サウンド・オブ・フリーダムのレビュー・感想・評価
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大人の欲望に搾取される子供たち
この作品は外野がとてもうるさく、それが雑音になってしまっているのがとても残念。
正直実話と謳っていても、全てを鵜呑みにするわけではないし、エンタメに変換する際に事実とは異なることも描いているとは思う。
今回の作品に関しては、人身売買が実際に行われていることは事実で、今この瞬間も罪のない子供たちが大人の欲望に搾取されている。それは紛れもない事実だ。
なのでQアノン信者作品だの、実在のティムが起訴されてるだのよりも、作品のテーマについて考えたい。
この非道が行われている事実をより多くの人に知ってもらい、それを阻止するための法案や厳罰化や国際協力がもっと活発になれば良いなと思った。
映画としての評価は…
胸糞悪い展開が続くけれど、直接的な描写はなく、THEアメリカといった感じのヒーロー物語になっていて見やすい作品でした。ひとり単身で敵のアジトに乗り込む展開は、24のジャックバウアーを彷彿とさせ、さすがにあの展開はフィクションだとは思うけれど、ハラハラした。
鑑賞後はやるせ無い気持ちにもなるけれど、世界中の子供達が、幸せに過ごせる世界になりますようにと祈らずにはいられなかった。
カヴィーゼルの静なる熱量が魅せる
思いがけない骨太な作品だ。愛する我が子を人身売買組織によって忽然と奪われる父親の姿がショッキングな冒頭シークエンスを抜けると、舞台は一転してアメリカへ。政府捜査官として人身売買犯罪を追うジム・カヴィーゼルに主軸が定まった後は、一本の線を手繰り寄せていくかのような執念と根気を要する追跡劇が始動。ストイックな描写、時に挟み込まれる静謐なカメラワークも相まって、我々はこの事実をベースにした物語の語り口に自ずと引き込まれていく。幼い姉弟を演じた子役らの演技も素晴らしいが、やはりカヴィーゼルの静なる熱量こそが本作の原動力と言っていい。彼の頬を伝うひとすじの涙。そこには一人の父親として、捜査官として、人間としてのやるせない思いや葛藤が象徴されている。その思いは人から人へ伝播していく。単なるサスペンスとしてのみならず、本作自体がある種の使命感に突き動かされて製作されたことが伝わってくる誠実さも胸を打つ。
神の子供?
監督と脚本は『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』のアレハンドロ・モンテベルデ
脚本は他にロッド・バール
実話がベースになっている
ティムがボスを退治したのは創作だろう
ペドフィリア相手に児童人身売買を請け負うコロンビアの犯罪組織と戦う捜査官ティム
主なロケ地
カリフォルニア州カレクシコ(メキシコとアメリカの国境付近)
コロンビアのカタルヘナ
子役オーディションを名目に他のホンジュラスの子どもたちと共にコロンビアの犯罪組織に誘拐されたアギラル姉弟
弟のミゲルは幸運にも偶然救出できたが姉のロシオは誘拐されたまま
ミゲルの強い願いもあってティムはロシオ救出を目指す
BGMで雰囲気をもたせている
ティムとボスとの格闘
ちょくちょく画面が黒くなる演出
ロシオがたびたび目を瞑るから
監督は真面目な人なんだろう
映画は真面目だ
奴隷をテーマにエンタメに振り切れることはできないアメリカの歴史がある
神の子供は売り物じゃなんかじゃない
贖罪である
配役
アメリカの元政府職員のティモシオことティム・バラードにジム・カヴィーゼル
エル・カルテルの元会計士でティムの協力者のパンピロにビル・キャン
ホンジュラスのテグシガルパ出身の貧しい二児の父親のロベルト・アギラルにホセ・ズニーガ
ロベルトの娘のロシオ・アギラルにクリスタル・アパリチ
ロベルトの息子でテディ・ベアと名付けられた少年のミゲル・アギラルにルーカス・アビラ
ティムの上司のジョン・ブライアントにカート・フラー
似顔絵を配布するHSIの女性職員のターニャにヴァレリー・ドミンゲス
ティムの相棒捜査官のクリスにスコット・ヘイズ
コロンビア警察の警部のホルヘにハビエル・ゴディーノ
捜査に協力する地元の富裕層で不動産開発会社のCEOのパブロ・デルガドにエドゥアルド・ベラステーギ
小児性愛の容疑者のアーンスト・オシンスキーにクリストファー・アヴェディシアン
ジゼルと呼ばれる児童売買加担者でミスコンのミス・カタルヘナに選ばれたカティ・ファレスにイェシカ・ペリーマン
ナイトクラブの経営者で元エスコバルの護衛のエル・カラカスにグスターボ・サンチェス・パラ
ジゼルの知り合いの弁護士のカルネにマウリシオ・クジャラ
カルネの護衛のドーベルマンにヘクター・ルクミ
ジゼルの仲間で児童売買仲介者のドン・フエゴにマニー・ペレス
ジゼルの中間のアドルフォにカルロス・ギテレス
少年を買うマダムの夫のアール・バックマンにゲイリー・バサラバ
少年にテディベアと名付けるメキシコのマダムにアリナ・ロザーノ
FARCのリーダーのサソリことエル・アラクランにヘラルド・タラセナFARCのリーダー
アルクランの手下のチェチョにアリエル・シエラ
アルクランの手下で川の監視人のバンバンにジェイミー・ニューボール
アルクランの手下のピラーナにハイロ・オルドネス
アルクランの手下のグスタボ・アンガリータ・ジュニア
アルクランの手下のジェームズ・クアットロチ
誘拐された男の子のシンバにサムエル・リビングストン
誘拐された少女にアラニス・エスコバル
誘拐された少女にアリソン・ソト
誘拐された少女にカレン・カルドナ
誘拐された少女にシャロン・ペレス
ティムの妻のキャサリンにミラ・ソルビノ
ティムの娘のミランダにエステラ・モンテベルデ
ティムの娘のフロールにマリア・フェルナンダ・マリン
ティムの息子のカレンにジェロニモ・バロン
ティムの息子で次男にイーサン・ロエステ
伝道団のメンバーにジョセフ・フゼシー
伝道団の看護師にアリ・ランディー・モンテベルデ
伝道団の医師にカミーロ・コルメナレス
HSIの大使館のエージェントにマット・オズボーン
HSIの特別捜査官にターリー・ジョージズ
CTIのエージェントにアレハンドロ・ムエラ
カラカスのクラブの用心棒にエドアルド・ゴメス・モンテベルデ
自由の音を聞く為に
一昨年(2023年)の全米夏興行で、一本の作品が公開。それは高評価を獲得し、予想を上回る大ヒット…。『バービー』や『オッペンハイマー』ではない。
製作費1500万ドル未満のインディーズ作品ながら、同時期公開のメジャースタジオの巨額予算超大作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』を上回る成績を上げ、2023年の全米年間興行ランキングで並みいる大ヒット作と共に10位にランクインする快挙…。
最も驚きなのは、その題材。こんな事が現実に起きているのか…!
ずっと気になってた作品。
中米のとある町。歌う事が好きな一人の少女。
一人の女性が訪ねてくる。芸能プロダクションのスカウトらしく、少女の歌声が気に入り、父親を説得し、幼い弟共々スカウト。何かのオーディションらしく、多くの子供たちが集められていた。
子供たちを託した父親が夜迎えに行くと…、そこはもぬけの殻。
騙され、誘拐された。人身売買組織の犯行だった…。
人が人を売り買いする。奴隷制度があった時代じゃあるまいし…。
組織が扱うのは子供。
売られた子供はゲス連中に性の奴隷(おもちゃ)にされる…。
人身売買、児童誘拐、性犯罪…。数ある犯罪の中でも鬼畜の所業。
こんな事が本当に起きている。そしてそれが、闇の巨大ビジネスとして成り立っている。
許されていい訳ない。のうのうと成り立っていい訳ない。
組織の壊滅や関わった者の逮捕も絶対だが、最優先は子供たちの保護。
命懸けで挑む元米国土安全保障省の捜査官ティム・バラードの実体験に基づく。
社会派作品だが、ミッションはエンタメ作品のようなスリリングさ。
買い手に扮し、売り手に接近。囮捜査。
自身もその世界に内通。同じくその世界に内通している協力者と連携して。
大規模作戦を発案。無人島に売買専門のリゾートホテルを造り、売り手を伝って情報を流し、誘き寄せる。連れて来た所を、一網打尽。
勿論単独では無理。資産家や地元警察と協力。
一捜査官の立場や権限も超える作戦。法も限界で、上司からも窘められる。
が、ティムは諦めない。上司を説得し、協力者に直談判し、法や省も限界なら辞して個人で動くほど。
彼を突き動かす信念とは…。
ただただ、子供たちを救う為。それ以外にあるだろうか…?
無垢な子供たちが鬼畜大人たちの欲望のままにされる。傷付けられる。汚される。
それが子供たちにどんな傷痕を残すか…?
真っ当な大人…いや、人なら誰だって思いは同じ。
何としてでも救いたい。
それと、もう一つ。約束。
開幕で誘拐された姉弟の弟を保護。
約束した。お姉ちゃんも必ず助ける、と。
彼らの父親は、娘の居ないベッドを見る度に夜も眠れないという。
君は眠れるか…?
自分だったら…? ティムにも子供がいる。
親として気持ちは痛いほど分かる。たくさんそれを見てきた。
任務中は常々危険に晒される。一歩間違えたら、命も…。
よくこういう場合、家族と意見がぶつかるが、ティムの妻は後押し。夫の仕事を理解し、省を辞した時も。(ミラ・ソルヴィノ、お久し振り!)
家族や協力者がいて、信念を貫ける。
大規模作戦で10人以上の売買人を捕まえ、50人以上の子供を保護した。
が、そこに約束した姉は居なかった。
捜索を続行する中、居るであろう場所が推定される。
南米ジャングルの奥地。しかしそこは、無法ゲリラ地帯。最も危険な地域で、誰も近寄らない。
さすがに今回ばかりは周りも止めようとするが、ティムの信念は変わらない。
国連派遣の医師に扮し、危険極まりないその地へ赴くが…。
脚色はあるだろうが、本当にこんな体験を…?
だとしたら、衝撃戦慄過ぎる。
故居から連れ去られ、遠く遠く離れた、この世の果てか地獄のような場所。
そんな所で性と労働の奴隷にされ、希望は微塵も無い。
ゲリラどもは悪鬼。いや、悪魔だ。
ティムは少女を見つけ出し、救出して共々無事帰って来られるか…?
製作したインディーズ会社は宗教映画を多く作っているらしく、本作にも宗教観がちらつく。主演ジム・カヴィーゼルも敬虔なカトリック教徒だ。
だが、そこまで宗教色は濃くない。ズシンと響く社会派サスペンス力作。
神のお助けではない。正しき心を持った人たちの尽力なのだ。
EDのスーパーにまたまた戦慄。
人身売買ビジネスは1500億ドルをも超え、麻薬密売に匹敵するほど。
売買される人の数はかつての奴隷制度時代を上回るという。
本当に世の中、狂っている…。
救出された子供たちが歌う“自由の音(サウンド・オブ・フリーダム)”。
それが聞きたいんだ。
その為に彼らは奔走し続ける。
ドッキドキ。偉いアメリカ人もいるもんや
これが実話に基づくと最後にも表示された時の鳥肌たるや。
人類史上、直近が最も人身売買がなされている。最大の消費地の1つはアメリカ、と聞く時の胸の悪さと、実際に危険を犯して子供らを救いに行く男性もアメリカ人であると理解した時の複雑な心境が趣深い。
ドキドキし過ぎて画面から目を離したくなる。けど離せない。素晴らしい映画でした。
社会の闇を描きながらしっかりエンタメ
『クーリエ:最高機密の運び屋』という旧ソ連軍の高官とCIA及びMI:6からの依頼を受けてスパイ活動に身を投じた営業マンとの交流を描いた事実ベースの作品を見たばかり・・・。
その映画に触れて「人間は合理的に動くことの無い利他的な生き物」という普遍的な哲学を改めて学んだけど、この作品もそういう意味で同じテーマに沿っているといえる。
予定調和に惑わされず、損得勘定無く崇高な意思をもって仕事に向き合える人は本当に凄いと思う。
映画鑑賞中に辛過ぎて涙を流したのは初めての体験です😢
大人の歪んだ欲に理不尽にも翻弄される貧困に喘ぐ子供たち・・・。
昨年見た『人間の境界』や『ビヨンド・ユートピア 脱北』もかなり重かったけど、この作品はちゃんとエンタメになっていて、アクション映画ファンにも響くはず。
この作品がもっと世の中に広まってほしい。
子供達の声を救う
現在進行形?
何にも出来ない(しない)自分に落胆しつつも。
世界には膨大な暗部がありますが、子供が搾取される、しかも性的な搾取も含められている。正直、歯を食いしばりながら観なければならないシーンもありました。辛い。こんな事が現実に起きているというショックで暫く呆然としてしまいました。しかし、だから自分が何か行動を起こすかと言えば特に何もせず、またいつもの日常。言い訳の様ですが、何かしようにも、余程の立場とエネルギーが無ければ何もできない様な気もしますが。地獄の様な場所にいる人々がいる一方、今日も私の周りはこんなにも平和で豊か。本当に有難い。人は何処までも不平等ですね。所詮高みの見物な自分にはこの程度の想いまでしか到達しません。とは言え、コレは映画。めちゃくちゃヘビーな内容なのに最後まで観れたのは映画として面白かったから。あの子達を助けたい。どう助けるか?誰がどう心変わりし、行動するのか。本物のヒーロー映画。涙が出るほどかっこ良かった。◯ベンジャーズよりも良い!笑 本物のヒーローでした。感動しました。私は無力で無知でヒーローとは真逆の様な人間ですが、真のヒーロー達を心から応援したい。頑張れ。そして、助けられる立場の人、立ち上がれる人、頑張れ。お願いします。この世界に自由の音を少しでも。
求道者のように職務に専念する主人公はやっぱりジム・カヴィーゼルが演じると説得力あるなぁ、と妙に納得してしまう一作
国際的な人身売買組織に立ち向かった実在する元連邦捜査官、ティム・バラードの体験に基づいた物語。冒頭の胸が締め付けられるような児童誘拐場面から始まって、終始「何とかこの子たちを助けて…」と祈らずにはいられない展開が続きます。
もちろん創作も含んだ物語ですが、バラードの扱った事件を下敷きにしているので、当然誘拐された子供たちが知略を発揮して犯罪集団を出し抜いて窮地を脱出、などと都合の良い展開が起こるはずもなく、全てはジム・カヴィーゼル扮する捜査官、バラードらのチームに託されます。
このバラードが身の安全も家族も顧みず救出作戦を遂行していく様は頼もしくもあるんだけどどこか超然としたところもあって、彼の意図を汲み取れない同僚たちからも困惑の表情を向けられる始末。『シン・レッド・ライン』(1998)や『パッション』(2004)で文字通りの殉教者を演じたカヴィーゼルだからこそ説得力がある人物像でした。
犯罪集団の面々の頭に色々隙がありすぎて、捜査機関と犯罪集団の対決という面では少し物足りなさを感じなくもないけど、しかしそれで誘拐された子供たちの安全が確保されるわけでもないので、どのような展開に至るのか、最後まで緊張感をもって鑑賞することになります。時折流れる子供たちの歌と踊りの美しさと自由であることのかけがえのはなさは表題になるだけあって強烈な印象として伝わってきます。
なお本作は、主人公のモデルとなったバラードと主演のカヴィーゼルがそろって陰謀論を擁護する言動をしていたとして、妙な形で話題を提供してしまいました。最近になって米国政府が国際的人身売買組織を摘発したという、この作品をなぞるような事件が報道されましたが、それによって本作に再び注目が集まるかどうか。
自由の音を取り戻す、その日まで。
甘い言葉で囁き、年端も行かない純粋な子供たちを言葉巧みに操り、その人生全てを奪い去ってしまう児童人身売買。
アイデンティティである名前すらも奪うという鬼畜の所業だ。
児童誘拐、人身売買、性的虐待、国際的性犯罪。
それらの闇に挑んだ捜査官の実話を元に描く、犯罪組織vs連邦捜査官の手に汗握る壮絶な社会派サスペンスである。
この主人公自身は大家族だというのもストーリーの、ささやかながら、大きなファクターとなっている。
今こうしている瞬間にも、子どもたちが苦しみ、売られているという現実をまざまざと突きつけられるのは本当に衝撃的だった。
なお、1400万ドルという低予算映画にも関わらず、なんと興行収入2億5千万ドルという莫大な数字を叩き出した話題作でもある。
例によってと言うかなんというか、日本ではさっぱり話題にならなかったのは、同じ日本人としてただただ恥ずかしい限りである。
子供たちにとって、受難の時代
制作メル・ギブソン・・・
その名を聞くと、
話しを盛ってる、
極端な結論に結びつける、
などの危惧がどうしても湧いてくる。
子供の誘拐、人身売買そして性奴隷・・・
中南米に潜伏、働きかけて、
子供を120人を救い、仲買人を12人も逮捕に導いた、
元政府職員のティム・バラードの実話に基づく映画です。
日本では人身売買は少ないと思います。
しかし今の子供たちは生まれてくる時から、
安全な幸福な状況とは言えるでしょうか?
①生まれつきの疾患。
100人生まれた子供のうち5人は障害を持っているそうです。
障害と言えなくても、
アトピー性皮膚炎、
食物アレルギー、
これらは軽く見られがちですが、
非常に深刻です。
②精神疾患や、イジメ
③不登校(小学校でさえ不登校は0・7%。
生まれてくる子供も、
【生まれてこなければ良かった】と思ってる子供が
かなり多いのではないでしょうか?
結婚した夫婦もリスクを考えると、産まない選択が
当然考えます。
人身売買の少ない日本でさえ、子供たちは受難に
さらされています。
映画の最後で、奴隷的な生活をしている子供たちが
数百万人いる・・・
と、テロップが出ます。
開発途上国では、小さい子供たちが労働力として働き、
家計を支えていたりします。
そういう子供たちは、目を輝かして、
「勉強したい、勉強して医師になりたい」と言います。
なのに日本では、
「勉強したくない、学校へ行きたくないと、」
多くの子供たちは引きこもりになります。
ラストで「子供は神の子」と歌いますが、
「悪魔の子供」も生まれてくることを、
私たちは知っています。
人間の強欲の恐ろしさ
予想に反してかなりヒットしたみたいです
それでも私達は世界がより良い物になると期待してしまう
この映画はとても「怖い映画」だった。
児童誘拐と人身売買と言う、どこか他人事のような響き。
でもこれは現実に、今まさに起こっている問題。
私の持っている言葉なんかじゃ、この映画の全てを伝えきれない事がとても悔しい。
でも私が観てきた映画の中で一番恐ろしくて、怖くて、それと同時に希望と愛を感じる映画だと思う。
始まってからずっと目を逸らす事すら許されない衝撃で、ただただ突き付けられる恐怖に怯える事しかできず、いつしか呼吸すら止まるんじゃないかと思う程の緊張感。
主人公を突き動かす物は、たった一つ「子供達を救いたい」と言う信念。
この映画が「本気だ」と感じたのは序盤で小児性愛者から押収した証拠映像を主人公が見たシーン。
とても酷い事が行われているであろう映像は一切見せず、そこにある現実から目を背けることもせずにただただ涙が溢れる主人公の目だけを映す。
誰かが酷い目に合う映画は、時としてそう言ったもので興奮をする人種がそう言った目的で鑑賞に来る事もあると聞いた。
しかし本作はそれはさせないと言う強い意志を感じた。
もちろんそう言った事を想像できるシーンは数多くある。しかし、直接的表現としては一切なかったと思われる。
幼い姉弟の救出を大きな軸としてストーリーは展開される。
人の欲望や悪意は果てし無く、そしてどこまでも醜い。
それでも、自分に全く無関係だとしても命をかけて動いてくれる人もいるのだと信じたくなる。
終盤に向けて恐ろしい事の連続で、息をのむ事すら躊躇う程の緊迫感。
だからこそ、あの救出された少女を包む朝日の美しさが際立っていた。
ラストの歌声の清らかさ。本来当たり前であるべき、「自由」の素晴らしさ。
きっと現実はあんなに美しくはない。
それでも、それでも私達は世界がより良い物になると期待してしまう。
見ているのがあまりに辛い
映画自体はドキュメンタリー寄りの作品なのかなと思って観に行きましたが、思いの外サスペンス映画として普通にエンタメしていました。テーマがテーマだけに決して軽い映画ではありませんが、何の予備知識なしに観ても普通にハラハラドキドキ出来る内容だと思います。
最大の特徴はエンドクジットの途中で主演のジム・カヴィーゼルが、涙ながらにこの現実に立ち向かわなければならないということを観客に直接訴えかけて来ます。
これは映画製作後、公開が決まるまでにきっと色んな紆余曲折があって、その果てに公開が決まってからつけられたメッセージだと思われます。
神の子は売り物じゃない
映画の枠を越えて
映画という枠組みの中で作られたもの。
ただ、いまの世界の歪みを含んだもの、その流れ落ちる底辺に居るものたちが見る世界の絶望が描かれる。
人身売買の現実をサスペンスとして観せ、どこか英雄譚として描かれるのは致し方ないのか?その矛盾もまたやるせなさを感じてしまう。
サスペンスアクションとしては、単純な物語であるが故に、空想ではない現実感をラストのテロップで見せつけられる。
評価はとても難しく内容のみでつけるか?を悩まされた。
ジムのメッセージは届いたか?
確かに作品的には弱い部分はある。
ラストの少女救出は都合良すぎる。
あの父ちゃんはもっと、ジムに感謝すべきだ
とか。
だが、それを通り越してラストに語るジムのメッセージには重みがある。
ただ残念な事に、それは社会に訴えるものではなく、個人にむけてのものでしかない。
本作を配給さした映画会社、上映した劇場は、あくまでも1作品としか受け取っていない。
だから、個人に希望するしかないのか?
素晴らしい作品でした
数日、夢に無数の蝶や、バタフライて言葉が目についた、映画の冒頭にバタフライと言葉が出てきて、この作品を観ることに深い意味があることを感じた。
児童誘拐、人身売買、性的虐待といった国際的性犯罪の闇がここまで規模が大きく、被害者が100万人超いるという事実を映画を観て知ることとなった。
今、まさに世界が闇から光に変わる時代に入る事は理解していたが、この闇がここまで深く黒いとは。
私の理解はまだまだ浅かったと痛感。
映画としても、洗練されていてパーフェト。
実話を元に描き実際に政府職員を退任してまで、過酷な命懸けのミッションに挑んだ、ティム・バラード氏のリアルヒーローの生き様に、魂を揺さぶられた。マーベルヒーローでも、ジェイソンボーンでもない。実在する真の漢の姿だ。
やっている事は、逆・地面師だった。
今を生きる現代人の多くは、臆病者の人生を生きている。
嫌われることもお金が減るのも怖い、傷つきたくない、更に死も恐れている。
だから命懸けなんて勇気も、覚悟も持てずに、小さい事から大きい事まで怖がって生きている。
ティム氏は、我が子を救うためでもない、神の子を救うという使命を持って命も投げ打って挑む。そこにエゴもなく、賞賛や見返りへの期待などもない、無性の愛でしかない。
自分が損する事も気にしてない。
武器すらも持たなかった。
どんな状況でも冷静で、直感に優れていて賢い、そして精神的にも肉体的にも強さを持っている。成熟している。
もはや作り話のヒーローものがこれから観れなくなりそうであります。
ティム氏の愛の世直しのミッションの過酷さに脱帽したのだが、最近アメリカの音楽業界の闇、日本の芸能界の闇(ジャニーズ)など、やっと詳らかになった。
子供達が売り物とされて汚いお金と性が社会の裏側で横行してきたわけで、
メディアや警察までもがその事実を隠してきたが、おべんちゃらが通用しなくなり始めた。
こんなにも、闇が大きくて黒くて深いとは。
想像を遥かに超えた闇の深刻さ。
この根深い闇を光に変える時だと感じる。
この映画を観た多くの人は、今現在ある問題悩みもなんだか馬鹿らしくもなるだろう。
小さな問題にこだわって、感情に飲まれてる場合ではない、魂揺さぶって目覚めなくてはいけない時だと改めて感じた。
臆病者は進化できないと常々感じるが、命をかけて挑む。本物の勇者、賢者が今エンタメの世界だけでなく、この世に必要なんだと思います。
勇気と覚悟の時代が来たことを映画からも感じます。闇の世界に切り込んだ、リアルに使命を全うしている人がいる。そこに心を打たれた。
「闇」は、音で門は開く。と書く。
サウンドオブフリーダムのサウンドと、漢字をかけた訳ではないと思うけれど、この根深く想像していた以上に真っ黒い闇の世界は、音で開かれ、真の世界のフリーダムの世界になるという宇宙からのメッセージが込められているように感じる。
愛する我が子のためでもない、知り合いの誰かだけに注ぐ薄っぺらい愛じゃない。世界の闇の中で苦しんでいる子供達全員に向けての、命懸けの、純度の高い真の愛でした。
作り話でないリアルな影響力が、広がっていきますように。
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