かかってこいよ世界のレビュー・感想・評価
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作ってはいけない作品
この作品のテーマに着眼したのは悪くない。 実際問題となっていることだ。 そして、 これと同じ問題が埼玉県やその他で新しく発生している。 多数派と少数派 この構図は仕方のないことだが、そもそも他国で自国の常識を押し通そうとする行為そのものが問題の根幹だ。 そしてこれは今や全世界で起きている。 この移民政策はグローバリストの意図的な行為だ。 この作品でパステル社が取り組んでいるのが「いつか出会う家族」というタイトルの映画を上映してくれる映画館を探すこと。 そこにはおそらく在日の物語が描かれているのだろう。 しかし、 そこにいくら真実が描かれていても、日本社会で生きるつもりであれば、自分たちが正しいかどうかを主張するのではなく、日本人を納得させる必要がある。 日本のそれが商品やサービスなどで表現されている。 一貫してある他者への思いやり。 商品やサービスでは以前からあったが、ようやく最近になって漫画文化やスポーツを通して、日本人を世界が理解し始めたことを考えれば、その道程に妥協はなく、その商品やサービスには一貫して使う人のことを考えていることが、世界にわかってもらえたことになる。 この道程が踏めない場合、他国で自国を主張したところで誰もそんなものは認めない。 ここが今までも今でも、「彼ら」に欠如していることだと思う。 さて、 このタイトルにも自分たちの主張が正しいことを謳っているように思える。 この物語の構図の根源にあるのが、日本と韓国だ。 その歴史と過去があり、両者険悪感を持っている事実がある。 在日の彼らは、映画配給会社だろうか。 日本で上映したい作品をもってミニシアターを探している。 主人公のマキは日本人で、一般的に見られる親子の確執がある。 アライは会社とも父ともマキとも板挟みになっているのだろう。 マキと新井の出会いとその後の進展は少し急ぎ過ぎている感じがしたが、そこを引き延ばせば問題の核心までに時間がかかる。 では、 問題の核心とは何だったのだろう? マキは母からの独立宣言をして在日との恋愛を決意した。 アライはマキとの出会いに少々有頂天になって、在日の映画を上映してくれる映画館に対し日本人の反感を買ってしまった責任と、マキの心ない一言で撃沈した。 この作品の中で最もよかったのが、その新井のセリフだった。 「おれ、何か別人になっちゃったみたいですね」 後にマキも「別人になっていたのは私だ」という。 他人の目と気づかないフリを装う差別 これこそが最大の敵だろう。 この作品ではこの点を「問題の核心」として描いている。 在日に対する目 差別の根源であり擁護すると自分まで攻撃対象になる恐怖 この点を日韓問題まで突き通すような意図があるのは明確だ。 物語にはいくつかの問題があるが、 その他の問題は拍子抜けするほど簡単に解決してしまう。 さて、さて、 以下は穿った見方なのかもしれない。 アライは若さゆえの浮き沈みと純朴さを纏う人物として描かれている。 それに対しマキは他人の眼や母の言葉に惑わされた人物として描かれている。 つまり間違っているのは日本人のマキの方だ。 マキは親からの独立と自分自身の本心を再確認して、もう一度最初から脚本を書く。 そこにあるのは悩みぬいた末の決心 何が正しいのかを自分で判断した。 これが単なる恋愛物語であればよかった。 これは、単に、マキの問題なのだ。 でもこの作品は問題をすり替えている。 日本と韓国の問題を、男女の恋愛に置き換えることはできない。 「いつか出会う家族」がどんなに素晴らしくても、そこにある意図は、必ず韓国人に対して示されなければならない。 しかしこの物語がそうであるように、日本人が間違っていたという含みと謝罪、それを許す在日という構図にしたことそのものに悪意を感じる。 「かかってこいよ世界」とは、在日が今まで同様に自分の意見を日本で押し通してやるという宣戦布告に感じてしまう。 昨今の韓国のスポーツの場を政治の場にする問題 この作品は映画を通した日本の糾弾に他ならない。 私が気に入らないのは詐欺師の様なその狡猾さだ。 これは、決して作ってはいけない作品だと思う。
色々な気づきを与える映画で、「福田村事件」と放映が近かったのも好印象
今年311本目(合計961本目/今月(2023年9月度)21本目)。 (参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで)) もっとも、「福田村事件」の作品と放映時期が近かったのは、大阪市のみなのかもしれません(シアターセブン、ナナゲイでは、これに関係して、当時の関東大震災や、在日韓国・朝鮮人を扱う映画が多く組まれています)。 さて、こちらの映画です。 「自分は実は在日3世なんだ」とカミングアウトした男性と、された女性が、それぞれその後に抱いた違和感と、外部からのいろいろな干渉を経て、どのような結論を下すのか、そして、この「在日3世」の層が作った「在日の方が作った」と言える映画を放映する、しないといった「表現の自由(の行使の方法)」vs「映画館の営業の自由」などが一部絡む、憲法論的な解釈が多々できる映画です。 まず、私は大阪市という、在日韓国・朝鮮の方が多く暮らすという大阪市という、ある主特殊な事情を抱える行政書士の資格持ちという立場を理解いただければ幸いです。 この監督の方は映画館上映は初監督となる作品であるとのことで、その事情のもとにおいて、ある意味「特殊な事項」をいろいろ配慮する必要が今現在でもどうしても必要とするといわれる2022~2023年に、このテーマについて触れた点は極めて高いものと思っています。こうした映画はどうしてもミニシアターの中でもミニシアター、つまり、シアター1つか2つかしかない映画館でしか扱われない傾向があるものの(ナナゲイは、シアターセブンとあわせて、実質3つと言えますが)、この映画を、テレワークが終わってから無難に見に行ける時間に合わせていただいたナナゲイさん(シアターセブンさん)には感謝です。 映画の趣旨としては上記の事情から「国籍をどのように取るのか」「国籍が何であるのかは個人を愛する、愛されるについて重要な事実なのか」といったことがテーマになってきます。一方で、在日韓国・朝鮮の方に対してどのような思想を持とうと、それが「内在」にとどまる限り、規制はできません(思想良心の自由は絶対的に保護されます)。しかし、それが表現となって出た場合、他の人権との衝突を考慮して「何を優先するか」を決める必要が生じます。 映画はこのようなある種憲法論的な論点を扱った部分があり、監督さんがここまで考慮されたかは不明ですが、外国人問題に興味関心を持ちアンテナをはる行政書士の資格持ちという立場からは極めて評価は高い一作です。 なお、映画においては、「何が正しく何が正しくないのか」については、ある程度の誘導はあっても解釈を押し付けない構造になっています。この点も、「各自で考えてね」ということであり、その点も高く評価しました。 普段から外国人問題に関心を寄せる方はもちろん、広く人権感覚を高く持っておこうという方にはおすすめの一本かな、というところです。細々といろいろな映画館で少しずつ拡大しているということであり、大ヒット(?)中の「福田村事件」と合わせてみることで「正しい意味」での在日韓国・朝鮮の方に対する理解が広まることをやまない一人です。 採点に関しては以下を考慮しましたが、4.8以上あるためフルスコア切り上げ(七捨八入扱い)です。 ------------------------------------------------ (減点0.1/「即座解雇だからな」) 解雇については「解雇法理」というものがあり「告知弁解の機会を要する」(つまり、一方的に言い放っていきなり何らの言い分も聞かずに処分するのは違法・不法のそしりを免れない」というのが裁判例です(最高裁判例に対し、高裁以下の判例を「裁判例」といいます)。 映画内ではいきなりこの展開になるのがちょっとな…と思ったものの、この点をつつくと映画が0分で終わる事情もあり、仕方なしか…という気はします。 (減点0.1/在日3世について少し掘り下げた解説が欲しかった) 日本では在日3世ともなると、日本人と同じように小学校に行くのが普通になるため、日本語能力は全く問題がない(事実、主人公は映画事務所で働いている)一方、韓国語(便宜上、「北朝鮮語」という語も観念するものとしますが、以下では区別せず)については、家庭によりかなりの差があるといわれます(特段の教育を受けていない限り、韓国語はまったくわからない、という方も3世では少なくないし、「在日韓国語」と呼ばれる、日本語と韓国語がごっちゃになった言語もリアル日本では登場しています)。 この点、韓国語については特段の説明もなく、日本語についても違和感のある表現が一切ないことも上記の事情ですが、このことは一般的に外国人問題(性質上、大阪や東京など、コリアタウンが多くある地域がメインになる)の行政書士の資格持ちは知っていますが、一般常識ではないので、この点は何らか説明が欲しかったです。 -----------------------------------------------
ルーツに拘るんですね
好きになった男性が、在日コリアン3世と知り関係に変化をみせる女性の話。 脚本家を目指して上京し、名画座を営む祖父と暮らす女性が、小さな映画配給会社で働く男性と知り合い恋愛関係になって行くという展開で、しかも男性は祖父の営む名画座の大ファンで…。 個人的には知人に在日コリアンの知人もいるし、付き合いに関しては各個の問題であるとは思っているけれど、背景に色々とあるし主義主張も色々ありますからね…まあ、看板壊すのも各個の問題だしね。 ただ、相手の出自云々は別として、母親のあまりにもな娘へのアプローチはもはやマーラですか?という感じだし、そこからの話しの流れはまるでどこぞの宗教映画の様な雰囲気に感じられ、安っぽくなってしまった感じ。
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