ロスト・キング 500年越しの運命のレビュー・感想・評価
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歴史的大発見!
前評判一切無しで完全『ジャケ買い』ならぬ『ポス鑑(=ポスター鑑賞)』📽
あのポスターの少年は‥‥と思ったらまさかのサリー・ホーキンス‼️男の子だと思い込んでてごめんなさい🙏🙇♀️
シェイクスピアの題材としても有名で、稀代の悪党とされる『リチャード3世』。自分の中では吉田鋼太郎さんが演じてるイメージ(実際に観たことはないからわからないけど💦この間観た『カラマーゾフの兄弟』のイかれた親父でも良いw)そんな悪党が実はそんなに悪い奴ではないんぢゃないか〜という疑問から始まり、半ばリチャードに恋しちゃってるんぢゃないの??ってくらい執着しちゃった主婦がアマチュアながらにめちゃくちゃ調べて真実に突き進んでいく〜という夢とロマン溢れる実話😊
家族愛、歴史愛、愛国心とかさまざまな愛が垣間見え、ほっこりもする。でもそれより世の中に『正当に評価されない』ことは時代を超えて共通なんだなー、と考えさせられる作品。
リチャード3世が最後に放った「(フィリパが)わかってくれたならそれでいい」のやうな台詞。これこそが『王の威厳と貫禄』と感じちゃいました❤ ❤ ❤
フィリッパはとてもチャーミング
時空を超えた推し活に泣いた
学者でも著述家でもない一般庶民の女性が、イギリスでも屈指の暴君とみなされているリチャード三世の名誉回復と遺骨探しに奔走するお話。
旧Twitter、現Xで見たのか、別のSNSだったか…。「推し」との出合いは運命なんかじゃない。人生の分岐や、停滞期に心に刺さったものが「推し」になるのだ…という意見を読んだことがあります。主人公のフィリッパも、ものすごく不幸ではないけど、うまくいかない毎日です。そんなモヤモヤのさなかに、自分に似た境遇のリチャード三世を「発見」し、彼にかかわっていくこととなります。
映画は悪役がいないと盛り上がりません。だからおおげさに脚色したのか事実なのか。「だって、シェイクスピアが悪役として書いたんだもん。だから悪い奴のはずだもん」みたいなノリの歴史学者が出てきました。学者なのにそんな曖昧な根拠でセミナーやっていいの?それ以外にもフィリッパを一般庶民と侮る自治体職員や大学関係者がたくさんいて、この環境でよく心折れずに頑張れたなぁと感銘を受けました。
作中ではリチャード三世の幽霊なのか幻覚なのか判然としない存在が現れます。彼は劇中劇でリチャード三世を演じた役者の顔をしているので、どちらにもとれます。でも私は本当のリチャード三世の幽霊だと思いたいな。
いろいろあって、全てが彼女の希望通りになったわけではないのですが、最期のシーンのフィリッパはとても美しい笑顔でした。「たとえわずかでも理解者がいるなら、それでかまわない」という誇り高いメッセージのように感じました。日夜理不尽と戦っている、市井の人々をたたえる映画のような気がします。
不当な評価で実力を認めてもらえない人間たちへの賛歌
朝ドラ『らんまん』の、主人公・万太郎と田邊教授との確執時代を思い出して重ねて観てしまいました。
本作は、難病に苦しんでいることや、中年女性であること、権威ある大学を出ていないなどというレッテルで、他人から不当な評価をされ、侮辱され続ける主婦が主人公。
彼女が、シェイクスピアの戯曲で「王位を簒奪したヴィラン」というイメージが普及しているリチャード三世に共感し、彼の正当性を取り戻すためにその遺骨を見つけたいと奮闘する姿は、多くの「評価されない人間たち」にも感動と希望を与えるように思いました。
かくいう私も、(自分が評価される云々ではなく)他人を病歴や学歴などによって差別的な先入観で見ていないだろうか?と、ハッとさせられました。
それと、彼女自身にフォーカスされがちですが、彼女のことを支えた元夫の愛情の深さや、女性レスター市議会議員が「女が感情や直感を口にするとなめられる」とアドバイスをするシーンが、涙を誘うポイント。
また、レスター大学やレスター市の役人たちが、計画から発掘まで彼女のことをさんざん馬鹿にしていたくせに、遺骨が見つかったとたん偉業を横取りし、素人である彼女の存在を消そうとした行動が腹立たしい。
権威主義者や、お役人という人間がいかに姑息で醜悪なのかは、古今東西変わらないんだなぁ、とも。
実話ベースと言いながら、実際には14年くらいかかった発掘までの道のりを、2~3年で済ませたように見えるのはなんだったけど(2時間で収めるための演出だから仕方ないが)。
病気で苦しみながらも諦めないエネルギッシュな主人公を、サリー・ホーキンスが熱演していて、物語への没入感を一層高めていました。
かなりの良作なのでおすすめします。
究極の主婦の推し活
丁度ピッタリ「普通の良さ」
ほろ苦いエンディングが良い
史実と知れば、すごい物語
シェイクスピアの影響が大きく英国史上悪名高く評されるリチャード3世。一方で実は名君だったとの評価もありファンもいるというこの英国王。日本で言うと天下は取れませんでしたが、光秀のような感じでしょうか?
特に歴史研究家や専門家でもない女性が、リチャード3世の幻影に取り憑かれ、500年もの間、その行方がわからなかった彼の遺骨を発見すると言う物語。うっすらとリチャード3世の遺骨発見がニュースになっていた記憶があったので、本作はそこから想起されたフィクションかと思っていました。しかしなんと、本作は多くの部分が実話を基にしているようでびっくりです。
流石に現実では幻影は現れていないかと思うのですが、本作の主人公として描かれ実際の遺骨発見の立役者であるフィリッパ・ラングレー氏は実際に起こったスピリチュアルな体験から、遺骨の場所の目星をつけたと言っているようなのです。
その他、映画だけを観ているとまさか現実に起こるとは思えない展開で、とても引き込まれます。
特筆すべきは主演のサリー・ホーキンス。『シェイプ・オブ・ウォーター』でもそうだったのですが、どこにでもいそうな雰囲気のこの人が演じると、どんなファンタジーでも現実感が増すように気がします(本作は実際に起こったストーリーですが、観劇中はフィクションと思っていました)。
また『フル・モンティ』以来でマーク・アディの芝居が見られたのも嬉しい驚きでした。
いずれにせよ「事実は小説より奇なり」を体現する一本。一部がしっかり史実としていることを知れば、現実離れしている話だけに大変興味深い作品であることは間違いありません。
自分の信念を貫くことの難しさ
BBCが作る良作
歴史的な発見にスポットを当て、国営放送局が制作した今作品ですが、登場する誰かに肩入れすることなく客観的なドラマへと仕立て上げたように思います。
ですから主人公は発見者であるフィリッパ(サリー・ホーキンス)であっても、偉業は評価されこそすれど、英雄とした扱いではありませんね。
誰しも善き処、悪しき処はあるものだ。そんなスタンスで忖度することなく描き出されたことが観終えた時の爽快感に繋がったような気がします。
一緒に観たパートナーの感想は「フィリッパって、ヤバい人だよね」でした。
確かに思い込みの激しさ、そして自らの病気をも前面に打ち出して戦う姿やのめり込んだら家庭も顧みない一点集中、確かに一般人としてのわきまえからは逸脱しているかもしれません。でも、古の時から、そういった突き抜けた人たちの情熱で偉大な発見に繋がったものって沢山ありますよね(ワタシが思い当たるのはシュリーマンの「トロイの木馬」くらいですが)。
家庭人としては難しくて、周りが振り回されても漲る情熱がいずれは周囲を協力者にさせてしまう、力で圧倒されてしまう人の生きざまに感服させられた良い作品でした。
不思議な実話
あり得ない実話に勇気をもらった
スティーブン・フリアーズ X サリー・ホーキンス
500年にわたり行方不明だった英国王リチャード3世の遺骨発見の立役者となったフィリッパ・ラングレーをサリー・ホーキンスが演じた。
二人の息子と暮らしてるけど、精神的な疾患があるようで、夫とは別居し、職場では正当に評価されることがない。
そんな彼女がシェイクスピア劇「リチャード三世」を鑑賞して抱いた疑問は、、、
そう、悪名高きリチャード3世も自分と同じように不当に扱われてきたのではないかと、、、
1485年に死亡したリチャード3世の遺骨発見と名誉回復を実現したフィリッパの探究心、諦めない心に観る自分も高揚した。
そう、いい気分で、ポジティブな気分で帰路についた。
知的娯楽映画だ。十分楽しめた。
私は文学好きだか、未だにシェイクスピア作品全編を読んでいない。生きているうちに全作品を読もうと考えている。全集はすでに持っている。亡くなった弟から引き継いだ。
鑑賞した感想はタイトルどおりだ。シェイクスピア作品が好きで、知的好奇心旺盛な人には堪らない映画だろう。また、これが実話だから驚く。勿論、観る人を楽しませるために、脚色が行われている。仕方ないと思うし、やり過ぎでなければ私は認める方だ。成功していると思う。
シェイクスピアの劇作によりリチャード3世は極悪非道の人に貶められた。日本でいえば「忠臣蔵」によって、吉良上野介が悪役になってしまったこと同じだろう。愛知県の吉良町では、善政者として知られている。
また、リチャード3世遺骨発見の名誉をレスター大学が簒奪したことに相応する。英国映画らしくユーモアがあり、シェイクスピア作品のセリフを引用して上手い脚本だと思う。
脚本はこの映画で主人公の夫役を演じた方だそうだ。イタリア出身の名指揮者クラウディオ・アバドにそっくりで驚いた。わが家には彼のCDが10枚以上ある。
評価はとりあえず4点としているが、本音は3.5点以上4点未満だと思う。主人公がリチャード3世に共感するところ(共に病気持ちで正しく評価されていない)がもうちょと上手く描かれていればなぁと感じた。
知的娯楽映画で、人生の皮肉が効いた佳作の作品だ。
不思議
めちゃくちゃ不思議な話なんだけど、これが実話ベースだというから驚く。
なんといっても、芝居を観た日からずっとなんかそこに「居る」リチャード3世。なんだそりゃ、なんだけど居るし、話すし、でもなにかお願いするわけでもなく、ここだよ、って言う訳でもなくむしろ相談に乗ってくれる…ww
でもラストにフィリパが言うとおり、これは紛れなく「正当に評価されなかった人たち」かそれを回復する物語だからそれで正しい。クソな大学の対応とその後の顛末も含め。
そういう意味で、これは同じくサリー・ホーキンス主演の「シェイプ・オブ・ウォーター」と相似の物語だと分かる。分かりづらいけど、良く出来てる。
なかなか不思議な感覚でした。ww
単調だからかいまいち世界に入っていけなかったな。
確かにドラマチックな出来事ではあります
存在(?)感が凄すぎるリチャード3世
今週締めの4本目。いやぁ、こちらもいい映画でした。今週は良作揃い。
結論は知っているのに、とてもミステリーでスリルも感じる演出は流石の名匠スティーブン・フリアーズですね。
そしてフィリッパ役のサラ・ホーキンスを筆頭に役者陣が素晴らしい。フィリッパの理解者である元夫のスティーブ・クーガン、作品上、大事な敵役である英国レスター大学のリチャード・テイラー(リチャードだらけ)役のリー・イングルビー、そして存在(?)感が凄すぎるリチャード3世役ハリー・ロイドなどが作品を盛り立てます。
それにしても、これぞ「信念の人」と言えるフィリッパ・ラングレーには頭が下がります。ME(筋痛性脳脊髄炎)という正しく理解されにくい病気に悩まされ、そして端々に感じざるを得ないアンフェアな扱われように納得がいかない彼女。「歴史の改竄(かいざん)」はいつの時代でも、どこの国でもある話ですが、シェイクスピアによる戯曲にみるリチャード3世に対するアンフェアな扱いに納得ができず、それをきっかけに火が付くところは、まさに「オタク感情」と言っても語弊がないような気がします。さらにそこから、リチャードオタクによる「リチャード三世協会」に傾倒していき、仕舞には偉大で「歴史的な結果」を残すところは夢があって素晴らしい。そしてまた、彼女に対するレスター大学の「やり口」のいけ好かなさが、否応なく観ている私たちにフィリッパを推させてくれます。
結局のところ、誰しもが羨ましと思える「そこまで打ち込めること」を、普通、いや更なるビハインドがあるフィリッパ「その人」を魅力いっぱいに演じられる俳優、サラ・ホーキンスだからこそ納得、そして満足感いっぱいで観終わって多幸感です。良作。
凄い!リチャードⅢ世の実話
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