は故郷を望むという描写なのか…笑
作画は概ね悪くなかったが、地球降下時のCGが浮いてたのと、エデン崩壊の描写が省エネすぎたのは気になった。
ラストシーンのジョージが幻かムーピーかを明確にしないところは良かった。
個人的には、ロミの若返りが(画面の華やかさ以外で)活かされてないので後者と解釈しました。
エンドロールに英語表記が添えてあったのは海外を意識したのだろうが、うまく吹き替えてくれることを祈る。
脚本が今ひとつ
映像は本当に美しくて素晴らしかったです。
宇宙のシーンが多いのでプラネタリウムを鑑賞しているかのようでした。
ただ総じて脚本が甘いかなぁ…。
分かりやすいセリフで全部説明してしまっているのでどうしても薄っぺらな印象で。
表面的な部分ばかりでなくキャラの心情をもっと深掘りしてほしかったです。
声を担当された方々がいい雰囲気なので(窪塚さんを除き)カバーはされてますが。
映像はめちゃくちゃ高レベルなのに脚本があと一歩追いついてない感じ。
ラストにロミがエデンに帰りたいと思ったのは、愛する人や大切な人と過ごした地だからでしょうか。
生まれ育ったところより人との繋がりが必要なのかなと。
そんな思いを感じました。
乱世編とかいつか観てみたいですね。
ロミの強さ
上映中はワクワクすることが多かった。
カインがロミと会うことができずに絶望する中、隕石が落ちてきたシーン。
ロミがコールドスリープから目覚めると、エデンに国が誕生していたシーン。
石船に乗って宇宙を旅して、未知の星にたどり着いたシーン。
次はどんな展開になるのだろうと、何度も気持ちが高ぶった。
見終わった後には思わなかったが、作品全体を追ってみると、主人公ロミは救われない運命だと感じた。
恋人のジョージを亡くし、永い眠りから醒めると息子カインは亡くなっていて、地球にたどり着くも、連れてきてくれたコムは殺されてしまい、帰ってきたエデンは荒れ果てている。
ネガティブな要素だけ書き出してみると、ロミはたくさんのものを失っていた。しかし、作中では、ロミが嘆いたり絶望したりする様子は少なかったように思う。
暗い出来事が起こっているものの作品全体として暗い印象にならなかったのは、ロミの暗い姿があまり描かれなかったからだろうか。
要所要所でジブリ味を感じた。特にヘブン島の遺跡でラピュタが思い出された。ロミたちを追いかけるロボットの動き方もラピュタのロボット兵のようだと感じた。
作品を手掛けたスタジオ4℃は「となりのトトロ」「魔女の宅急便」のラインプロデューサを務めた田中栄子が代表取締役をしている。
そのため、ジブリ味が感じられたのかなと思った。
火の鳥の原作を読んで、理解を深めたいと感じた。
Earth
火の鳥は中学校の漫画コーナーに置いてあったのを読んだくらいなので、しかもかなり前なのもあって内容はほぼ覚えていません。すごいフレッシュな気分での鑑賞です。
とある事情から地球を脱出し、辺境惑星エデンに逃げ込んだロミとジョージ。その星で文明を築こうとするが、ジョージが事故で死んでしまい、このままだとコム1人残して死んでしまうと危惧したロミは13年眠り、病状を回復させようとするが、誤って1300年のゴールドスリープについてしまい…といった感じのあらすじです。
1300年の眠りから目覚めたロミが見た世界は文明が発展した世界で、コムが残した遺伝子が大繁栄を生み出したというザ・SFな展開に持っていってくれます。
その世界で目覚めたロミが願ったのは地球へ向かう事、やはりふるさというものは切っても切り離せないんだなと、どれだけ浮世離れした世界でもその想いは変わらないんだなと人間味を強く感じることのできるシーンが多く盛り込まれていました。
他の文明が自然に育った文明を貶していく様子はどの時代にも存在するよなと思って見ていました。麻薬を混ぜた水でそれぞれの欲を全て解放し、人を憎み合い、やがて武器を持って互いを撃ち始める。映っているシーンこそ少ないけれど、その残酷さはこれでもかと表現されていました。
あえて火の鳥をメインに据えるのではなく、ロミを主人公に据えた物語で進めるというのはかなり斬新で、新鮮な気持ちで観た自分にとっては作品の見やすさにも直結していて良かったです。
とっても残念だったのが窪塚さんの声当てが絶望的に下手だったところです。急遽現場に放り込まれたとかならこの演技でも仕方ないなとは思うんですが、絶対にそんな事無くアフレコに挑んだんだと思うので、棒読みすぎましたし、感情を爆発させるはずのシーンなのに全然そんな事ないのがノイズでした。まだ序盤でフェードアウトしてくれたのが救いでした。
宮沢りえさんは全体的に聞きやすかったんですが、若い頃と歳をとった時の声が変化があまり感じられなかったのが惜しかったです。こういう起用を見るとやはり本職の声優が良いなと思うことが常々です。
STUDIO4°Cのアニメーションは圧巻で、エデンの星の繁栄っぷりと荒廃した様子の描きわけが凄すぎました。未知なる宇宙のカラフルさや地球の残された自然の美しさと、アニメーションの美麗っぷりがお見事でした。
手塚治虫作品をリアルタイムで観ることの出来なかった世代にとって、ある種のタイムスリップをさせてくれた作品でした。SFって奥が深いなと改めて感じました。ハッピーともバッドとも取れる終わり方、色々な想像が膨らんでより楽しめました。
鑑賞日 11/4
鑑賞時間 14:05〜15:50
座席 D-9
流石の名作
ストーリーは言わずもがなでしょう。
不朽の名作ですよ。
だいぶ昔に見た作品ですが、見ながら記憶が蘇ってきました。
ただ、途中や結末がこんなのだったっけ?という点も。
映画の出来としては、ところどころ動きがぎこちない点があったりするのと、声が気になったかな。普通に声優で良かったでしょう。俳優さんの演技が少し合わなかったかな。
ストーリーは文句なしだし、魅せる部分は綺麗なんだけど、ちょっと粗があるなーという感じでした。
人間の愚かさを描いた作品
原作漫画の火の鳥は昔学校の図書館で
読んだくらいで内容はあまり覚えていないレベルです
スケールがかなり大きいが
上映時間の関係かなんとなくあっさりしている感じがある
ロミとジョージが
エデンにいき暮らしていくが
ジョージが事故で亡くなり
ロミと息子のカインが残されてしまう
カインと共に暮らすためにコールドスリープで
自分の命を伸ばそうとするが
地震により不具合で目覚める時期が1300年後になってしまう
それを知ったカインが
絶望して、お手伝いロボットを壊してしまうが
心情としては仕方ない気もする
カインはロミの姿をしたムーピーと出会い
子孫をつくりエデンを繁栄させる。
目覚めたロミは
繁栄したエデンで暮らすが
一度、地球に行きたいと思い
コムと共に地球にいこうとする
ここで牧村とあって
地球に似た星に行き、そこでロミがケガをするが
この場面がなんとなくまわりくどい感じがした
ケガを治すためにズダーバンと取引をして
ロミのケガが治り、ついでに若返る
若返っても寿命は変わらないらしい。
地球に行って捕まるがチヒロに助けられる
ただ、チヒロはロミの過去の友人で
ロボット化したらしいが、説明不足なので
チヒロが助けにくる場面は唐突に思える
ズダーバンによりエデンの人々が
肥大化した欲望によって
崩壊していき
そのなかで元凶となったズダーバンもやられるシーンがあるが
かなりあっさりしている
チヒロもおそらく死んだと思うが
そこらへんはあまり細かく描いていない
地球はもう自然がほとんどない状態で
残り少なくなった自然も自ら破壊するという
人間の愚かさを描いているように思う
エデンも崩壊し、コムもいなくなり
ひとりぼっちになったロミが
ラストでジョージの姿になったムーピーらしき人とまたエデンをつくる
と思わせるラストになっている
全体的に人類の愚かさも描いている作品なので
好き嫌いが分かれるかもしれない
原作との差異がどれくらいあるのかはよくわかりません
【”地球から逃亡して来た男女が惑星エデンに築いた安住の地。だが女は老齢になり、望郷の念を募らせる。”手塚治虫氏の、人間の愚かさや、最期は故郷に帰りたいのだというメッセージが伝わって来る作品である。】
■人類が宇宙に進出した未來、地球人のロミと恋人ジョージは、荒涼とした惑星エデンに移住する。ロミはジョージの子(後にカインと命名)を身籠るが、彼を事故で亡くす。
更に、冷凍スリープで誤って1300年の眠りに入ったロミは目覚めた時、眼前に広がる都市を見る。
彼女の前には目が見えないが触覚で全てを察知する民族が多数おり、彼女は女王となる。
だが、命が少ないと分かったロミは、コムと共に”岩船”で故郷、地球を目指す。
◆感想
・年代的に、手塚治虫氏の漫画を読んだ記憶が無い。だが、何故か「火の鳥」の存在は知っていたので鑑賞。
・スケールの大きいSFアニメ映画であり、独特の世界観に魅入られた作品である。
・ロミは、地球に戻る際に牧村という男の乗る調査船と衝突し、牧村はロミたちと同行するのだが、牧村曰く且つての地球は大きく変わり、戻るべきところではないという。
・そして、実際に地球に着いた際、そこはマスク無しでは暮らせない、一部の支配者たちが牛耳る星になっていた。
だが、唯一ロミが優れた種として生きていた島は、且つての地球の原風景を保っていた。そこで再開したかつての友人。
・だが、結局ロミは地球を脱出してエデンに戻るのである。
<随所で、説明不足の感を得たが、そこは脳内補完して鑑賞。ズダーバンのような何でも屋の悪役キャラによりエデンの民が様々な欲望に憑りつかれるシーンや、再び20歳になったロミが死んだ筈のジョージと出会うラストシーンも、手塚治虫氏の人間の欲望に翻弄される、愚かさや、どんな人間でも最後は、故郷に帰りたいのだというメッセージを勝手に考えてしまった作品である。
そして、何より、宇宙空間を悠々と飛ぶ火の鳥の姿が印象的だった作品でもある。>
旦那役の声優が下手くそ
旦那役の声優の下手くそさに驚愕。なんでこんな大根役者に任せたんだろうか。まあ、チョイ役ですぐにいなくなるから、誰でもよかったのかもしれないが。宮沢りえはヘタではないが、若返った後もおばさん声。やはりプロの声優には敵わない。
原作の雰囲気を尊重しつつ、よく95分に収められたと思う。ラストの改変により、原作の哀しくも美しい抒情は失われてしまったが、これはこれで「あり」かな、と。
巨匠 手塚治虫さんのライフワーク「火の鳥」の第6篇「望郷編」の初映像化
昔々の少年時代に原作を読んだ時はその描写と衝撃の展開に啞然としながら読み進め、後半からラストにもたらす絶望感がなんとも もの悲しく寂しげで、若いセンシティブな心にとてつもないインパクトを受けた事を今でも覚えています
その私にとっての”大問題作”が約半世紀の時を経て、スタジオ4℃のアニメーション技術と共に初めて映像化されるということで楽しみにしていました
結果、映像は素晴らしく、良い作品に仕上がっているとは思いますが、今一歩もの足りなさを感じました
原作の複雑さを回避するために、見易くシンプルに再構築している脚色は見事だとは思いますが、シンプルにしたが故にあっさりしすぎな印象が否めません
原作に忠実に映像化する必要はありませんが、
95分の短尺にするぐらいならもう少し足して主人公ロミが惑星エデン17に世代を超えて種を根付かせていく事や、シリーズ通してのアイコン”火の鳥”をもっとストーリーに関わらせることで、テーマとなる”時間””生命と死生観””輪廻転生”といった所が浮き彫りになり、より見応えのある深みを持たせられたのではないかと思いました
原作ではロミは地球で若返りの代償で死んでしまいますが、本作では荒廃したエデン17に帰り着きます
それが果たしてハッピーエンドなのかどうか?という興味深いエンディングは好きです
ロミのヴォイスキャストを演じた宮沢りえさんの声が優しくて、時にもの悲しく、何とも印象的でした
欲を言えばかなり原作に寄せたキャラクタービジュアルですが、せっかく宮沢さんが演じているのでもっと綺麗に描けばいいのに、と思っちゃいました
コムのキャラクターも常に一生懸命なところがとてもけなげで、必死でロミを地球に送り届けようとするひたむきさとラストが切なかったです
そして、この壮大な愛と冒険の一大叙事詩を締めくくるラスト
イギリスのソプラノユニット”リベラ”の皆さんが奏でるエンディングテーマ曲『永遠の絆』が体の芯まで染み渡り、メチャクチャ良かったです
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