「信念」サウンド・オブ・フリーダム めるさんの映画レビュー(感想・評価)
信念
映画の中で描かれていることは本当に恐ろしい現実のごく一部なのであろう。非常に闇が深い。
幸せに暮らしていた家族がある日忽然といなくなる。ニュースやフィクションの世界やと思っていたことが、現実に起きている。オープニングで実際の連れ去り映像が出てくるが、いとも簡単に物のように連れ去ってしまう。連れ去られた子どもたちがその先どうなるのか考えたくもないが、我々大人は現実を知る義務があると思う。どの国でも起きることなんやろうなと。この映画はそんな連れ去り被害にあった子どもを救うために闘う人たちの話。
この映画で救われた子どもたちは本当に一部の人たち。120人という人数は実績としては素晴らしいんやろうけど、トカゲの尻尾きりで人身売買に関与する人たちがいなくならない限り被害者の数は増え続ける。救われた子どもはその後のケアもきちんとしないといけない。救われたその後と、映画の中では描かれていない現実に救えていない子どもたちのことを考えてしまった。
子どもたちの家に帰りたいと泣き叫ぶ姿が頭から離れない。物語は多少脚色している部分もあるんやろうけど、スタッフや出演者たちの現状を変えたいという信念が伝わってきた。
エンドロール中に、QRを読み込んでねというのも斬新。ジムカヴィーゼルがこの映画に対する思いを熱く語っていたが、私も観終わった後にこの映画を多くの人に観てもらうために感想を伝えたいと思った。現代のアンクル・トムの小屋になってほしい。映画を観ることで少しでも貢献できたらいいな。
コメントする