ナポレオンのレビュー・感想・評価
全76件中、61~76件目を表示
いつも心にジョゼフィーヌ。
1769年8月15日~1821年5月5日(51歳)を生きた新解釈のナポレオン・ボナパルトの話。
ある人の集まる食事会の時、夫を亡くしてるジョゼフィーヌと出会い、恋に落ち結婚したナポレオン・ボナパルトのストーリー。
歴史上人物にもナポレオンさんにも一切関心はないけど楽しめた!
戦争のやり合いの部分はスルーするけど、結婚したジョゼフィーヌがリアルは分からないけど作品上はナポレオンにとっては大きな存在ってのはよく分かった。
フランス帝国の皇帝まで上り詰め、政治、軍人のトップに立ち、男達の前では気を張り続けるなか、ジョゼフィーヌといる時だけは気を抜けて自分を出せる唯一の存在だったのかなと思いました。
氷上に大砲撃ち込むシーンは印象的!
上映時間は約160分位だったけど時間は感じず面白かったです。
中途半端
戦闘シーンは見応えがあり、特にワーテルローの戦いの方陣が観られたのはよかったです。
ただ、この映画、ナポレオンとジョセフィーヌの愛憎の遍歴に絞ったドラマにした方がよかったのではないかと思いました。
特にバネッサ・カービーの演技が素晴らしかったので、
歴史の知識がないとポカンとしてしまう繋がりの薄い脚本が何とも残念。
戦記ものでもなく、恋愛ものでもなく、どっちつかずの印象です。
ワーテルローの戦いは3日かけて決着がついているので、もう少し経緯をしっかり追ってほしかったです。
まあ、それだけで映画1本になっちゃいますけどね。
戦闘シーン目当てなら映画館での鑑賞をお勧めします。
老けたナポレオン
ナポレオンのドラマティックな生涯を映画として魅力的に再構成した作品。
というよりは、彼の人生における名場面集のような内容。
ナポレオンに関するある程度の知識を持っていないとおそらく展開が良くわからないので注意。
複雑な人間関係は凡そ省略され、ジョゼフィーヌとの関係性に焦点が当てられる。
しかし俳優の関係上、若きナポレオンの痴情を目尻のしわが深い中年男性が演じる。
そのせいか前半は滑稽度が増して、この作品で始めてナポレオンを知る人間は彼の偉大さを全く感じないだろうな、と思わせるものがある。
主人公であるはずのナポレオンが深く掘り下げられることもなく、どちらかというとジョゼフィーヌを通した一つのステレオタイプが描かれる。
ただし、舞台背景やセットは作品を通して素晴らしい。
特に戦争シーン絵に描いたような美しさを出すよう工夫されている。
そのためだけにでも見る価値はある。
イヤな予感はしていたが・・・
なんだろう・・・この高揚感の無さは。2時間半超えの映画で、豪華なセットで戦闘シーンも多く盛り込まれてるにも関わらず、全然引き込まれない。やはり人物描写が薄いんですかね。ナポレオンは掴みどころないし、ジョセフィーヌも何考えてるか分からないし(不妊って言ってたけど、ナポレオンの前の男たちとの子供がいたような・・単に当方の予習不足?)。ストーリーも詰め込みすぎたのか、一つ一つのエピソードが唐突すぎて因果関係もよく分からず、ダイジェスト感が拭きれませんでした。肝心の戦闘シーンも誰が何のために戦ってるのか分からないので、とりあえず有名な合戦盛り込みました的な印象で(ここは当方の予習不足が原因)。。衣装も撮影も、お金かかってるんでしょうけど、この監督が歴史物撮りまくってるので映像に"慣れ""既視感"を何度も感じてしまいました。
リドリー・スコット監督作は個人的にハズレが多くて、今回もイヤな予感を振り切っての鑑賞でしたが、連敗中です。4時間バージョンもあるとかないとか言われてるようですが、世に出ても観ないと思います。
歴史を動かした野心と愛憎
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
何もかもが重厚な歴史超大作。リドリー・スコットとホアキン・フェニックスのコンビなんだからハズれるわけが無い。
ホアキン・フェニックスの抑制した演技がナポレオンの底知れぬ野心を表しているようで、凄まじい存在感でした。
ジョゼフィーヌ役のヴァネッサ・カービーも圧巻で、ナポレオンと繰り広げる愛憎劇が歴史を動かしたのかもなぁ、と…
夫婦の姿にフォーカスしナポレオンの英雄像だけじゃないひとりの男、夫としての側面に迫る視点が面白かったです。
英雄もまた人間。愛欲に身を焦がし、栄光に縋ろうとする。膨大な屍を積み上げた先に何を得たのか。虚しかったです。
映画館でしか味わえない迫力とスペクタクルに全身が痺れました。体感時間あっと云う間。本当に158分ですか?(笑)。
[余談1]
トゥーロンの戦いの時点でナポレオンは確か24、5歳だったはず。49歳のホアキン・フェニックスが演じるには違和感がありましたが、そんなことを言い出せば大河ドラマだって違和感だらけになるし、考えないことにしました。
[余談2]
さてナポレオンは何回「グッド」と言ったでしょう?(笑)。
長編ながら退屈さを感じさせない作品
つい先ほど観てきました。
ナポレオン・ボナパルトが24歳の頃からこの映画はスタートします。
冒頭のショッキングなシーンから一気に引き込まれてしまいました。
ひとつの戦の勝利から、数多の犠牲を出しながらも勝利を収め続け、ひとりの女を愛し、最終的に“島流し(流刑)“に処せられ居場所を失った彼の半生を観ることが出来ます。
本作は史実に基づいてはいますが、それとは異なる点、脚色した場面もあります。忠実な歴史を学びたいのなら、本作は適さないでしょう。歴史と同時に面白さや興奮を求めるなら本作はうってつけです!
(彼の奇妙な行動を含め)全編を通して中だるみなく観ることが出来ましたが、ナポレオンの妻、ジョセフィーヌは彼と出会った時30代で、ふたりの出産経験があった事が明確になっておらず、鑑賞後少しだけ不満を覚えました。序盤のナポレオンがどう見ても20代に見えないのは、まぁご愛嬌です(笑)
少なからず暴力的な描写や、セクシーなシーンや不可思議なシーン(笑)がありますが、興味深く観られると思います。ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カーヴィーがとてもいい仕事をしているのでお勧めです。是非迫力のある映画館のスクリーンでどうぞ!
最強の男と最悪の女の組み合わせ
ナポレオンというコルシカの田舎者、家族愛が強い、睡眠時間が三時間というのが子供の頃に読んだ伝記で知ったけど、ハンサムではなく小太り、ずんぐりむっくりというのは年を取ってからのイメージなのかなと思ってしまったわ。
美人の奥さんを溺愛しているけど、結婚当初は報われないというのは彼女が年上で未亡人、恋愛に関して自由主義というか、奔放なところもあったから、そういうところではナポレオンとはちょっと相容れないところがあったのかなあと思ったわ。
戦うことに関しては最強の男、でも妻の前ではただの男というのが、映画ではひしひしと感じられたわ。
映画の出だしからアントワネットの処刑、微動だにしない表情がない表情は自分の運命を知っているみたいで、しかし、処刑台に上がる彼女の姿とは反対に熱狂する市民。
音楽が明るいというか、コメディ映画のようで、市民にとって、ギロチン処刑はあ鬱憤ばらしの祭りなんだなあと思ってしまったました。
ナポレオンは見た目、決して女性にモテるタイプで見えないけどジョゼフィーヌ、実在の彼女は陽気な未亡人と皆から人気があったみたいで、そういうところが彼の琴線に触れたのか。
戦いに行っても彼女から手紙が来ないことをすごく心配しているし、浮気されても離れないのは愛もだけど執着もあるのではないだろうか。
晩年というか、結婚後になって彼女もナポレオンのことを好きになったみたいだけど、そこは愛だけではないものも色々とあったと思うのだ。
彼女には子供もいたし、浪費家で贅沢が根っから身についているし、反対にナポレオンは若い愛人との間に子供を持っても本妻を捨てきれない。
それは愛ですとは簡単には言い切れないものが腹の中に渦巻いていたのではと思うのだ。
一人の男の人生が、この映画では描かれているけど、終わってみるとあっさりというか、軍神と呼ばれた男の人生が幸福だったのか、そうでなかったのかわからない。
戦いばかりで虚しくなかっただうろか。
家族愛が強いみたいでマザコンかなと思うようなところもあったり、そのせいで妻と自分の親戚の関係は良くなかったみたいだし。
栄誉と金はあった、戦うことに関しての才能もあった。
映画が終わった後、ナポレオンという男の姿が自分の中には残らなかったのが、不思議だった。
内容も戦って勝利して、でも最後には負けて何が残ったのか。
フランスも軍隊も妻も皆、彼を残してすり抜けていく。
市民、軍人の喝采も拍手も、過去のもの。
コルシカの若者が成り上がっていくというシーンから観ていれば、違った感情も抱いたかもしれないけど、出だしから相応の歳の男が勝っていく姿を見たので、人生はそんなにうまくいくのか。
疑問を抱くというより、感じてしまったわ。
英国人視点?
フランス
西ヨーロッパ最大の共和制国家
16世紀に成立したブルボン朝で
絶対王政は隆盛を極め近代にまで
続く植民地保有国家となったが
圧政に18世紀には啓蒙思想の普及から
フランス革命が起こり民主化へ
世界でも最初に「自由平等・国民主権」
といった民主主義政治を初めそれに
まつわる様々な問題を経験しながら
現代まで続いている国家である
フランス国歌はフランス革命の
キャンペーンソングなので
「やつらの不浄な血で大地を染め上げよ」
など国歌とは思えない過激な歌詞
なのである
今作はそんな民主化された
フランス創世記に皇帝の座に就いた
ナポレオン・ボナパルトの
生涯を巨匠リドリー・スコットが描いた
果たしてどうだったったか
ナポレオンは
フランス革命後の混乱に陥った
フランスの領土を周辺国家が
みんな狙ってる中で
軍師としての類まれなる才能で
バンバン勝って見せ
英雄のカリスマを確立した人
というイメージがありましたが
同時に恐ろしく冷徹な判断も
下せる人だったという部分も
ホアキン・フェニックスの
怪演とともに浮き彫りにした感じ
そして最初の妻ジョゼフィーヌ
への愛に飢えた男・・
なんですが160分近い尺にも
関わらず
戦って・妻に会って・戦って
の繰り返しに思ったほど
カタルシスを感じませんでした
あたかもナポレオンが戦いにしか
能がないかのような描き方に
首をかしげる部分もあります
司馬遼太郎が
軍神とまで言われた
乃木希典を「坂の上の雲」で
さんざディスったのを思い出して
しまいます
ナポレオンは確かに
戦いばっかしてロシア遠征の
大失敗とワーテルローの敗戦で
終わった人みたいに歴史では
残ってますが実は内政も優れた
人でフランス国内の産業保護
何よりナポレオン法典は
信教の自由や平等を保証
しておりその後の世界中の
民主主義国家の憲法などに
多大な影響を与えたと
言われています
全然戦争バカではなかったのです
その戦争に関しても
騎兵・歩兵・砲兵の役割分担や
ビン詰めの保存食の発明など
戦地における食料や物資の
流通「兵站」という概念を
変えたと言われています
普通に有能な人です
でもこの映画はそうした
部分はほぼ描かれません
英国人視点なんですかね
85歳の「サー」
リドリー・スコット
の作る映像的な迫力は凄まじく
序盤のナポレオンの馬が
砲丸に撃ち抜かれるシーンは
思わずうおっと
声が出てしまうほどだし
王党派の市民に平然と
大砲を放ちバラバラに
なっていく人間たちの
シーンは絶句します
(ブドウ弾という殺傷力を
高めた散弾を使ったらしいです)
そうした英雄か悪魔か
という部分に関しては
ホアキン・フェニックスの
不穏な緊張感は良かったです
案外アクション映画でよく見る
ヴァネッサ・カービーも
相変わらず美しい
ヘレン・ミレンみたいになって
いくんでしょうねぇ
160分あったけどトイレに行きたい
とは思うことはなかっただけの
映像ではありました
観終わって出てきてから
結局?うーん?という
感じでしょうか
最近北野武監督の「首」も
観たせいで
冒頭のギロチンにかけられた
マリー・アントワネットの
首が掲げられるところでは
またかいと思ってしまいましたが
この2本はテーマ的にも
セットで観てもいいかも
しれませんね(笑)
ホアキン主演に、悪い予感的中・・ ★3.7 (途中からネタバレ)
ホアキン・フェニックスが主演と知った時、悪い予感がしたが当たってしまった。 歴史物語は動くが、心は動かない・・。 過去のホアキンの出演作は10作ほど視聴してるが、演じる役が好きになったり、感情移入した事がないのである。 「ジョーカー」では、役が本人か!と思うぐらいの 圧倒的存在感 でアカデミー主演男優は確実! の演技だったが、その演技を超える狂気に当然好きになれる役ではなかった。
(「her/世界でひとつの彼女」での主人公は唯一やや人物の魅力を感じたが)
本作のナポレオンも、戦闘時のずる賢さには特異な才能を発揮するが、稚拙な素行に好感や憧れを抱く存在ではない。
その妻ジョゼフィーヌを演じるヴァネッサ・カービーも、視聴した過去5作で、存在感はあっても好感を抱いた役はない。
すなわち、主演二人がそれほど魅力ある役を今まで演じてない役者というのが、私的な印象。
もちろん、当人の実像がそうだったから、それにピタリの役者を選んだのであろうが、そこはエンタメなのだからワンパートだけでも、もう少し生き生きとした人物像を演出して、こういう所は好きなんだが・・ぐらいに描いてもよかったのではと感じる。
まあ、戦闘時に自陣で指揮を執るだけでなく、敵中に自ら突っ込んで行く描写には感心するシーンもあったが、役の好感度が上がるほどには感じなかった。
が、戦闘シーンはさすがのスペクタクルで、
戦争映画は山ほど見てるが、今作が唯一と言えるシーンも序盤にあった。
↓ ここから ネタバレ含む
それは、主人公が乗っている "馬" が被弾し、肉片が飛び散るシーンだ! 銃弾や弓矢が馬に当たり、血が噴き出す・・ぐらいのシーンは今まで何度も見たが、砲弾で爆発したかの様に馬肉が炸裂するシーンは衝撃だった。
(これぞ、CG技術を上手く使った実例と思う)
そして戦術そのものも、闇夜の奇襲や、氷上に敵をおびき出してから、
砲撃でその氷を割り沈めるというシーンや、背を内にして何重もの鉄砲隊の円陣形を作り、死角なく敵を打ちまくる(これは敵のイギリス軍戦法)等、理にかなった戦法が見せ所になっている。
戦闘シーンそのものも、出兵する兵の数が増すごとに戦場もスケールも広く大きくなって、ワーテルローの戦いでは、エキストラがスゴイ数なのか(後に約8000人と知る)、CGなのか判断出来ないが、夥しい数の兵が激突する。
が、トータルで4度の戦闘を描いているので、ひとつひとつが中途を割愛状態でのシーン展開で、やや消化不良なイメージになってしま事が惜しい。
唯一、やや心の針が動いたシーンは、流刑されたナポレオンが勝手にフランスに戻って、フランス兵達に銃を向けられる場面。 丸腰でコートの胸をはだけ軍服を見せ「我が兵よ、我を覚えておらぬか!」と問いただし、敵意を喪失させ、再び自身の見方にしてしまうシーンには今作でたった一度の感動シーンだった。
全体的に戦闘が見応えあるも、ドラマパートのナポレオンがふざけているシーンさせ、人としての温もりを感じず冷めて見えてしまい、淡々とした描写に感情は動かず、史実だけが流れている様に感じた。
まあナポレオンの伝記を読む代わりに本作を見た方が、印象に残るので歴史の勉強にはなるが、映画としては及第点よりややまし・ぐらいの評価に。
リドリースコットは、黒澤明の次に好きな監督であったが、近作は期待以上の出来にあらず・・。
歴史的視点がない
歴史の流れの中で翻弄されるナポレオンではなく、単にナポレオン本人の自分史。歴史に関する深堀もない。同時代の様々な階級の人々への描写もない。様々な国の政治的思惑も薄い。きっとナポレオン時代の歴史をよくご存じのヨーロッパの人々なら楽しめただろう。しかし、名誉欲に溺れたりせず常に冷静なナポレオン像は真実に近いものがあったのではと思いました。歴史を知りたいという人はガッカリすると思います。
最高の映画
アウステルリッツの戦いは、特に圧巻だった。氷に気付いた時の敵兵の演出や、その後の溺れていく場面。まさに観てるこちらまで戦場に立たされてるみたいだった。これは映画館で観たからではなく、例え小さなスマホの画面越しに観たとしてもきっと同じ感想を抱くと思う。
マリーアントワネットの処刑シーンから始まり、淡々と勝利をあげていく輝かしい時代を越え、最後は静かに老いぼれていく描写も素晴らしかった。
一冊の長い小説を読んだ時と同じ読了感でした。
この映画を思い出せるよう、自分用のレビューです。
ナポレオン役が初老のおじさんなのでカリスマ的なカッコ良さや覇気があまりなかった
誰もが名を知るナポレオン。
フランス革命時代の英雄のようなかっこいいイメージだが
こんなことを言ってはなんだが、演じていた役者が初老のおじさんだったのであまりオーラや覇気がなくカッコ良さがなく残念でした。
おまけに2人目に親と子ほども歳の離れてる少女を妻にしてロリコンの四文字が頭をよぎった。
時代が時代だから後継ぎや名家との関係もあるから仕方ないが。
マリーアントワネットのシーンが一瞬しかなかったが処刑されるというのにとても美しく凛としていてさまになっていた。
予告ではその颯爽と歩いてる時が音楽と合わさってすごくかっこよかった。
最後らへんで各戦いと戦死者の数がのってたが、それを見てとにかく戦争は愚かなものだと思った。
結局ナポレオンも指示してるだけで戦わせてる兵士たちや市民が犠牲になるだけで何もそこから生まれない。
昔の歴史の話のように思えるが未だにロシアやイスラエルなど現代でも同じような事を繰り返していて人間は実に愚かな生き物だと痛感した。
とにかく上映中に聞いたことある有名な戦いや島の名前が出てきて、世界史のいいおさらいになった。
カネがかかってるのは分かるが…
「皇帝」であり「将軍」である「外面」と、
「妻に頭が上がらない夫」であり「子供を授からない悩み」を抱えた内面、
を並行して描く、というなかなか共感しづらい構造。
彼が戦場で勝利をするのは、妻に認めてもらいたいからかな、と思えてしまうような「ちっちゃい男」をホアキン・フェニックスが演じる。
でもね、面白くないのよ。
共感しづらいキャラだし、長いし、戦闘シーンはカネがかかってることは分かるけど、
「迫力」より先に、「何この消耗戦」って思えちゃう。
こーゆー歴史モノを面白く作るって難しいのかな。
素晴しい! 代表的な4大バトルを再現したスペクタクル映像に圧倒される158分
小中学生の時に「エイリアン」「ブレードランナー」を観て衝撃を受け、以来大ファンになったリドリー・スコット監督の最新作
とても楽しみでかなりハードルの上がった状態で観ましたが、期待通りの見どころ満載の作品に大満足です
本作は何と言っても大迫力のバトルシーンの数々に圧倒されるのが魅力ですが、その前に本筋を。
ナポレオンの栄枯盛衰と彼が生涯愛した妻(子が産めず無念の離縁となるが)ジョゼフィーヌの歪んだ愛がベースとなりストーリーが展開します
ジョゼフィーヌは感情をあまり出さず何を考えているか判りにくく、更にナポレオンが留守中に愛人を連れ込んで快楽にふける様な、かなり”イっちゃってる”女性、そんな女性を愛し続けたナポレオンも相当に普通じゃない人だったんですかね、二人の関係は全く理解できませんでした
そんな二人を演じるホアキン・フェニックスさんとヴァネッサ・カービーさんの演技が圧倒的で素晴らしかったです
そしてとにかく映像が素晴らしすぎる
19世紀初頭のヨーロッパ、特に数々の宮殿内外のロケーション、そして灼熱のエジプトから極寒のロシアまで、強いハイコントラストの重厚な映像で魅せまくります、これを劇場の大画面で観るだけでもうっとりします
そして確実に映画史上に残るであろう、ナポレオンが指揮した下記に記す代表的な4大バトルを再現したスペクタクル映像がとにかく凄まじすぎます、その風格は生涯ベストの1つ名画「ベン・ハー」の戦車バトルと互角に感じました
若きナポレオンが武功をあげ出世した”トゥーロンの戦い”
氷上に敵をおびき寄せ、大砲攻撃で大軍勢を湖底に沈めた”アウステルリッツの戦い”
60万の兵で出兵するもロシアの極寒の地での苛酷な環境に大勢の兵を無くし、わずか4万の兵での帰還となった”ボロジノの戦い”
イギリスとプロイセン連合軍に完膚なきまで叩きのめされ流刑となり、人生最後の戦闘となった”ワーテルローの戦い”
ナポレオンはこれらに代表される全61回の戦いを指揮し、それによる戦死者は300万人以上を数える、というラストクレジットに驚き、それで得たものは一体何だろうか、と心が痛みました
この様な作品が劇場の大画面と大音響で観られる事が素晴らしい体験だと思ますし、つくづく映画って本当にいいなあ、と思わせてくれる、最高に幸せな時間を過ごせました
【”フランス、陸軍、ジョゼフィーヌ。”フランス革命後、一気に皇帝にまで上り詰めた男の終生一人の女性へ愛を捧げる人間的な姿と、戦での非情な姿を描く。数々の戦場の迫力溢れるシーンも見事な歴史大作である。】
ー この物語は、冒頭フランス革命により断頭台で斬首されるマリー・アントワネットの姿から始まり、混乱のフランスの中勢力を拡大し皇帝にまで上り詰めるナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)の姿と、若き頃見初めたジョゼフィーヌ(バネッサ・カービー)を終生愛し続けた姿を、並列に描いた作品である。-
◆感想
・この作品は、ナポレオン・ボナパルトを英雄としては描かずに、一人の悩める男として描いている。そして、可なり史実に忠実に描いている。
■ジョゼフィーヌを演じたバネッサ・カービーの妖艶な美しさは見事である。
一目惚れしたナポレオンが初めて二人で逢った時に、椅子に座り足を開けて”覗いて御覧なさい。”と言うシーンの妖艶な表情や、子が出来なくてナポレオンと別れる儀式の際のやつれた表情も印象的である。
・ナポレオンがエジプトへ出兵している時に、ジョゼフィーヌに愛人がいる事を知ったナポレオンが戦を部下に任せて、フランスへ戻る姿。
ー どれだけ、愛してるんだ。戦地からせっせとジョゼフィーヌに手紙を書いている姿。
ナポレオンが寝ている時に、ブルーチーズの匂いを嗅いで、”ジョゼフィーヌ、今宵はもう満足じゃ・・。”と言ったという艶っぽい小咄を思い出す。-
■今作のもう一つの魅力は、彼が名を挙げたトゥーロンの戦いや、ロシアとオーストリア軍とのアウステルリッツの戦いや、ワーテルローの戦いでの、迫力溢れるスペクタクル映像である。
現在、これだけの映像を撮れる監督が何人いるであろう。
流石、リドリー・スコット御大である。
・一度はロシア遠征で失敗し、その後も斜陽となって行くナポレオンがエルバ島に一度は流されるも、ほぼ単身フランスへ戻るシーン。
ー 彼の前に立ちふさがる銃を構える大隊の兵士たちに対し、怯まずに語りかけ、最後は大隊の兵士たちが”ナポレオン皇帝!”と叫び、彼を受け入れるシーンは沁みたなあ。-
・だが、”百日天下”の後、ワーテルローの戦いでの広大な平原での英国軍との一騎打ち、そして駆け付けたプロイセン軍に敗北し、ナポレオンはセントヘレナ島に幽閉されるのである。
<今作は、一人の野心触れるフランスを愛した男が、一人の女ジョゼフィーヌを終生愛しつつ、一気に皇帝にまで成り上がる姿、そして、その後徐々に勢いを失って行く姿を、数々の戦の迫力溢れるスペクタクル映像と、ジョゼフィーヌへの愛憎に苦悩する人間的な姿とを並行して描いた歴史大作なのである。>
全76件中、61~76件目を表示