「近未来の愛に溢れたSFストーリー」ザ・クリエイター 創造者 かずくんさんの映画レビュー(感想・評価)
近未来の愛に溢れたSFストーリー
ボロ泣きしたあとの感想なので頭が回っていないが、
取り敢えず一種のメリーバッドエンドのように感じた。
展開的に予測はしてたけど、やはり辛い…クソ辛い…。
世界線の説明は冒頭に簡潔に挿し込まれるので、
話においていかれず、
鑑賞できるように配慮している点がいい。
簡単に言えば(現代ではこれから危惧されている)、
AIと人間が共存出来ず戦争になる世界線。
多くの人と“機械”が巻き込まれる中で、
生まれてきた一人の少女。
一見他のAIと大差ない彼女は、
日々学習し強大過ぎる力を持って仕舞う結末を迎える。
さて、そんなときに元軍人のジョシュアさんが現れて、
破壊対象の彼女を保護していく展開。
最初はよくある展開に収まるかと思っていたが、
思い切り飛び越えてきた…。
最初の場面で娘を探すAIロボットが出てきた際、
女性が「まるで人間のように…!」と恐怖に慄いていた。
現代でAIが当たり前のように活動しだしたら、
誰しも「常識の範疇」から外れたものに怯えることだと思う。
いい感じの場面でそのような描写を入れたことで、
観客の心を上手く掴んでいたと思う。
はい、僕は思いっきり掴まれましたし、
潰されていく義体のシーンで軽く泣きかけた…。
そんな中でもAIと共存していく地域もあり、
AIでも確かな愛情を育む人達もいる。
ジョシュアとアルフィが出会う人達には、
戦友であったりパートナーであったり多様性が描かれている。
今後の社会でAIと共存することになれば、
いつかこのようなことも「常識」として当たり前になるのかぁ…。
想像上であるこの描写が上手すぎて終始のめり込む。
…大体みんな爆発に巻き込まれるんだけど。
ジョシュアは「クリエイター」である妻を求め、
アルフィはジョシュアと共に生きる意味を探していく。
大半は過酷な世界を逃げ回ることになるので、
呑気に観光とかしてる暇は無いんだが、
よく見れば街並みや風景が細かいので、
面白いぐらいに溶け込んでいるのは迫力もあった。
さて、
そんなところで一気に爆撃なりのシーンが終盤から始まる。
最愛の人達を失いながら、
それぞれの為に必死に生きる姿は、
人であれAIであれボロ泣きするしかなかった…。
大体主要人物が背中に爆弾をつけられて、
無残に爆炎と散る展開は見慣れたよね、うん。
まぁあの人達は…、
話の中にそこまで深く関わってこない…わけではないが、
話の主軸の為にちゃっちゃとご退場させたのは案外良かった。
(テンポ感という意味では)
今までの旅でジョシュアとアルフィの絆は深まっているのはよくわかるし、
お互いの協力プレイは良かったぞ。
逆に言えば、
アルフィの成長速度がえげつないことにもなるけど。
そして終盤の脱出の展開にて、
アルフィ…もう大活躍じゃないですか。
お母さんの身体にメモリを差し込んで起動させておくとは…。
お陰で英雄が念願の最愛の妻に出会い、
お互いの愛を確かめ合いながら朽ちていくクソ重い展開になったんだよぉ!
僕からしたら辛すぎる展開だけど、
アルフィは生きているしジョシュアは妻に逢えたし、
ある意味彼等からしたらハッピーエンドなんだろうなぁ…。
愛を託され、世界を担う少女。
これからも永遠に少女として生きることになるが、
まじでスピンオフとかで今後のアルフィの様子とか、
ロードムービー的にジョシュアと奥さんの話とか作ってください。
いやまじで。
あんな世界で生かされるアルフィが可哀想でもあり、
それでも結末は変わらないからこそ、
カタルシスを得たい…。
頼む…続編でもいいから何から作ってください(土下座)
映像も迫力あるし、
何より多種多様なAIが表情豊かに喋り泣いたりすること、
BGMのセンスからまじでこだわりを感じる。
個人的今年ベストのSF映画になる。
単に人間とAIの戦争話で終わらせず、
愛にも溢れた号泣必至の作品。
ネタバレレビュー観てる時点で鑑賞後だと思うけど、
みんなにこれはおすすめする。
もうすぐそこに迫るAIとの共存をテーマに、
非常に丁寧に繊細に描いてあるからこそ、
非常に得られるものがあると思う!