劇場公開日 2023年12月1日

「英国人が描くフランス」ナポレオン じゅんぢさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0英国人が描くフランス

2023年12月3日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

知的

英国人のリドリー・スコットがフランスの英雄ナポレオンを描く。なぜ?
ナポレオンを演じるホアキン・フェニックスは様々な民族の血が混ざっているので、ナポレオンの出自からすると最適なのですが・・・。
結論から言うと面白くなかったです。ただ飽きる事はなかった。
戦争シーンは迫力あるし、何より怪優ホアキン・フェニックスがここでも見せてくれるので、彼が出てるだけで異様な雰囲気がスクリーンから発せられるます。
でもそれだけ。
フランス革命からワーテルローの戦いはヨーロッパ史では常識なせいか、描写があっさり過ぎ。何よりもナポレオンとジョセフィーヌの関係が全く面白くないのにやたら時間を費やしている。
そもそもリドリー・スコット監督に(下手だから)男女のドラマなんて求めてはいないのに、監督自身がそれが下手なのを自認していないからだと思う。
でも一番ガッカリしたのは普通のワイドスクリーンの映画だったこと。
ナポレオンにまつわる映画は意外と少なくて、すぐに思い浮かべたのは1927年のサイレント映画。それをフランシス・フォード・コッポラが復元し、日本では黒沢明監督が協力して公開された、オーケストラ伴奏の3面マルチスクリーン上映のもの。
それがあるからフランス史なのに、映像派リドリー・スコットがナポレオンを撮って、最高の絵と音に拘った絢爛豪華な映画になると期待したのになあー、至って普通の歴史劇である。
これなら2部作にして、砲長から皇帝に登りつめる栄華を描いた前編と、ロシア進行からワーテルローの戦いの敗北を描いた後編でじっくり観たかった。

じゅんぢ
かせさんさんのコメント
2023年12月15日

リドリー作品のロマンスといえば、デッカードとレイチェルとか、あとええーっと、リプリーとエイリアンとか……おお神よ。ってなりがちですね。
『ハンニバル』は、原作よりもラストだけは好きです。

かせさん