「音楽を作ることが大好きな男と、生まれて初めて好きなことを自分で見つけた女性。すれ違いと接近を重ねながら次第に太くなっていく二人の絆の行く末が気になります。」バジーノイズ もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽を作ることが大好きな男と、生まれて初めて好きなことを自分で見つけた女性。すれ違いと接近を重ねながら次第に太くなっていく二人の絆の行く末が気になります。
鑑賞直前までノーチェックでした。
ヒロイン役が桜田ひよりさんと知って気になり
作品紹介を読んでみたら面白そうな感じ。 ふむ。
で、気がついたら映画館の座席の上。・_・ マタデス
さあ鑑賞開始。
主演は2人。 …あれ 3人?。 いや 4人かも (…汗)
アパートの管理人(住み込み?)をしながら、夜は黙々と音楽作り
に勤しんできた若い男が主人公。
彼の住む部屋の上に、どこからともなく真夜中に聞こえてくる音楽
が流れてくるのを楽しみにしている若い女性。
管理人と住人なので、朝の挨拶程度には言葉を交わします。
二人とも関西イントネーション。両方とも神戸出身と分かります。
会話のついでに彼女が尋ねます。
” 下の階に住んでいる人、どんな人です? ”
” 聞こえてくる音楽が、素敵なんですよ ”
つい教えそうになるが、会話の中で彼女には彼氏がいると聞いて
しまいます。その事が影響したのかどうかは分かりませんが、
” 個人情報だから ” と下の階の住人の事(=自分の事)は教えず
断るのでした。(えらいっ)
いつも大音量で音楽を再生するものだから、実は何度も近隣から苦情
(騒音クレーム)が入っているのでした。普通管理人は注意する側…。
” 次にクレームが入ったらクビだから ” と管理会社。
部屋からも出て行ってもらう と通告され、しばらくは大人しく
していたのですが、ある日の深夜。部屋のインターホンが鳴ります。
” 彼に降られちゃった ” とドアの外にやってきたのが例の女性。
” 曲を聞かせてほしい ” と、彼にしてみれば迷惑な依頼…。
無視を決め込む彼。
ドアが開くことは無かったのだが…
部屋に戻って涙でマクラを濡らしていた女性の耳に
聞きたかったいつもの音楽が聞こえてきました。
最初は小さく。次第に大きく。
開き直ったかのように、大きな音量で音楽を再生する男。
その表情には、解放感と充実感。
と、突然部屋のガラスが割れる。
大音量へのクレーム? 怒り? 暴挙?
破られたガラス窓の外に立っていたのは、上の階の彼女。
” やっぱり管理人さんや ”
こうして管理人の部屋は窓無しになり
通告された通り管理人は宿無しになる。
仕事も無くした男に、女は自分の想いを伝える。
” 貴方の音楽作りに関わりたい ”
「一人よがり」と評された男の音楽制作が、このとき
「二人よがり」に進化した。
…と、まあ
こんな感じに話は進みます。
細かなところまで練って考えられた脚本だと思います。 ・_・
セリフ・会話・場面展開などなど不自然さを感じる場面が殆どなく
最後までドキドキしながら最後まで楽しめる作品でした。
観て良かった。大満足です。 ・_・♫
◇
改めて、主な登場人物を紹介。
海野清澄 (川西拓実) 音楽制作大好き青年。一人でいる事を好んできたが…
岸本潮 (桜田ひより)彼の作る音が好きな女性。ファン一号。世話焼き体質?
速水航太郎(井之脇海) 女性の幼なじみの音楽プロデューサー。下っ端のようだ…
大浜陸 (柳俊太郎) 昔バンドを組んでいたベーシストの男。今のバンドに不満が…
最初に清澄と潮の出会いがあって
音楽プロデューサーの航太郎が仲間になりたそうで
清澄のかつてのバンド仲間の陸が新たに加わって。
まるでロールプレイングゲームをしているかのように
最初は一人の主人公に、どんどん仲間が加わって
いつの間にかAZURという名のパーティができて。
悪い魔法使いの誘いに乗ってしまい暗黒面に堕ちた清澄を
闇の牢獄から救い出したのは ” プリンセス=潮 ” 。
潮のコトバに自分を取り戻した清澄は光の世界へと帰還。
あれれ。
人物紹介するハズが、妙な作品紹介に…。@_@;
で、この作品。
ちょいワル風な人物は登場するのですが
根っから腐った人間は登場しません。(記憶にない)
そんなところも、私的には良かったです。 ・_・ハイ。
◇あれこれ
■清澄と陸のセッション(?)
再会した二人が久しぶりに音を合わせる場面。
「坂道のアポロン」の演奏シーンが頭に浮かびました。
自由に音を創り出す清澄と、受けて演奏を重ねる陸が
なんとなく" 薫と千太郎 ” に思えて " 良い感じ " でした。
音が次第に重なり合って、より深みの有る音楽へと変わるのが
とても楽しそうに描かれていたように思います。 ・_・♪
■天の岩戸みたいな
中に引きこもった清澄を引っ張りだしたい潮たち。
アマテラスを外に誘い出したのはアメノウズメの踊りですが
この作品の潮は踊りません(汗)踊る代わりに手近な所の
イスをドアに叩きつけて壊そうとします (大汗)
ドアは壊れませんでしたが、恐れをなした(…違うかも)清澄
がドアを開けたので、結果オーライです。 (冷汗)
◇最後に
バジーノイズ。この作品のタイトルです。
日本語にすると ” 賑やかな雑音 ” といった意味でしょうか。
雑音であっても、それはきっと人が生きていく上で必要な音。
何の「音」も無い状態では、人は生きていけないのかも。
そんな気がします。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
共感とフォローありがとうございます。
本作のようなひたむきな青春を描いているようなジャンルが好きでよく観ます。あとこの映画の監督さんの演出が好きなのです。
宜しくお願い申し上げます🤲