「何気ない線が語る“真実”」変な家 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)
何気ない線が語る“真実”
話題になっていたYouTube動画が書籍化され、さらに映画化されたということで、『変な家』を観てみることにした。ジャンルとしてはホラーやサスペンスに分類されるのだろうが、間取り図という日常的な素材から、じわじわと不安が広がっていく演出に、非常に興味をそそられた。
特に印象に残ったのは、家の“間取り”から異常を読み解いていくという着眼点。見た目は普通でも、ドアの位置や窓の数、導線などに違和感があることで、そこに「何かがある」と気づいていく。劇中では、オフィシャル(公式)には何の問題もないように見える家が、実は想像を超える背景を持っている。いかにも日常的なものの中に、非日常が潜んでいるという展開は、単なる怖さではなく「目に見えないものを見抜く力」の重要性を改めて感じさせてくれた。
これはビジネスの世界でも通じる話だと強く思う。たとえば、公式な資料や数値が正しく見えても、そこに違和感があるときは立ち止まって考えるべきだ。私はこれまで、小売の現場でも、コンサルティングでも、「この配置、おかしくないか?」「なぜこの動線になっている?」という細部の“変なポイント”から本質的な課題が見つかった経験が何度もある。公式で整っていることと、実際にうまく機能していることは、必ずしも一致しないのだ。
『変な家』は、単なるエンタメを超えて、「常識」や「公式」に疑いの目を向けることの価値を教えてくれる作品だった。違和感をスルーせず、そこにこそ本質があるという視点を、改めて大切にしたいと思う。
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