「「永遠の命」をテーマにした手塚治虫のライフワークが原作です。扱い難そうなエピソードをどう映像化するのか気になり、つい原作と比較してしまいました。」火の鳥 エデンの花 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
「永遠の命」をテーマにした手塚治虫のライフワークが原作です。扱い難そうなエピソードをどう映像化するのか気になり、つい原作と比較してしまいました。
原作は、手塚治虫のライフワークともいえる作品です。
いくつかの雑誌を渡り歩いて連載してきたように記憶
しています・_・ (「COM」や「マンガ少年」)
過去にもOVAや劇場版、TVシリーズ等で何回か
アニメ化されてきました。
古いところでは「火の鳥 2772コスモゾーン」。
新しい所ではNHKのTVシリーズ。(…新しくない気が・_・;)
※一番記憶に残っているのは「鳳凰編」(OVA)かなぁ 。
◇
今回映画化された作品は「望郷編」ベースのお話。
若い一組の男女カップルが地球を逃れ、エデン17
という星に移住する所から始まります。
男の名は、ジョージ。 ※原作では漢字で”丈二”。・_・;
女の名は、ロミ。訳ありで地球に居られなくなり、
人が暮らすのには条件の悪い星を格安で買って出発します。
到着を喜ぶ二人でしたが、手持ちの水はおよそ1年分。
その間に水源を掘りあてなければ生き延びることが出来
ない事が到着後に分かりました。 …あらー。
懸命に水を探すジョージ。探す。探す。探す…。
そしてある日、ついに水を発見。…しかし
ジョージは事故で命を落してしまうのです。あらー
そのときロミのお腹の中には、二人の子供が…。あらー
やがて誕生。男の子で「カイン」と命名。
ジョージが見つけてくれた水のおかげで、ロミとカインの
母子二人は生き伸びることができたのです。
しかし…
" この子が、この星の最後の人間になってしまう… "
ロミはカインの将来を案じてある決心をします。それは
自分の肉体を冷凍睡眠で保存し、カインの成長を待つ事。
そしてカインが7才になった時に、計画を実行。
" 冷凍睡眠で眠り、13年後に目を覚ます "
ロミが目覚めたとき、カインは20才。
目覚めたロミと、年回りのよいパートナーになれる。…はず。
コールドスリープ開始。
…したのだが、実はトラブルが発生していた。
13年の眠りの予定が、1300年に設定されてしまう。 ひぇぇ
残されたカインは、お世話をするロボットと共に
13年の年月を過ごす。そしてロミが目覚める(はず)の日。
冷凍睡眠装置の前でロミの目覚めを待つカイン。
" …目覚めない "
" 装置が故障したのか? "
お世話ロボが答える。
" 装置ハ正常 " " 目覚メハ今カラ1287年後デス "
…混乱。 そして絶望。
錯乱してお世話ロボに八つ当たり(というか、破壊…・_・;)
放心状態のカイン。
と、空を飛んでくる(落ちてくる?)物体が…
追いかけるカイン。
落ちた非行物体の中からアメーバ状の生物が現れ
見ている間にロミの姿に。
カインの元にやってきたのは、ムーピーだった。
相手の望むものへと姿を変える事の出来る生命体。
それが「ムーピー」。
こうして出会ったロミ(ムーピー)とカイン。
一緒に暮らし始めます。
やがて子供が生まれ、その子供たちがまた子供を作り、と
どんどんとこの星の人口が増えていくのでした。
そして1287年後。(…長い)
ついにロミが目覚めます。
見渡すと沢山の建物。そしてすごい数の人が暮らす街。
ムーピーから、自分の子孫で繁栄している事。そして
自分が「神」になっていることを知らされます。
全く知らない世界で目覚めたロミは、次第に
” 地球を一目見て死にたい ”
と思うようになります。 そして…
とまあ
ロミが地球に戻るための旅に出るのが後半のお話。
さあ、どうなるのでしょう。
◇
実は「望郷編」がベースのお話。…と知って、
一抹の不安がありました…。・_・;
というのも、原作はロミが息子たちと「近親相姦」で
子孫を残していくというお話ですから。
倫理的に如何なものか? と期待…もとい、危惧してました。
( どきどき )
で。
そこは上手く回避したと思いました。
ロミが1300年寝てしまうため、代わりにムーピーがやってくる
とはそうきたか。 0_0 なるほど
そして、最後の場面ですが
再びエデンに戻ったロミをジョージが出迎えたのにはびっくり。
(もちろんムーピーが化けたジョージな訳ですが)
で。
ちょっと待って と。
ロミも途中で若返ってるし、ムーピーが長命なのならば
二人でもう一度エデンで人口復活も出来てしまうのでは?
なんてことを想像してしまいました。
◇
原作の設定を、微妙に変更している今作
どちらが心に響いてくるか比べてみるのも面白いかも です。
※魂が故郷に帰った という感じの原作エンディングの方が
情緒感があって好きかなぁ…。
あ、あとひとつ。
火の鳥がほとんど自己主張していない気がしました。
(原作の火の鳥、相当「世話焼き」してます ・_・)
◇あれこれ
■火の鳥といえば…
ストラヴィンスキー。 違う。…いや、違いませんけど。
曲名を知っているけど聴いた事がない気がして、サブスクで
聴いてみたのですが、途中で寝落ちしてしまいました @_@ アレマ
科学忍法 火の鳥。…はガッチャマンですね。
言わずと知れたタツノコアニメの名作ですよ。 ラジャー!
※前に” ブ ” をつけると野原しんのすけです。ブラジャー ^~^
■火の鳥といえば…その2
過去の話と未来の話を交互に描いて
遠い過去(未来)の話から次第に現代に近づいてくる、という
構成で作品が描かれていたものと記憶しています。?_?…確か
完結していないと思ったのですが、最後に描かれたのは
何編だったのかなぁ。 と、再び遠い目…。
-------- 2023.11.17追記 -------- 書き忘れた~ @_@
■もっと優しく起こしてあげて
読み返して、気になった点があった事を思い出しました。
そんな大したコトでもないのですが…(でも書いちゃえ)
コールドスリープから目覚めるロミ。
冬眠装置は縦長の円筒形。素材は透明、中は液体で一杯。
その中で立った状態で寝ているようなのですが
解凍時は、円筒形の容器が上に上がり、腋芽溢れ
液体の中で漂っていたロミは、浮力(?)が無くなり
崩れるように、床の上に倒れていきます。そして目覚。
…なのですが …アタマとか打ちそうで怖いです +_+
起きるときを考えたら、ヨコ向きに寝かせた方が良いのでは?
と、思ってしまうのですが、タテの方が良いのでしょうか?
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
今晩は。いつもありがとうございます。
お詳しいですね。私は年代的に手塚治虫さんの漫画は良く知らないですが、今作は面白かったです。
彼の時代に壮大なファンタジーを描こうとしていた手塚治虫さんの凄さが、若輩者ではありますが、伝わりました。では。返信は不要です。今から読書タイムですので。