「しんどい」月 みきさんの映画レビュー(感想・評価)
しんどい
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2016年、実際に起きた事件をモチーフにした本作は、
戦後最大の被害者数を出した殺人事件として、
また、その被害者が施設に入所していた障がい者の方々だったという事でも衝撃的な事件でした。
冒頭から不安を掻き立てるような映像。
暗くジメっとした湿度を感じさせられ、
食物連鎖、弱肉強食を印象付けられます🐍
漂う空気が常にしんどい。
宮沢りえ・オダギリジョー(夫婦)の関係性に
歪さを感じ(最終的には好転するが)
二階堂ふみの不気味さが秀逸でめちゃくちゃ怖い(褒めてる)
磯村勇斗、よくこの役を受けたなぁと感心し、
教師を目指していた好青年が「闇(病み)堕ち」する姿は、
フィクションとして捉えて見る「さとくん」には
少し同情も覚えてしまいます。
この事件を風化させないための作品ではなく、
根強い差別、慢性的な人出不足、いじめ、
人間関係、薬物など、近年の日本の闇深さを
掘り下げまくっていました。
洋子(宮沢りえ)と陽子(二階堂ふみ)の背景は
本当に必要だったか?と疑問に思うところが多々あります。
あえて震災や宗教について触れたのだと思いますが、
あらゆる情報が盛りだくさんな割には、
物語全体への繋がりには欠けていたように感じるし「不要」と思うところも散見されます…。
この手の作品は、もう少しシンプルに描いてもいいんじゃないのかなぁと個人的には思いました。
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