「ハリボテの月」月 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリボテの月
クリックして本文を読む
別名『ロストケア2』。
個人的にはまったく合わなかった。
登場人物全員が、「そんなこと言う!?」という台詞を連発してリアリティがない。
不穏感を煽るためか家も施設もいちいち不自然に暗い。
わざわざ爆音の店で愚痴を言ったり、逆に最後の回転寿司屋では有線すらかかっておらず、無音。
冒頭の文字演出からはじまり、すべて台詞で説明。(さとくんの彼女はさとくんに喋らせるのが役割の大半)
モブが丁度いいとこで丁度いい単語をわざとらしく話す。
洋子がもう一人の自分に言われた台詞は正鵠を射てたように感じたのに、何事もなく執筆を継続。
さとくんが事を起こすのにわざわざ白っぽい上着を着てるのも、血を際立たせるためだろう。
などなど、題材としては重いものではあるが台詞も演出もあざとすぎて響かず…
劇中で、洋子の小説は綺麗なところしか書いてないと言われるが、本作はその逆に感じた。
「こんなに昏いところまで描いているんですよ」という作為が見えて鼻白んでしまう。
そのくせ介護・介助のシーンは少なく、洋子がきーちゃんを特別視する様子も薄かった。
役者陣の演技は良かった。
特に情けなく子供っぽい昌平を演じたオダギリジョーは素晴らしかったと思う。
コメントする