「なかなかの怖さがあった」イノセンツ りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
なかなかの怖さがあった
ノルウェー郊外の住宅団地で、イーダと自閉症で言葉の出ない姉のアナ、近所のベンとアイシャの4人は夏休みに一緒に遊ぶようになった。最初はベンが軽いものを触らずに動かす能力を見せ、アナも同様に出来るようになり、アイシャとアナは離れててもお互いの思いが伝わるようになり、ベンを含めたアイシャとアナの3人は離れてても心の中がわかるようになっていった。最初は言葉当てゲームのような遊びをしてたのが、やがてベンがその能力で離れた所からサッカーをしてた子供を骨折させたり、他人を操り人殺ししたりと暴走を始めた。そして止めようとしたアイシャやアナは・・・てな話。
最初は何を見せられてるのかよくわからず、喋れない姉を持つイーダの苦悩を描いてるのかと思ってたら、なんと少年や少女たちの超能力開発により、ネコ殺しから人殺しへエスカレートしていく様子が不気味で怖かった。
特にベンがネコの頭を踏み潰した時の頭蓋骨の折れる音とか、自分の母親を熱湯をかけて攻撃するシーン、大人を操作し、歩道橋でいじめっ子を待ち伏せさせたシーン、アイシャのお母さんを操り・・÷、など、猟奇的な怖さがあった。
次はアナがやられる、と思ってたところ、イーダも加わりやっとベンを止めることが出来てホッとした。ベンは死んだのだろうか?生きていたらまた復讐に来るだろうから、死んだのかな?
4人の子役がみんな上手く、話に入り込めてゾクゾクした。
アイシャは白斑でアナは自閉症という人と違った身体的な面があり、それが超能力開発に繋がったと理解すべきなのかな?
ノルウェー語を聴ける機会は滅多に無いので新鮮だった。
ベンとアイシャの母親は黒人のようだったが、ノルウェーでも移民問題が起きているのかも、って背景を想像してた。
なかなか怖くてゾクゾクする作品で良かった。
エンドロールが上から下に流れたのも新鮮だった。
北欧の映画で例えば学校の場面などあると、宗教も含めて多様なバックグラウンド持ってるんだろうなあという移民の生徒達、沢山見ますね。マッツの「アナザー・ラウンド」でもそう思いました