「尊厳の回復」ロスト・キング 500年越しの運命 ouosouさんの映画レビュー(感想・評価)
尊厳の回復
そうそう、こういう「この世」のことより「あの世」のお世話がうまい(好きな)人って(男女問わず)舐められるのよね、と我が身を重ねつつ見た。/大学っていうのは、「あの世」と「この世」をつなぐ機関だと思うんだけど、昨今はどうも「この世」の事情ばかりを考えさせられるようで(これは日本も同じ)。そこに、女性で・シングルマザーで(元夫の協力は半端ないが、観劇での見下されはこれ故ですよね)・持病のある・在野の研究者というスティグマだらけの人物が、真相究明のための戦いを持ち込むという話。映画としては単なる歴史解明ドキュメンタリーにはしておらず、そこに映画である意義があると思った。リチャード3世同様、口を封じられた人間が、リチャード3世の名誉を回復することで自らの尊厳も取り戻すという。/とにかく突き動かされ、苦しいんだけどそうするしかないし、そこに生命の充実もあるという様子がよく伝わってきた。
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