ダンサー イン Parisのレビュー・感想・評価
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バレエは天を目指し、コンテンポラリーは地を掴む
順風満帆にキャリアを重ねて、パリはオペラ座でエトワールを目指すバレリーナがある日の舞台上で、恋人の浮気を目にしてショックで足を骨折、嫌になり住み込みバイトしてたブルターニュの合宿所でコンテンポラリーダンスに出会う
と書くといかにも映画としては地味に思えるけど、あるひとりの人生としてはとても大切、本物のダンサーや舞台監督のみなさんを沢山ぶち込んでパリの街とブルターニュの自然の中に描くもんだから美しいのなんのって、とても素晴らしい映画
いやもう、バレエダンサーの肉体は人間の極限美だと思う
試写会だったのでおまけつき、世界的に著名なバレエダンサー上野水香さんのトークがまた物凄く興味深い
冒頭の凛としたバレエはラ・バヤデール、主人公をその影が取り巻く (つまり踊ってるの全部主人公) という作品、作中で初演を終えたダンサーたちが夜の帷が降りた街で気ままに踊るのもそれ、とか聞かされてビリビリきた、人の数だけ人生あり
来週末公開、ぜひ映画館の大画面で
エンドロールが素晴らしいから最後まで座ってるべき、エリーズの中に生まれた変化がスパッと表現されてる
本職バレリーナはやっぱり違うなあ。
バレリーナの足は手の指みたいに自在に動くのが美しいのだけど、本物のバレリーナ(オペラ座のバレリーナ)が主役を演じているので、足のストレッチをしてる場面すら美しくて悶えた。
決まりきった型の中でいかに個性を魅せるかのバレエとは正反対のコンテンポラリーダンス。踊る度に自分を解放していく主人公をみて、動いてるのにまるで瞑想みたいだなと思った。踊りながら自分と向き合っていく感じ。
どこを切り取っても美しい背景の中、笑いあり涙ありで、どの登場人物もキャラが立ってて面白くて飽きない。
療養士の彼も、キッチンカー・カップルも面白過ぎたけど、マダムも好き!フランス映画に出てくるリッチなマダム達、なんでこんなカッコいいの?お金を有効に使う楽しみ方を知っていて、才能や弱者に惜しみなく愛とお金を注ぎ込めるの本当にカッコいい。
主人公の白いチュチュについての感想は、私もずっと思っていた。
けど、どうしてもバレエは少ない男子をいかに上手く使うかを考えたら、フラフラと女子から女子へと飛び回る浮気者に仕立て上げるしかないのかなとは思う。
ちなみに私が一番嫌いなバレエの王子様はジゼルのアルブレヒトです!!オマエの男気はどこへ行った!
何回見ても腹立つ!!笑
ダンスを通しての喪失からの再生のお話だけど、少し前に観た『裸足になって』と比べて観ても面白いかもしれません。
観たら元気になる映画だと思う。
是非とも第二の夢を追いかけている方や、バレエのドキュメンタリーが好きな方にもおすすめです。
パリの踊り子
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