「若さについての解釈」バジーノイズ えだまめさんの映画レビュー(感想・評価)
若さについての解釈
原作を読まずに映画館にて鑑賞。
主人公の行動の背景が明らかにならない点やあまりに突破な行動をとるヒロインには驚きましたが、終始わりと穏やかな気持ちで見られる作品でした。
レコード会社の沖さん、最初はビジネスのことしか考えていない嫌な上司役なのかと思いましたが、終盤の潮が清澄の手を握って部屋から連れ出すシーンで口元に笑みを浮かべていたのが印象的でした。
この作品のキーワードは「若さ」にあると思います。「若いのに珍しいね」「もう自分は終わりだけど君はこれから」。人との関わりを避け自分の才能を世に知らしめようとしない清洲のことを中堅社会人やドラマー、旬を過ぎたバンドマンは「若さ」という武器を活かしきれていないと感じています。沖さんも同じことを感じていたのは言わずもがな、加えて清澄の良さは楽曲に命が吹き込まれる瞬間=清澄本人が音楽を楽しんでいる瞬間だと見抜いていたのではないでしょうか。実際作曲家として育てようと部屋に閉じ込めますが、沖さんにはビジネスマンとしての視点と、無類の音楽好きとしての視点があったはずです。だからこそ若くて才能のある清澄には、殻を破ってでも音楽を生かし続けてほしいと思っていたのかもしれません。
そしてこの映画はあらゆるところに「青」が散りばめられています。主人公の服、好きな色、バンド名、さらには主人公2人の名前が氵がつくところまで。どこまでも青や水色に溢れていました。青がつく言葉には「青春」「青年」「青二歳」と若さを表すものが多くあります。これも若さが一つの武器であること、若いうちは好きなことをやってほしいというメッセージの現れだと思います。
映画はストーリーが1番大事だと思っているので今回は3.5で。川西拓実くん目当てだったけど、ひよりちゃんの可愛さに釘付けでした!