ロスト・キング 500年越しの運命のレビュー・感想・評価
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不思議
めちゃくちゃ不思議な話なんだけど、これが実話ベースだというから驚く。
なんといっても、芝居を観た日からずっとなんかそこに「居る」リチャード3世。なんだそりゃ、なんだけど居るし、話すし、でもなにかお願いするわけでもなく、ここだよ、って言う訳でもなくむしろ相談に乗ってくれる…ww
でもラストにフィリパが言うとおり、これは紛れなく「正当に評価されなかった人たち」かそれを回復する物語だからそれで正しい。クソな大学の対応とその後の顛末も含め。
そういう意味で、これは同じくサリー・ホーキンス主演の「シェイプ・オブ・ウォーター」と相似の物語だと分かる。分かりづらいけど、良く出来てる。
なかなか不思議な感覚でした。ww
単調だからかいまいち世界に入っていけなかったな。
何かにのめり込んでいる人を見ると以前は羨ましいなーって思いましたが、最近はなんかちょっと変っていうか偏ってる、いびつじゃねって目で見てしまう傾向があります。
ま、本人が良ければ他者からどう見られようが関係ないですが。
確かにドラマチックな出来事ではあります
なかなか信じがたい出来事であるし、映画にする意義みたいなものもつよく感じた作品です。
作品自体も、かなり工夫されていたし、色々と対比やシンクロさせた演出なんかも非常に劇的で引きつけられました。
内容は非常に面白いとは思いましたが、なぜか映画としての魅力がそれほど感じず・・・
映画そのものの魅力をもっと─。
とはいえ、この驚愕の事実を追求した結果がこれなのだと言われると、何も反論できませんが─。
存在(?)感が凄すぎるリチャード3世
今週締めの4本目。いやぁ、こちらもいい映画でした。今週は良作揃い。
結論は知っているのに、とてもミステリーでスリルも感じる演出は流石の名匠スティーブン・フリアーズですね。
そしてフィリッパ役のサラ・ホーキンスを筆頭に役者陣が素晴らしい。フィリッパの理解者である元夫のスティーブ・クーガン、作品上、大事な敵役である英国レスター大学のリチャード・テイラー(リチャードだらけ)役のリー・イングルビー、そして存在(?)感が凄すぎるリチャード3世役ハリー・ロイドなどが作品を盛り立てます。
それにしても、これぞ「信念の人」と言えるフィリッパ・ラングレーには頭が下がります。ME(筋痛性脳脊髄炎)という正しく理解されにくい病気に悩まされ、そして端々に感じざるを得ないアンフェアな扱われように納得がいかない彼女。「歴史の改竄(かいざん)」はいつの時代でも、どこの国でもある話ですが、シェイクスピアによる戯曲にみるリチャード3世に対するアンフェアな扱いに納得ができず、それをきっかけに火が付くところは、まさに「オタク感情」と言っても語弊がないような気がします。さらにそこから、リチャードオタクによる「リチャード三世協会」に傾倒していき、仕舞には偉大で「歴史的な結果」を残すところは夢があって素晴らしい。そしてまた、彼女に対するレスター大学の「やり口」のいけ好かなさが、否応なく観ている私たちにフィリッパを推させてくれます。
結局のところ、誰しもが羨ましと思える「そこまで打ち込めること」を、普通、いや更なるビハインドがあるフィリッパ「その人」を魅力いっぱいに演じられる俳優、サラ・ホーキンスだからこそ納得、そして満足感いっぱいで観終わって多幸感です。良作。
凄い!リチャードⅢ世の実話
500年の時空を超えて王座に返り咲いた英国王の物語。
何かに導かれたように街中の駐車場から英国王の遺骨を発見するお話ですが様々な人間模様を織り交ぜながら進むストーリーは「これホントに実話なの‼️」という驚きに満ちていました。イイものを見せてもらいました。この機会に英国やヨーロッパの歴史の勉強でも始めたくなるほどの秀作。上映館少なめですが
是非映画館で🎦
101
やや論点が何なのかという点の説明が不足か…?
今年326本目(合計976本目/今月(2023年9月度)36本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
分類としては「歴史もの」になりましょうが、その背景としてこの「発見」があったことは史実に基づくものであるためあることないこと描けないという特殊な事情はあります。
その「発見の事実」について知っている方は少ないのでは…と思える(少なくとも高校世界史には載っていない)ため、「ネタバレという論点があまり発生しにくい」のは確かではあろうと思います。
一方、ただ単に「いろいろな証拠や推測をかきあつめて「ここだ」と思った部分を掘ってみたら…」という点それ自体は史実の通りであるため、かなり淡々と進む一方、映画で触れられている事項が発展的に「何を観客に語りたかったのか」という点が日本の字幕でははっきりしない点もあります。
歴史好きにはおすすめといったところですが、明確にわかりにくい点もあります。
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(減点0.3/脊椎側弯症について何を述べたいかがはっきりとしない)
側弯症自体は古い時代から見られるもので、国王・女王といった身分の高い人はもちろん、当時は一般的な病名でした。
そしてこの脊椎側弯症も、先天性のものもあれば後天性のものもあり(ラストあたり、小児を抱いているシーンは、その子が先天性のものであることを彷彿とさせます)、また、日本国内基準においても、前述の通り「先天性か後天性か」ということ、さらに、「身体障がい者手帳の交付の対象になりうる」「そこまではいかないが、難病指定の対象になりうる」「それも該当しないが、整形外科に通うことが前提になる」あるいは、「レントゲンで検査すれば気が付く程度で普段特段問題なし」という方もいます。映画内では、こうした「(先天性か後天性かは明確に描写されないものの)側弯症の方が差別されていた」時期があるのは事実である一方、日本国内では、この「(極端な)側弯症賞状」については「ある表記(ひらがな3文字)」をされることがありますが、それは日本国内では事実上の放送禁止用語(ないし、放送において配慮を要して差し替えられることがある)語です。
こういったことがあるため、日本国内でみた場合、「国王の発見のためにいろいろ主人公が尽力した」という見方以上に、「側弯症に対する差別はやめましょう」という意図に読むことも可能で、やや「複数の取り方が可能である」という点は言えます。
(減点0.1/日本で放映する場合の字幕の配慮不足)
この時代はイギリスのばら戦争の時期ではありますが(ボズワースの戦い、は、まさにそれ)、西暦何年という記述から逆算可能ないくつかの描写に気が付かないと、ばら戦争が背景にあることを知らないと理解にはまりを生じる部分もあり(「ボズワースの戦い」は高校世界史では出ない?)、ややここはもう少し字幕上配慮が欲しかったです。
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事実を誇張する必要はないが、カタルシスが得られないのは物足りない
サリー・ホーキンスが、ストレスに押し潰されそうにながらも信念を貫き通す、「脆さ」と「強さ」を併せ持ったキャラクターを巧みに演じている。
そんな彼女の心の支えになるリチャード3世の幻覚?も、物語に面白いアクセントを加えている。
ただ、500年もの間、謎だった場所が、古い地図と新しい地図を重ねただけで分かってしまうという展開には、少々拍子抜けしてしまった。何も、インディ・ジョーンズのような宝探しを期待していた訳ではないが、それでも、もう少し「知的な冒険」があってもよかったような気がする。
まあ、あの駐車場にしても、「R」印の場所にしても、最終的には、彼女の直感が正しかった訳で、世紀の大発見には、そうした理屈を超えた感覚が必要なのかもしれないが・・・
それから、遺骨が発掘された後に、彼女の功績が大学に横取りされてしまうという展開にも、釈然としないものが残る。
彼女は、正当に評価されていないリチャード3世に自分自身を重ね合わせ、それを覆すために頑張ってきたはずなのに、それが達成されないのは、作品のテーマそのものに関わる大問題なのではないか?
ラストで、ようやく、彼女が功績を認められ、勲章を授与されたことが字幕で説明されるのだが、ここは、彼女の手柄を我が物とし、リチャード3世を王族として埋葬することを拒否した大学の関係者が、その報いを受けてギャフンとなる様子こそを、しっかりと描いてもらいたかったと思う。
遺骨発見の経緯にしても、その功績に対する「正当な評価」にしても、期待していたようなカタルシスが感じられなかったのは、物足りないとしか言いようがない。
RichardのR?そんなアホな…!?
2012年にヨーク朝最後のイングランド王リチャード三世の墓を発掘した一般女性の話。
自身の病気や職場での待遇に悩む主婦が、息子の課題の付き添いでリチャード三世を題材にしたシェイクスピアの劇をみたことで、リチャードに共感し、語り継がれる彼の人物像に疑問を抱き始まって行くストーリー。
リチャード三世の墓が発見された際にニュースになり、遺骨の写真をネットでみた記憶はあったものの、一般女性が大活躍したのは全然知らずに観賞したけれど、驚くと共に正当な評価云々を絡めて上手く映画にしたなと。
まあ、フィクションの部分も結構あるみたいだけど。
ただ、ピートではあるけれどリチャードが見えちゃったり話しをしちゃったりは、キャッチーな作りになる反面、メンヘラ気味にもみえてしまう様にも…直感だ感情だのオカルトな部分が結構あるしね。
特段シェイクスピアに興味がある訳ではないけれど、描かれている人物像の真相は…まあ演劇だし、歴史学には想像や願望の部分が多いのは当たり前ですからね。
ゲームモンスターなくそガキ達のギャップがとても良かった。
23-114
リチャード3世の遺骨発見の
立役者の女性を描いた実話。
理不尽な評価を受け、不当に扱われた王を
同じ境遇と感じる女性。
リチャード王との対話は
自身の心と向き合っている様に見える。
いつの世も不貞の輩は存在する。
ただ名誉が守られて良かった。
専門知とアマチュアの関係
500年不明だったリチャード3世の遺骨を探し当てたアマチュアの女性の実話に基づく映画なら面白くならないはずがない。ピュアなこだわりが道を開くオタク・サクセスストーリーでもある。しかし、資金調達まで行った彼女よりも発掘作業・分析を担った大学が脚光を浴びてしまう専門知との関係、21世紀の大学の性格について考えさせられた。この時代、人文系の軽視は英国も同じなのか、解雇の危機にあった考古学の教員が、脚光を浴びる発掘でビジネスが成立すれば復職、博士号授与など掌を返したように大学の対応が変わるところも、見ていてあまり気持ちよくないが、一方で主人公を支えた在野のアマチュアの厚みは流石に伝統ある国らしく、少しうらやましくもある。
切ないラブ・ストーリーとも
観終った後、自分が何でこんなに心奪われるのだろうと考えた所、
依然観た、また私の中ですれ違いラブストーリーの大本となっている”天国から来たチャンピオン”を想起させるとこがあるのだろうと思います。
やはり根底は”愛”ですね。
亡くなった人への愛、現在自分と関わっている人への愛、すべてです。
この映画は500年越しの運命という副題がついていますが500年越しの愛 だと思います。
劇場でじっくり見る映画です。
味わって観て下さい。
シェイクスピアについての一考察‼️❓
半世紀ほど前、高校の文化祭でシェイクスピアの舞台のために真夏の夜の夢を丸暗記した、受験期の一年を潰したが、死にたい気持ちがなくなった。
それからシェイクスピアを研究することにした、あくまで趣味で。
多くの史実を故意にねじ曲げエンタメに転換していることに気づいた、司馬遼太郎もほとんど史実をねじ曲げている。
とゆうことで、シェイクスピアがねじ曲げた史実を修正する主婦が奮闘する実話の話、大学の姑息さがえぐい。
主人公の正気と狂気の境界線が実に上手い、さすがシェイプオブウォーター。
淡々と進行するが、いろんなことが危険スレスレ、これが実話なんだけど、希少なる成功例なんだろう。
でも、想いは届く実話は心の糧になる、是非。
ちょこちょこ出てくるリチャード3世が、この作品の全体に面白みを加え...
ちょこちょこ出てくるリチャード3世が、この作品の全体に面白みを加えてたのかも、と見終わってから思った。
そうじゃないと、フィリッパのひとり舞台になる箇所が多いし、単調な感じになっていたのかも。
権力を持つ側のいやらしさが本当に腹立たしいし、悔しいけれど、でも、フィリッパはやり遂げる。
エンディングでそれがわかって、溜飲は少し下がったかも。
感情を入れてはいけない。
特に女性はそれでダメだと思われる。
このアドバイス、なんか妙に納得した。
女性の方が、感情まで見ているかもしれない。
男性の方が、割り切って感情抜きで判断するかもしれない。
私は女性なので、感情抜きはちょっとと思うものの、確かに気をつけるべきだなと、こんなところで思ったりした。
ド素人だって、やり遂げられるのだ。
運すら味方にしてしまう。
これが実話ベースだからなおよい。
何故か・・
強くエモーショナルな感情に襲われた。邪悪の王が目の前に現れたら? たとえ極悪人であったとしても、感動してしまうと思う。
終盤の大学とのいざこざはちょっと・・だったが過不足ない出来。主演女優さん、半魚人とか変なのに絡まれますね~高市早苗に似てないか?
土葬でなければ不可能なおはなし
火葬の国の私達に理解し難いお話で、土葬ならではの実話。しかし土葬後最後に残った骨とても、仮に日本の酸性土壌でしかも高温多湿の場合は100年以内には全て土に還るわけで。本作のように500年もイギリスだとしても、形そのままに存在するのでしょうかね。いえ、実際に見つかったから本作が出来たのですけれど。
ポイントは、一人の主婦の異様な執念により遺骨が発見されるまで、を描く。2人の少年を抱え離婚した主婦にとって、とんでもないハードルで、その仔細が映画の要。ですが、彼女フィリッパとリチャード三世の出会いが冒頭の演劇だけ? なによりシェイクスピアの国ですので、一般人でも十分な知識がありましょうが、戦国武将についての日本人の知識程度には。それにしても、職を放棄してまでのめり込む意欲が分からない。分からないけれど、主演をサリー・ホーキンスが演ずることによって、さしたる疑問にもならないのです。
そう、サリー・ホーキンスのまあ驚くほどの細やかな演技は圧巻で、10年ほど前のイベントの再現ドラマにおいて観るべきは彼女の演技となりましょう。眉ひとつ、小皺ひとつ、瞬きひとつ、で演技する、驚くべき繊細さで、リチャード三世との出会いを観客に納得させる。ほとんど少年の風情で、本音の悲しみまでも観客に伝える演技がなされる。「ブルージャスミン」2013 や「シェイプ・オブ・ウォーター」2017 なのに「GODZILLA ゴジラ」2014 にもそれ以降のゴジラにも出る不思議。米国の名優フランシス・マクドーマンドに共通する隠された真の力強さ。ステレオタイプの美人女優とは対極で、いぶし銀のように輝く。
既に名匠となったスティーブン・フリアーズの手練れの演出にそつはなく、無難過ぎ途中のテンポの悪さには画面も停滞気味でしたが、なんと言っても映画化に際し、そのまんまのリチャード三世を彼女にしか見えない幻覚として画面に登場させるアイデアは素晴らしい。後世の解釈による誤解を解かないと浮かばれないとばかり、フィリッパのここぞの時に現れる。ほとんど今はシングルの彼女にとっての彼氏そのものとして。
それにしても、街全体が21世紀の今にも関わらず、そのまんまヨーク朝時代としてロケが可能なんですね。これが日本と根本的に異なる。家で夕食とってから観劇に出かけられる社会って凄いよね。「007 スカイフォール」が登場するのは実話の年度に合わせるため。ベネディクト・カンバーバッチが登場するのはDNAによりベネディクトがリチャード3世の血縁者だったから。映画の終盤には大学の権威主義が邪魔をし、ちょっと後味悪いですが、ラストのテロップで王室からフィリッパが顕彰されたとのことで、安心しました。
見る前から期待し過ぎたか?
NHKで紹介されて面白そうだと観に行きました。紹介されていた内容以上に面白い内容が無かった。ほとんどNHKがネタバレしていた。これならドキュメンタリー映画にしたほうが良かったかも。リチャード三世が出てくるのはちょこっと不思議だったけど、どうせ登場させるなら、もっとリチャード三世との会話を沢山出すとか愉快な会話にするとかしたほうが良かった。
主人公が異常に見えたし退屈な映画に感じてしまった。ラストもモヤモヤしたまま終了。
死人に口なし、歴史はロマン…で、いいの?
15世紀の英国王リチャード3世の遺体捜索と彼の真の人物像を解明する実在のプロジェクトに基づいた作品。
後の王朝によるプロパガンダと創作物により暴虐の王として伝わるリチャード3世。歴史小説やゲームの影響で、戦国武将や幕末の人物に「真偽不明だけどなんとなくのイメージ」がテンプレ化している日本にいると、創作物や伝承の影響力はよくわかる。
そういう背景はあるものの、本作はリチャード3世の真の姿を検証する物語ではなく、プロジェクトを牽引した女性・フィリッパ・ラングレーの挑戦の物語である。リチャード3世が古いレッテルを貼られたままいいように描かれることに憤慨し、アマチュア歴史研究家やプロの学者の中にぐいぐい飛び込んで様々な説を重ね合わせ、一次資料を探し伝承の矛盾や不合理を纏めていく行動力は、日常のフィリッパの内向的な振舞いとの対比もあって目を見張る。
証明や推測だけでなく、直感や情熱で物事を進めていく描写も多々あり、研究者の姿勢として賛否が分かれるかも知れないが、実際の墓所が発掘可能な場所にあった経緯を調べると偶然に好材料が重なっていたことがわかり、こういった奇縁もこのプロジェクトには重要だったことがわかる。
また彼女の前に幻覚のリチャード3世が現れるのだが、彼を都合の良いお助けヒントキャラではなく、フィリッパの内心を整理したり、インスピレーションの象徴として使うところに事実ベースの作品としての誠実さを感じた。
遺体が伝承の様に川に流され散逸していたわけではなく、副葬品もない小さな棺に押し込められていたとしても「埋葬されていた」というのはキリスト教圏の死者の尊厳において重要だったのではないだろうか。
フィリッパにとって遺体探しはリチャード3世の実像を解き明かす通過点に過ぎず、彼女は現在もリチャード3世の実像を認知させる活動を続けている。彼女の活動が、歴史のロマンだけでなく真実や一次資料を重要視する姿勢に繋がることとを願ってやまない。
『#ロストキング500年越しの運命』試写会 彼女の実話の物語 女性...
『#ロストキング500年越しの運命』試写会
彼女の実話の物語
女性が認められない時、シェークスピアの時代劇を観た事でリチャード3世の思いと魂を胸に歴史を変える直感が凄い。自分自身を信じ彼を信じた事で叶えられた奇跡の実話
フィリッパさんは凄い人
歴史に囚われず、その直感で歴史を変え名誉ある瞬間が誕生
奇跡の推し活
鑑賞前に、できればリチャード三世がどんな人物かというのを知っておいた方がベター。一応序盤でシェークスピア劇を見るシーンがあるけど、あれだけではちょっと理解しにくいかもしれない。
その戯曲から暴君というイメージが付いてしまったリチャード三世にシンパシーを感じた一介の主婦フィリッパが、彼の真説と未発見の遺骨探しに没頭する…これがほんの10年前に起こった実話というのに驚き。そもそも、それまで謎を明かそうという動きは起こらなかったのだろうか。それだけ彼が嫌われた存在だったのかもしれないが、にもかかわらず“推し活”し続けたフィリッパの情熱に乾杯。
イマジナリーフレンドのようにリチャード三世を登場させたのは、ともすればフィリッパの行動に共感しかねない観客への緩衝材なのだろう。協力的な人物や、対立概念となるアコギな姿勢を打ち出す教育機関など、背景も分かりやすい。
それにしてもイギリスでのシェークスピア絶対主義は予想以上。日本に例えるなら吉川英治か。『宮本武蔵』も実際の武蔵とはかなり異なっていたと言うぐらいだし、著名だからといって好き勝手に人生を書かれてしまうのも気の毒な話だ。
チャーミングなサリー・ホーキンス演じるフィリッパのラストの独白が説得力大。
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