劇場公開日 2023年9月15日

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「作品の意図以上に考えさせられる」ダンサー イン Paris ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0作品の意図以上に考えさせられる

2023年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

王道に良いんですよ。主人公の挫折と、再生と。正面から描いているし、カタルシスもあるし。
現役中の現役が主役を務めているようだし、とても美しい物語。
しかし…今年公開された「裸足になって」に似すぎているためにいろいろ考えさせられた…
本作において主人公の怪我のきっかけになるのは恋愛だし、周りの人々の暖かい支援があって新たな世界での再生を目指すことが出来るが、「裸足になって」では女性蔑視やイスラム的な封建社会観によりバレエの道を絶たれるしその後も社会が立ちはだかる。最後はいずれもコンテンポラリーダンスの披露で終わるが、本作は大々的に誇らしく終わるのに対して「裸足に…」ではあくまでも「こっそりと」行われる…
かの作品を観ていると、本作については「甘っちょろい」という印象をどうしても持ってしまうのです…
同じフランス語圏のアルジェリアと本国フランス、なにが違うのだろうと考えても、植民地と宗主国、イスラム教国とキリスト教国、というところかなと思い当たる。
そういう意味で、作品の意図以上のところで考えさせられる作品に、結果的になっています…

ぱんちょ