火の鳥 エデンの花のレビュー・感想・評価
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ロミの強さ
上映中はワクワクすることが多かった。
カインがロミと会うことができずに絶望する中、隕石が落ちてきたシーン。
ロミがコールドスリープから目覚めると、エデンに国が誕生していたシーン。
石船に乗って宇宙を旅して、未知の星にたどり着いたシーン。
次はどんな展開になるのだろうと、何度も気持ちが高ぶった。
見終わった後には思わなかったが、作品全体を追ってみると、主人公ロミは救われない運命だと感じた。
恋人のジョージを亡くし、永い眠りから醒めると息子カインは亡くなっていて、地球にたどり着くも、連れてきてくれたコムは殺されてしまい、帰ってきたエデンは荒れ果てている。
ネガティブな要素だけ書き出してみると、ロミはたくさんのものを失っていた。しかし、作中では、ロミが嘆いたり絶望したりする様子は少なかったように思う。
暗い出来事が起こっているものの作品全体として暗い印象にならなかったのは、ロミの暗い姿があまり描かれなかったからだろうか。
要所要所でジブリ味を感じた。特にヘブン島の遺跡でラピュタが思い出された。ロミたちを追いかけるロボットの動き方もラピュタのロボット兵のようだと感じた。
作品を手掛けたスタジオ4℃は「となりのトトロ」「魔女の宅急便」のラインプロデューサを務めた田中栄子が代表取締役をしている。
そのため、ジブリ味が感じられたのかなと思った。
火の鳥の原作を読んで、理解を深めたいと感じた。
手塚治虫の
名前を使用したオリジナルエピソードの公開
なのかなぁ?望郷編。こんなのあったっけ??
余りにも過大解釈、主義主張ありきの作風で
正直がっかりだったわ。
ついでに、公開特典だと言うステッカーも11/5の時点で
既に無くなった。と言うし、
なんだか偽りの宝庫のような作風に落胆でしかない。
手塚治虫作品はこれからは漫画で楽しもう。
そう決断出来た迷作
Earth
火の鳥は中学校の漫画コーナーに置いてあったのを読んだくらいなので、しかもかなり前なのもあって内容はほぼ覚えていません。すごいフレッシュな気分での鑑賞です。
とある事情から地球を脱出し、辺境惑星エデンに逃げ込んだロミとジョージ。その星で文明を築こうとするが、ジョージが事故で死んでしまい、このままだとコム1人残して死んでしまうと危惧したロミは13年眠り、病状を回復させようとするが、誤って1300年のゴールドスリープについてしまい…といった感じのあらすじです。
1300年の眠りから目覚めたロミが見た世界は文明が発展した世界で、コムが残した遺伝子が大繁栄を生み出したというザ・SFな展開に持っていってくれます。
その世界で目覚めたロミが願ったのは地球へ向かう事、やはりふるさというものは切っても切り離せないんだなと、どれだけ浮世離れした世界でもその想いは変わらないんだなと人間味を強く感じることのできるシーンが多く盛り込まれていました。
他の文明が自然に育った文明を貶していく様子はどの時代にも存在するよなと思って見ていました。麻薬を混ぜた水でそれぞれの欲を全て解放し、人を憎み合い、やがて武器を持って互いを撃ち始める。映っているシーンこそ少ないけれど、その残酷さはこれでもかと表現されていました。
あえて火の鳥をメインに据えるのではなく、ロミを主人公に据えた物語で進めるというのはかなり斬新で、新鮮な気持ちで観た自分にとっては作品の見やすさにも直結していて良かったです。
とっても残念だったのが窪塚さんの声当てが絶望的に下手だったところです。急遽現場に放り込まれたとかならこの演技でも仕方ないなとは思うんですが、絶対にそんな事無くアフレコに挑んだんだと思うので、棒読みすぎましたし、感情を爆発させるはずのシーンなのに全然そんな事ないのがノイズでした。まだ序盤でフェードアウトしてくれたのが救いでした。
宮沢りえさんは全体的に聞きやすかったんですが、若い頃と歳をとった時の声が変化があまり感じられなかったのが惜しかったです。こういう起用を見るとやはり本職の声優が良いなと思うことが常々です。
STUDIO4°Cのアニメーションは圧巻で、エデンの星の繁栄っぷりと荒廃した様子の描きわけが凄すぎました。未知なる宇宙のカラフルさや地球の残された自然の美しさと、アニメーションの美麗っぷりがお見事でした。
手塚治虫作品をリアルタイムで観ることの出来なかった世代にとって、ある種のタイムスリップをさせてくれた作品でした。SFって奥が深いなと改めて感じました。ハッピーともバッドとも取れる終わり方、色々な想像が膨らんでより楽しめました。
鑑賞日 11/4
鑑賞時間 14:05〜15:50
座席 D-9
流石の名作
ストーリーは言わずもがなでしょう。
不朽の名作ですよ。
だいぶ昔に見た作品ですが、見ながら記憶が蘇ってきました。
ただ、途中や結末がこんなのだったっけ?という点も。
映画の出来としては、ところどころ動きがぎこちない点があったりするのと、声が気になったかな。普通に声優で良かったでしょう。俳優さんの演技が少し合わなかったかな。
ストーリーは文句なしだし、魅せる部分は綺麗なんだけど、ちょっと粗があるなーという感じでした。
悠久の時を超え、銀河も越えた壮大な物語は、とても感動的!宮沢りえ、吉田帆乃華の名演が光る
手塚治虫のライフワーク「火の鳥」のうちの、「望郷編」初の映像化.
自分もほんの一部(朝日ソノラマ「マンガ少年」)しか読んでない上に全く覚えていない。
原作のあらすじを見たら、確かに映像化が難しいであろう点がありますが、その点は改変してあります。
大きな話は同じでも、消えた部分は、非常にシリアスで今回の話でも当然そうなるだろうなと思った部分。
その深刻な”業”・”罪”の部分を背負うか背負わないかは、非常に大きな違いではあると思った。
しかし、全体的には、人間の愚かさと罪悪と、悠久の時を超え、銀河も越えた壮大な物語は、とても感動的でした。
声の出演では、主演の宮沢りえの大きな包容力のある優しさ、少年コム役の吉田帆乃華の純粋な想い、二人の名演が光っていました。
しかし、窪塚洋介の第一声は、あまりにひどかった。さらに、自分は大好きなんだけれどシティーボーイズの声も合ってなかった。
声優以外を使う場合の演出は、本当に最新のちゅいを払ってほしい。
キャラクターたちは、手塚キャラそのままでなくとも、そう感じさせる少し前の時代の温かみのあるデザインが良かった。
あの有名な「火の鳥」のデザインが変わっているのは違和感がありましたが。
そして、エンディングの歌、音楽も素晴らしかった。
メッセージは伝わった
原作のファンです。壮大な美しい物語にテーマがよく表現されていたと思います。原作から変わった部分や演出に不満がないことはないですが、鑑賞後は最高の気分でした。もう一度見たい。
人間の愚かさを描いた作品
原作漫画の火の鳥は昔学校の図書館で
読んだくらいで内容はあまり覚えていないレベルです
スケールがかなり大きいが
上映時間の関係かなんとなくあっさりしている感じがある
ロミとジョージが
エデンにいき暮らしていくが
ジョージが事故で亡くなり
ロミと息子のカインが残されてしまう
カインと共に暮らすためにコールドスリープで
自分の命を伸ばそうとするが
地震により不具合で目覚める時期が1300年後になってしまう
それを知ったカインが
絶望して、お手伝いロボットを壊してしまうが
心情としては仕方ない気もする
カインはロミの姿をしたムーピーと出会い
子孫をつくりエデンを繁栄させる。
目覚めたロミは
繁栄したエデンで暮らすが
一度、地球に行きたいと思い
コムと共に地球にいこうとする
ここで牧村とあって
地球に似た星に行き、そこでロミがケガをするが
この場面がなんとなくまわりくどい感じがした
ケガを治すためにズダーバンと取引をして
ロミのケガが治り、ついでに若返る
若返っても寿命は変わらないらしい。
地球に行って捕まるがチヒロに助けられる
ただ、チヒロはロミの過去の友人で
ロボット化したらしいが、説明不足なので
チヒロが助けにくる場面は唐突に思える
ズダーバンによりエデンの人々が
肥大化した欲望によって
崩壊していき
そのなかで元凶となったズダーバンもやられるシーンがあるが
かなりあっさりしている
チヒロもおそらく死んだと思うが
そこらへんはあまり細かく描いていない
地球はもう自然がほとんどない状態で
残り少なくなった自然も自ら破壊するという
人間の愚かさを描いているように思う
エデンも崩壊し、コムもいなくなり
ひとりぼっちになったロミが
ラストでジョージの姿になったムーピーらしき人とまたエデンをつくる
と思わせるラストになっている
全体的に人類の愚かさも描いている作品なので
好き嫌いが分かれるかもしれない
原作との差異がどれくらいあるのかはよくわかりません
壮大で、悲劇的で、虚しくて…でもどこか救いがあり、生きる力を与えてくれる
高校生のときに初めて読んで感動し、そして自分の子供たちにも買い与えて読ませた漫画です。自分でも何回か読み返している、僕にとって宝物のような手塚治虫の傑作です。
初めてスクリーンで観た感想は表題のとおりです。原作とは異なる部分も多いけど、漫画を初めて読んだときと同じ感想になります。
*コムの吉田帆乃華ちゃん、とても良かった。可愛くて健気で無垢で…おじさん、やられちゃいました。
美しい映像と作り手の熱!
映像が美しい。
宮沢りえ熱演、合っている、良かった。
イッセー尾形、さすが!
物語、前半、飛躍していて「ん?」となったけど後半引き込まれた。
ただ、火の鳥の出番が少なかった。
音楽、良かった!
製作者の熱、感じられた。
望郷の先の絶望
原作を変に弄らず、物語の残酷なところもちゃんとあるのは好感。
映像の美しさや音楽も良かったが、最近のこちらのスタジオさんは芸能人キャストが残念に感じる。
宣伝力は強いのだろうし、良ければいいのだけど、最初の違和感がなかなか拭えない。。
牧村、続編はあるのかな。。
未来への希望
まだ漫画を読むと馬鹿になると言われていた少年時代、小学校の図書館に漫画が置いてありました。火の鳥とアンパンマンが載っている雑誌です。
アンパンマンは短編でわかりやすかったのですがエロスにも哲学にも興味のなかった小学生には火の鳥はハードルが高すぎて、まず理解が出来なかったです。
それから幾星霜、敬遠したままでしたが、こうして観てみると原作者が亡くなっても今の世に通じるメッセージだったことがよくわかりました。
人類の愚かさが見事に描かれています。
忘れた頃に映像化される、大好きな作品
火の鳥は大好きな作品。若い人に認知されなくなった頃に映像化され、その度に心打たれる。今作もそんなタイミングで、とても期待していた。映像化してくれたことに感謝。
前回はNHKのアニメだったかな。
火の鳥の描写はとても美しく、冒頭から心をつかまれる。
時間のスケールの大きさと、ロマンと、人間の感情、ロボット、あらゆるSFと社会性を兼ね備えた作品。
いつみても、人間の業の深さ、環境、地球のかけがえなさを、すっと感じさせてくれる。
話自体は入れ代わり立ち代わり、という感じで、ポンポン進んでいくのでテンポはよいが、深くグッとくるとまではいかない。
ただ90分あまりで世界観がまとまっており、全体としては満足である。
キャラクターはCGぽくなっていることで、手塚治虫らしさは少しなくなっている。また、ジョージの声にはさすがに違和感があったので、登場が序盤だけでホッとした。
エンディングもよかった。
2023年劇場鑑賞104本目
毒抜きされた「望郷編」であるが、実にバランスが良い!
前置きしますと、古くからの「手塚治虫先生のファン」です。
ただ、手塚先生の作品のうち、「人間が生きるとは何か?」の様なあまりにテーマが幅広く深く扱うテーマがは時に刺激的で最後は投げっぱなしでとことん読者に深傷を負わす一連の「火の鳥シリーズ」は正直敬遠しておりました(笑)。
私にとっては「ブラック・ジャック」や、「ブッダ」、ギリで「アドルフに告ぐ」くらいが理解して楽しめる許容範囲です。
望郷編は中学時代に勧められて一度読んだか読まないかのレベルで当時(昭和後期)の倫理観(近親生殖など)でもかなり過激、むしろ拒否反応が強いくらいでした。
それが今回初めて劇場アニメ化、しかも定評のある4℃さん制作とあれば、これは観ないわけにはいかず・・ちょっと遠出までして鑑賞した次第です(近くの映画館でやってなかったため)。
気になる過激な冒頭の部分が大胆なシナリオ改変でしっかり「毒抜き」されており、とはいえ手塚治虫のテイストはキャラデザ含めて残っておりましたので、全年齢に劇場版としては許容できる・・・というよりもむしろ改良されて受け入れ性がアップしたことを高く評価したいと思います。
人間に本来備わっている原初の欲求が「強い欲望」に変わる過程はさまざまで、それが破滅に向かうことは必然・・・しかし、愛情など人や故郷を想う気持ちは清らかで永遠だよなあ、と実感できてとても素晴らしい体験でした。
ぜひ、劇場でご鑑賞ください。
うーん・・・期待したほどでは
手塚治虫の火の鳥・望郷編をアニメ映画化したとの事。
地球から逃亡し、エデン17に降り立ったロミと恋人のジョージだが、未開の惑星での生活は厳しく、そして、ジョージは事故で命を落としてしまった。ロミは1人息子との子供を作るためにに自分の命を引き延ばそうとコールドスリープに入るが、13年の予定が機械の故障で1300年間も眠り続けてしまうことになった。ようやく目覚めたロミは、ロミの息子と火の鳥に連れてこられた新人類の子孫が築いたエデン17の女王となった。ある日、ロミの地球への望郷の思いを知った少年コムは、ロミとともに地球を目指すべく岩船に乗り宇宙へと旅に出た。さてどうなる、という話。
コミックで望郷編は既読なのだが、こんなにあっさりしてたっけ、って感じた。
時間の関係で省略した部分は多いと思うが、火の鳥全体に漂うゾクゾクした感じが無かった。
コム役の吉田帆乃華は良かったと思うが・・・
エンディング曲、は良かった。
手塚先生の最新作品
あえて手塚先生の作品なのでキツイ評価をします。
セリフ下手な人がいたり、
火の鳥の接触もナい。
でも、それを含めても手塚先生作品のこれ。
演出も最低でした。
あえて星3はキャラクターデザインと、
構成がいい(ただ、火の鳥のデザインはんーー)。望郷篇以外のキャラクター
もでたし、手塚先生のコマ周りをすごく研究していると感じました。
が、もし手塚先生が生きていたら、完成寸前でも、やり直しがでたでしょう。
一生懸命作品を作ったと感じますが、(あそこの爆発とエンディングはいい。)
良い所より悪い所が多い作品でした。
キャラクターデザインが引っ張ってる
作品でした。
神、手塚先生の作品としてはとても残念です。
【”地球から逃亡して来た男女が惑星エデンに築いた安住の地。だが女は老齢になり、望郷の念を募らせる。”手塚治虫氏の、人間の愚かさや、最期は故郷に帰りたいのだというメッセージが伝わって来る作品である。】
■人類が宇宙に進出した未來、地球人のロミと恋人ジョージは、荒涼とした惑星エデンに移住する。ロミはジョージの子(後にカインと命名)を身籠るが、彼を事故で亡くす。
更に、冷凍スリープで誤って1300年の眠りに入ったロミは目覚めた時、眼前に広がる都市を見る。
彼女の前には目が見えないが触覚で全てを察知する民族が多数おり、彼女は女王となる。
だが、命が少ないと分かったロミは、コムと共に”岩船”で故郷、地球を目指す。
◆感想
・年代的に、手塚治虫氏の漫画を読んだ記憶が無い。だが、何故か「火の鳥」の存在は知っていたので鑑賞。
・スケールの大きいSFアニメ映画であり、独特の世界観に魅入られた作品である。
・ロミは、地球に戻る際に牧村という男の乗る調査船と衝突し、牧村はロミたちと同行するのだが、牧村曰く且つての地球は大きく変わり、戻るべきところではないという。
・そして、実際に地球に着いた際、そこはマスク無しでは暮らせない、一部の支配者たちが牛耳る星になっていた。
だが、唯一ロミが優れた種として生きていた島は、且つての地球の原風景を保っていた。そこで再開したかつての友人。
・だが、結局ロミは地球を脱出してエデンに戻るのである。
<随所で、説明不足の感を得たが、そこは脳内補完して鑑賞。ズダーバンのような何でも屋の悪役キャラによりエデンの民が様々な欲望に憑りつかれるシーンや、再び20歳になったロミが死んだ筈のジョージと出会うラストシーンも、手塚治虫氏の人間の欲望に翻弄される、愚かさや、どんな人間でも最後は、故郷に帰りたいのだというメッセージを勝手に考えてしまった作品である。
そして、何より、宇宙空間を悠々と飛ぶ火の鳥の姿が印象的だった作品でもある。>
旦那役の声優が下手くそ
旦那役の声優の下手くそさに驚愕。なんでこんな大根役者に任せたんだろうか。まあ、チョイ役ですぐにいなくなるから、誰でもよかったのかもしれないが。宮沢りえはヘタではないが、若返った後もおばさん声。やはりプロの声優には敵わない。
原作の雰囲気を尊重しつつ、よく95分に収められたと思う。ラストの改変により、原作の哀しくも美しい抒情は失われてしまったが、これはこれで「あり」かな、と。
STUDIO4℃だからこそ実現できた世界
STUDIO4℃のもつ独特の表現力が今作にはピッタリでした。
原作を知らないで観に行きましたが、一気にこの世界に引き込まれました。
「火の鳥」がメインではなくロミという1人の強い女性の物語として作られていて、そこに手塚治虫の訴えたいメッセージというものがちゃんと込められているという内容で、人間の本質を突き付けられる作品です。
没入感は観る前の想像を遥かに超えており、鑑賞後の余韻は暫く残り続けます。
感動的で臨場感もあり 流石鉄筋コンクリート☆
ズダーバンがエデンの星を破滅させていくシーンをもっと酷く生々しく描いて欲しかった
チヒロロボットも壊される所等も少し観たかったかも
その方がより感動できたかも
宮沢りえさん、子役の声はとても良かったです
窪塚洋介はあんまりでしたね(^_^;)
ラストの歌も感動的で良かったです♪
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