ふたりのマエストロのレビュー・感想・評価
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マエストロは、見事に人間関係でも絶妙のアンサンブルを成立させる。
夫婦関係、愛人関係、親子関係も流石にオケのマエストロとして、
一つづつ丁寧に相手の人格や技量、人間性を見極めて関係を修復する。
それはオーケストラを指揮するように大胆で繊細で勇者のようだ。
映画「ター」と、真逆の指揮者の世界観ですね。
しかし、彼等には一流の音楽という共通コミュニケーション能力があるのを見落としてはならない。
とても知的なアカデミック作品だった。
(⌒▽⌒)
息子はスカラ座のマイヤー総裁に呼び出され、
父への依頼は“デュマール違い”で、
実はドニへの依頼の誤りだったことを告げられる。
驚きを隠せずに動揺するドニ。
彼は、スカラ座の音楽監督の重責を担うには、まだ経験不足のため依頼を固辞したいという思いが強かった。
いっぽうの父は、
ドニの高校生のひとり息子・マチュー(ニルス・オトナン=ジラール)の自動車教習所代や、ACミランのシーズン・チケットまでいつの間にか手配していた。
そんな浮き足立って大盤振る舞いしている父に、真実を伝えなければならないという難題を課されたドニは、
人生最大の窮地に立たされる。
やがて、初めて親子が腹を割って本音で語り合うためにシャンパンを傾けたとき、
父の口からこれまで語られなかった衝撃の真実が明かされる……。
どちらかというとインテル派
ラストの「フィガロ」で、始めは妙にザラついていた音が父に交替したら角が取れた印象になり、お、なかなか芸が細かいなと感心しかけたが、続くあの困った演出のせいで,それ以前のシーンを含めて興醒め。直近指揮者モノとして思い浮かぶ「TARター」で「聖→俗」切り替えの象徴のようにみえたヘッドホンの使い方もなんとも無神経な印象(←言いがかりかもしれんが)。監督の音楽愛がTARほどは濃くないのだろう。原作は指揮者とは関係ない話らしいし。
ついでに揚げ足取るようだが、"le premier violon"はあの場合「第一バイオリン」ではなく「首席バイオリン(奏者)」と訳さないと変じゃないだろうか?
何にしろ、あんな秘書は瞬殺解雇だろう。
ハートフルなホームドラマ
気楽に観られる佳作
親子で同業だとぶつかるよね〜。
パリでオーケストラの指揮者をやっている父と息子の話。賞を貰った息子を祝ってやらない親父、でもそんなに性格悪そうじゃない顔。でもオーケストラの指導は感じ悪いな。息子の指導シーンの方が優しくて分かりやすかった。そんな親父のところにイタリアのスカラ座から音楽監督への就任依頼がくる。嬉しい親父、ワクワクしちゃってたら、息子にスカラ座から連絡がくる。あら、秘書さん、どうして失敗した?それから息子はドヨーンて感じになり、ずっとモヤモヤしながら、親子関係を眺める事に。何で息子は事実を伝えられないのか、とても不思議だったけど、えっ!まさか最後のシーンで伏線回収。泣けた〜。
個人的にちょっと分からなかったのは、パリのオーケストラがミラノに行ったのか、ミラノのオーケストラの指揮者をやる事になったのか?だってミラノに着いてからの練習シーン無かったもん。練習無しで指揮は無理でしょ。しかもあのオチだからね。
コメディでした涙
ホームドラマ風
小さい親父
愛も尊敬も嫉妬も。
面白かったー!!
最高のライバルが父で息子だったら?
二人とも仕事への愛とプライドの熱量が半端ないからこそ、相手の仕事への嫉妬が消せなくてカッコよかった。
自分が熱望していた仕事だけど、相手にとっても同じ。家族愛と仕事愛の葛藤が始終ぐっとくる。
ウィットに富んだ会話とちょっと散らかっててもオシャレな背景にも注目。
パパヘの憧れと尊敬があるから、ドニも真実を告げることをなかなか決心できない。
ドニがパパであるフランソワにもらったのは最高の環境で、それに感謝をしているからこそ、我が子の進路も応援ができる素敵なパパなんだと思う。どちらのパパもすごくカッコいい。
だからこそ、孫である彼もパパもおじいちゃんも大好きなんだろな。(伝わった)
芸術家ファミリーの出来事だけど、何かを受け継いでつくる家業がある方々にはとてもわかる話なのかもしれない。
大事な人と観て欲しい映画です。
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