「月の明かりに照らされて・・・‼️」月 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
月の明かりに照らされて・・・‼️
この作品は介護施設を舞台に、光、喜び、葛藤、トラウマ、劣等感、妬み、狂気など、人間の様々な感情と人間性をあぶり出した傑作‼️物語全体を包み込むような月の明かりが印象的な作品でもあります‼️宮沢りえさん扮するするヒロイン洋子と、オダギリジョーの夫・昌平。3歳の息子を先天性の心臓病で亡くした辛い過去を持つ夫婦‼️人形アニメーションの制作に励む昌平と、作家でありながらデビュー作以降書けないでいる洋子‼️そんな洋子が介護施設で働くことになり、息子を失ったトラウマと再び対峙することに‼️洋子の息子を失ったトラウマと、介護施設で直面する葛藤を表現する宮沢りえさんの演技力は素晴らしいと思います‼️二階堂ふみさん扮する介護施設の職員・陽子。幼い頃から体罰を受けてきた父の浮気を知る陽子‼️そんな父や母との家族関係に悩み、作家になるという夢も、まったく芽が出ない時に出会った洋子への、劣等感と妬みを増幅させてしまう‼️そして磯村隼斗扮する介護施設の職員・さとくん‼️患者たちに手製の紙芝居を読んでやる心優しい男‼️しかし、同僚たちからは余計な仕事を増やすなと馬鹿にされ、その同僚たちの患者たちへの虐待を目の当たりにした時、狂気の世界へと堕ちてしまう‼️このさとくんがヒトラーと比べられるシーンがあるのですが、さとくんの彼女は聾唖者の女性‼️さとくんは障害者を社会に必要ナシと判断し、殺害を計画するのですが、自分の彼女みたいに意思疎通ができる人間は必要であり、介護施設の患者みたいな人間は必要ナシとラインを引いているところが恐ろしい‼️悪の論理ですね‼️最近の無差別殺人の犯人は、さとくんみたいな悪の論理が存在してるんじゃないかと思うと戦慄です‼️舞台となる介護施設も夜の闇に雷が響いたり、森の中にポツンと建っていたり、周りをヘビが徘徊していたり、クモなどの虫の描写があったり、まるで幽霊屋敷のような描写がなされており、この作品の世界観の構築にひと役買ってます‼️そして介護施設で日常的に行われている虐待‼️ここでは虐待のシーンを直接観せることなく、夜の闇に響き渡る物音や叫び声で表現していて、想像力を煽るという意味で秀逸‼️ただ部屋に閉じ込められた患者さんが便まみれで放置されてる描写は、強烈なショック度です‼️そして虐待をする職員たちの罪の意識の無さ‼️見て見ぬフリをし、現実を直視しない職員たちの後ろめたさ‼️その辺の描写も丁寧に描かれ、好感が持てます‼️そんなさとくんも精神病院に収監され、洋子も新しい小説の執筆を始め、妊娠も発覚‼️昌平も小さな映画祭で自分の人形アニメーションが賞を受賞‼️全てが順風満帆に向かっていた時、思いのほか早く退院したさとくんによってもたらされる悲劇‼️惨劇‼️ラスト、記念日に回転寿司屋で、今後の人生について前向きに話し合おうとしていた洋子と昌平‼️さとくんによる凶行がどんな影響を及ぼすのか❓観る人の判断に委ねられるラストですが、どちらに転んでも洋子と昌平にとって新たなトラウマとなるはず‼️恐ろしい終幕です‼️
共感、ありがとうございました。
まだみてないのですが、磯村さんが、最優秀助演男優賞を受けたことで、興味を持ちました。
このレビューを読んで、ますます見たくなりました。