劇場公開日 2023年9月15日

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「これも「人生賛歌」であることは間違いがない。」ダンサー イン Paris talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これも「人生賛歌」であることは間違いがない。

2024年5月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
人生、悩むくらいが、ちょうどいい。

捻挫は3回目。これまでは(踊ることを優先して?)満足なリハビリもしてこなかったという要因も、あったのだろうと思います。今回の事故には。
今回は、そのことも災いして、致命的な剥離骨折に至ってしまった様子です。

評論子は、決して斯界の事情に明るいわけでもないのですけれども。
そもそもが、バレエというダンスは、足腰を酷使するようにも見受けます。
同様の事故で将来を諦めるダンサーも、けっこう少なくないのではないでしょうか。

家庭面ては、家族がもて余すような頑固親父を父親にはバレリーナであることに、常々反対されていたことも、彼女の心の中では、無形の重圧になっていたのかも知れません。

けっきょく、エリーズが迷うことなくバレエ(クラシック・バレエ?)の世界に踏ん切りをつけられて、別の途(みち)に進めたのなら、それはそれで、彼女の選択としては間違ってはいなかったと言うべきでしょう。

エリーズの再生こ姿の背景として、ダンスの所作の優美さや、料理(フランス料理)の美的感覚も、改めて味わうことのできる一本であったほか、これも素晴らしい「人生賛歌」の一本であったことは疑いのない一本でした。

佳作であったと思います。

(追記)
新しい一歩を踏み出すためなは、環境を変えることが大切なのかも知れませんね。
エリーゼが、一時(いっとき)といえどもバレエの世界を離れてみて、初めてのコンテンポラリーの世界に入っていけたように。

<映画のことば>
「また踊れるようになるのね。でも、コンテンポラリーは苦手。重心を落とす動きが多くて、軽さがないもの。バレエは、天に向かうというのか、浮かぶようで、好き。」
「確かに、コンテンポラリーは、地面をつかむような感じ。ヒップホップもそう。地面との関係が、リアルなような気がする。バレエは地面を怖がるよね。今は、地面から逃げるよりも、求めている。そこが好き。バレエの見方も変わった。」

talkie