劇場公開日 2023年10月20日

「「これ好き」の詰め合わせ」ザ・クリエイター 創造者 tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「これ好き」の詰め合わせ

2025年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

監督ギャレス・エドワーズの作家性と趣味を爆発させた作品
いいよこれ

冒頭『Fallout』のような演出から始まり
超でかい構造物が地上をスキャンしながら特殊部隊が海から登場でグッと期待が高まる
そこから
「あれ?『ブレードランナー』じゃねえか? これ『ブレードランナー』じゃん。」
とはなるがオリジナリティとして東南アジアの雰囲気も取り入れていて、単なる模倣ではないのがグッド、エキゾチックな雰囲気がとてもいい
そして逃亡劇に展開することで程よい緊張感のまま進む
全体的に構成は良い

どの場面においてもランドマークを意識し、美しい近未来の景観を描写
小物はレトロなデバイスをモチーフに、スマートフォンのような万能なデバイスではなく、高性能であっても単機能なものだったり、非常に好み
またシミュラントのデザインは、一見してロボットだとわかるようになっていてこれも非常に良い。
美術だけで満点

ストーリーは3.0といったところだが、それを補って余りある見ごたえある映像は必見だ

SFとしては、「この世界のAIは、人間の脳を模倣して作っている」という設定で、
計算機工学の延長線上ではない=計算能力が高くない、
ほぼ人間と同じスペックのAIということが面白みを生み出している。

かなり闇鍋めいたSF作品だが、こういった作品は好み

tabletap